1日に始まった函館のスルメイカ漁は低調な滑り出しだ。函館市水産物地方卸売市場の取扱量は20日時点で前年同期の8割。夜間操業でまとまらず、大半の着業者が例年午後11時ごろまでの操業を、同7時で切り上げて帰港している。
上磯郡漁協上磯地区のホッキ突き漁が15日解禁した。水揚げは殻長9センチ以上10センチ未満の中サイズが主体。また、漁獲対象外の9センチ以下が広範囲に見え、北斗ホッキ部会の坂見英一郎部会長は「資源が年々減少傾向の中で将来の水揚げに期待できる」と話す。
歯舞、落石、根室の3漁協が操業する貝殻さお前コンブ漁は、繁茂状況が芳しくなく苦戦を強いられている。実入りなど品質は漁場でばらつきがあるものの、着業者からは「まずまず」「さお前らしい理想的なコンブ」との声もある。
ウニ製品に定評のある洞爺湖町の株式会社小川商店(小川恭之社長、電話0142・76・2323)は、折り詰めなどの米国輸出に乗り出す計画だ。加工拠点の乙部工場をHACCP対応に増改築。一般社団法人大日本水産会のHACCP認定を取得する。
道漁協系統・関係各団体は15、16の両日、札幌市の第2水産ビルで通常総会を開き、平成28年度事業報告と29年度事業計画を承認した。最初に開かれた全道組合長会議では、漁業資源増大・資源管理対策、漁業経営基盤安定化対策、安全な漁場環境と豊かな海づくり対策の3項目を重点とする決議を採択。16日の道・道議会を皮切りに要請活動を展開する。
オホーツク海のけた引本操業は、6月から南部でも本格的に始まった。紋別は12日から1隻ノルマ20トン、常呂・佐呂間は16日から12トンに引き上げて操業。4単協が行った初回値決めはキロ200円前後で妥結している。
湧別漁協の底建網は、順調な出足となった。春漁主体のホッケが上向いており、季節外れのマダラも好漁。1隻で日産平均2~3トンを水揚げしている。
えりも漁協のカレイはソウハチが昨年を上回る水揚げペースで推移している。特に本町地区、冬島地区などえりも岬より西側でまとまっている。メインのマガレイも本町地区のオカ側で漁がみえてきたほか、庶野地区では昨年よりも日量が増えている。
浜中漁協のさお前コンブ漁は、解禁から3日後の13日に初水揚げした。14日も出漁し16日現在2回の操業。春の流氷被害は軽微で済みコンブは繁茂しているが、実入りは芳しくないという。
稚内市の水産加工・丸共水産株式会社(宮本宜之社長、電話0162・23・4050)は、消化管での吸収性に優れた低分子糖鎖「糖鎖オリゴマー」の量産技術を開発した。札幌市手稲区に製造拠点「札幌ファインケミカル研究所」を構え、16日生産を開始。カスべ由来のコンドロイチン硫酸などを使用し、3年以内に年間1トンの生産を確立。健康食品や化粧品、医療用の素材などに拡販を目指す。