歯舞漁協のホッカイシマエビかご漁が好調な出足を切った。歯舞北海えび漁業部会の村内茂部会長は「ハシリからこれだけ漁があるのは珍しい」と話し「水温が高くエビが早くから陸寄りしたためでは」とみている。
噴火湾で毛ガニかご試験操業が始まった。いぶり噴火湾漁協は1隻平均200キロ台、日量約2トンと昨季を上回るペース。サイズは小型傾向で大3割、中7割。浜値は大がキロ5000円台前半、中が3500円前後と高値に推移している。
釧路管内のさお前コンブは、6月26日に釧路市東部と厚岸、同27日に昆布森と散布が終漁した。昆布森漁協は解禁から10日遅れて6月25日に初水揚げ。27日まで3日連続で操業し終漁した。漁期前の資源調査では生育・繁茂とも芳しくない結果を示したが、同漁協は「場所でばらつきはあるものの、当初より状況は良かった」という。
歯舞、落石、根室の3漁協が着業する貝殻さお前コンブ漁が終盤を迎えている。今季は繁茂状況が芳しくなく、着業者は「厳しい漁を強いられている」と口をそろえる。当初生育は若かったが休漁期間(6月4~10日)を挟んだことが奏功、長さが伸びるなど成長が進んだ。
加工貝(2年貝)の水揚げが落ち込んだ噴火湾では、来季出荷用の耳づり作業が終わり、施設に垂下したロープの割合は各単協とも6~7割とみられる。年度当初に設定した2019年度計画量は、いぶり噴火湾、落部、森が7000~8000トン、長万部も同規模を想定。順調に成長した場合は7単協(いぶり噴火湾、長万部、八雲町、落部、森、砂原、鹿部)合わせ前年度実績の約2倍、一昨年度の6割強に当たる4万トン前後の水揚げが予測できる。
人手不足や高齢化が進む近年の漁業現場。外国人技能実習生の受け入れや機械化で活路を見いだす漁家が増える中、網走漁協では東京農業大オホーツクキャンパス(網走市)に通う学生が大きな役割を担っている。一大イベントとも言えるホタテの稚貝放流には1日約850人のアルバイトがバックアップ。毎年8日間の短期間で終わらせる出荷作業に欠かせない存在となった。地域性を生かした人材確保に加え、作業の省力化も強化し課題克服に努めている。
株式会社帝国データバンク釧路支店が集計した2018年の北海道内水産加工業売上高ランキングによると、函館市の㈱道水が04年の調査開始以降初めて首位の座についた。上位100社の売上高合計は漁獲動向などを反映し、微増ながら3年ぶりに前年を上回った。
いぶり噴火湾漁協の小定置は、サクラマスが好漁した。全地区合わせ前年比9割増の水揚げ。トキサケは短期集中的に入網し昨年並みの9%増。一方後半戦はヒラメが急増した。
公開市民講座「さーもん・かふぇ2019」が15日、盛岡市のホテルで開かれた。8回目の今年は「ふるさとのさけ」がテーマ。講演で水産研究・教育機構北海道区水産研究所の浦和茂彦研究員は、日本産サケの資源減少は放流稚魚の初期生残率低下に起因すると指摘。遊泳能力の優れた稚魚を飼育、放流する技術開発の必要性を訴えた。
函館市漁協のスルメイカ釣漁は今年も低調な出足となっている。着業者は「低速航行で燃油消費を抑えているが、その分を獲るのも大変」「群れが薄く、空振りに近い日もある」と苦戦。サイズも小さい。