紋別漁協の底建網で11月中旬からスルメイカが乗網している。比較的下手(湧別寄り)の沖側で好漁、1隻平均100箱前後の水揚げ。浜値は木箱1万円台と強含み。数年ぶりのまとまった水揚げに浜は活気づいた。
札幌市の水産品・冷凍食品卸、丸一大西食品株式会社(渡邉直彦社長、電話011・641・8180)は、北海道産魚介類の刺身商材を拡充している。特殊冷凍技術を活用したワンフローズンで、フィレーからロイン、刺身盛り用のカット済みまで対応。量販店や居酒屋などの人手不足対策などに商品提案している。
羅臼町の株式会社金澤造船所(金澤一社長、電話0153・88・2104)は、ウニたも採り用の船外機船を手掛けて30年以上の実績を誇る。椅子部の高さなど漁業者個々のニーズに応じた船体設計に加え、バッテリーボックスなど必要な設備もフル装備で施工。今年は来年1月から新規着業の4隻を受注、建造を進めている。
室蘭漁協イタンキ地区のスケソ刺網は11月に入ってシケ続きの海況で苦戦を強いられている。ハシリの好漁で累計数量は前年同期を上回るものの、「出漁回数が少ない」と着業者。漁場は深みで今後のオカ寄りに期待をつないでいる。
えさん漁協尻岸内地区のマダラ延縄は、全般的に水揚げが低調。富原芳人延縄船団長は「11~12月が最盛期だが日量200~300キロで大漁の世界。魚がいない」と嘆く。
オホーツク海のけた引は先週で枝幸、雄武、沙留、紋別、網走の5漁協が今季の操業を終えた。枝幸3万7700トン、紋別3万290トンと、この2漁協が3万トン超え。空貝や天然貝の選別に苦労した漁協もあるが、5漁協とも前年実績を上回り順調な操業となった。
道南太平洋沖のスケソ刺網は解禁から約1カ月半が経過したが、10月下旬過ぎからシケ頻発の海況に悩まされ失速気味だ。ハシリの盛漁を背景に薄漁だった昨年を上回るペースで推移しているが、休漁日を挟んだ不安定な漁模様に加工会社も原料確保に苦慮。加えて胆振、渡島とも深みで群れが厚く、オカ寄りの漁場形成と海況の好転が今後の焦点となる。
宗谷漁協の刺網は、マガレイ主体に10月から操業を開始した。水揚げは1反当たり20~25キロと例年並み。「今時期はカレイが安値となるためシマゾイ狙い」と着業者。11月は荒天が続き出漁回数は減っているが水揚量は「比較的安定している」という。
オホーツク海のホタテけた引は、宗谷、猿払村、頓別漁協が今季の操業を終えた。自然発生の小型天然貝に苦戦を強いられたが3単協とも無事終漁。猿払村は4万8000トンで、全域で今季最高水揚げとなる見通し。宗谷はM~2Sの大型組成で推移。頓別は前年実績を10%上回る水揚げとなった。
4万トン台の記録的凶漁で終漁に向かっている北海道の秋サケ。今期の消流は例年以上に生鮮がけん引。相場が昨年より下方修正され、末端量販店は積極的な販売攻勢で売り上げを伸ばした。生活協同組合コープさっぽろ生鮮本部水産部の松本邦晃バイヤーに販売・消費動向を聞いた。