長万部漁協のウニ潜水漁が始まった。資源量に不安はなく例年並みの水揚げ。エゾバフンは昨年より身入りが良く、前年比1.5倍の好値でスタートした。
小樽市漁協のウニたも採り漁は海況に恵まれ順調に操業、エゾバフン中心に増産増額で推移している。海藻の繁茂状況も良く、着業者らは「身入り、色合いとも上々」と口をそろえる。
道東沖のマイワシ漁が好調な滑り出しを見せている。先発のロシア200カイリ水域サケ・マス流網漁禁止に伴う代替漁業のサバ類・イワシ棒受網試験操業(許可隻数17隻)は6月末までの水揚げが試験操業開始の2016年以降最多水準。10トン未満小型サンマ漁船によるマイワシ棒受網試験操業(許可隻数33隻)も7月10日に始まった。
本場折浜で促成の生産が最盛期を迎えている。昨年に比べて順調な水揚げで推移。実入りも上向き、おおむね良好な様子。幅や長さは地区でばらつきがある。また、すそ中心にコケムシが付着しているという。
道漁連は4日、道昆布事業協同組合の総会で、本年度の道内コンブ生産予想を昨年度実績(1万5161トン)比10%減の1万3711トンと発表した。過去10年平均(1万6556トン)と比べると17%下回る。道南や道北島かたの天然は一部を除き繁茂状況が悪く、終漁した道東さお前は昨年を下回る生産が見込まれている。
オホーツク海けた引の北部(宗谷管内)、南部(オホーツク管内)合わせた漁場造成を含む6月末水揚量は10万8750トンとなった。計画達成率は37%。沙留が5割、宗谷、猿払村、紋別の3単協が4割超え。歩留まりは13%台に上昇したが、組成は3Sまたは5S主体と差のある状況。値決めはキロ190~120円と開きがあり、300円台を付けた浜もある。
岩内郡漁協のスルメイカ釣漁は、6月末から7月頭にかけて外来船が集結し全体の日量も増加した。ただ船間差のある漁模様。岩内郡漁協所属・第五十八清寿丸で操業する西澤英美理事は「群れは広範囲だが厚くはない。良い場所は一角だけ」と話す。サイズは30尾入れが主体。「まだ小さいが徐々に大きくなっている」と実感する。
渡島噴火湾の毛ガニかご試験操業は、昨年より多い日産ペース。砂原漁協を除く4単協は先週末で許容漁獲量(ノルマ)に達した。組成は小主体でキロ3000円台。大は高値7000円台と堅調だ。
北海道の産地で活じめが一般化している春定置のトキサケ。さらなる付加価値向上を目指し、羅臼で今季から新たな挑戦が始まった。羅臼漁協の峯浜水産㈲(石川勝代表)と(有)丸モ田中漁業(田中英輔代表)の計2カ統が根室市の鮮魚卸業者・松田商店(松田英照社長)と連携し、神経じめで出荷。同商店の独自技術を武器に、道内外の消費地で差別化を狙う。松田さんが伝授する神経じめは、脳天からT字スパイクを刺し込んだ後にワイヤーを通し、神経を破壊する。加えて特徴的なのが、ある一定の電圧で心臓を動かして体内に残る「抜けきれない血」を絞り出す「強制的心肺蘇生放血」。電気刺激処理で魚体の細胞間でやり取りされている情報伝達信号を抑制し、身にかかるストレスを軽減させる。