むかわ町が建設を進めてきたシシャモふ化場が10月末に完成した。1級河川である鵡川の河口近くに位置。施設内には自然の産卵河床を再現した養魚池を整備、採卵数も旧施設の約3倍となる約1億4千万粒と拡大しており、シシャモ資源の安定・増大に期待が寄せられている。
道東沖の巻網漁が10月末で終漁、主力のマイワシは金額が昨年比32%増の97億8434万円と大きく伸ばした。小型主体の組成で数量は4%減の22万4908トンと若干減少したものの、キロ平均単価が38%高の44円に上昇し金額を押し上げた
いぶり噴火湾漁協の有珠支所でナマコたも採り漁が始まった。1人当たりの水揚げは日量平均30キロ前後。序盤はうねりが強く海底が濁り低調にスタート。着業者は「特に深場は採りにくい」と話し、型は「例年より小さめ」と口をそろえる。2日の浜値はキロ3800円。序盤はシケが重なり満足に操業できていないため、「海が安定する今後に期待したい」と意欲を示す。
釧路管内のシシャモ漁は、低水準ながら不漁の昨年を上回る出足となった。先行して始まった白糠漁協は過去最低の昨年比で2割増となる序盤の漁況。釧路3単協(釧路市、釧路市東部、昆布森)も昨年を超える日量でスタートし、今後の漁本格化に期待がかかる。良型主体の組成で、浜値はキロ4千円台に付くなど昨年同様に高値で推移している。
苫小牧港を拠点とするイカ釣り漁は10月27日に日量2034箱とまとまった。ただその後は28日が1202箱、31日が182箱と切れた。サイズは20尾入れが多く、良型が主体を占めている。
漁業情報サービスセンターの集計(速報)によると、10月末現在の苫小牧市場の累計水揚量は前年同期比33%減の244トンと振るわない。キロ平均単価は26%高の731円と伸長した。
札幌のセンチュリーロイヤルホテルは、松前町の未利用海藻である天然アオノリをふんだんに使った特別メニューの提供を1日から日本料理「北乃路」で開始した。青のりの上品な磯の香りや味わいが炊き込みご飯や茶わん蒸しを引き立てて、未利用資源に潜む可能性に光を当てた。
いぶり噴火湾漁協の秋サケ定置は、大きく減産した昨年より増加しているものの、盛漁期に上向かず苦戦を強いられている。10月末の漁獲量は180トンで前年同期比44%増となるが、同漁協では「平年の半減に近い」と説明。着業者は「ハシリから薄いまま終盤に入った」と肩を落とす。薄漁のため浜値は堅調で、メスがキロ千円台前半を付けている。
日高中央漁協のコンブ採りは10月下旬までに全地区が終漁した。全8地区延べ操業日数は低調だった昨年(56日)を大幅に上回る161日を確保し増産となる一方、実薄を指摘する声も多かった。来年採取対象となる水コンブの繁茂も見られ、着業者は今後の順調な生育を願う。
イカのまち・函館で漁獲が増えているマイワシを有効活用した新たな産業基盤の確立を目指すプロジェクトが進んでいる。レストラン、水産加工・販売業者、漁業者らが連携。先導役に「アンチョビ」を選定し、商品の販売拡大と併せて自家製の普及などで地域の食文化を形成。イカ同様に全国に認知される土台を築いていく。
オホーツク海沿岸の水揚量(速報)が10月末で30万トンを突破した。漁場造成を含め前年同期比3%減の30万950トン。北部の宗谷、猿払村、頓別、枝幸、南部の雄武、沙留、紋別、常呂の計8単協が計画超え。歩留まりは10%前後と下降し、組成は4S、5Sが増加傾向、キロ200円を割り込む浜が増えた。6単協が3万トン以上となり終盤戦を迎えている。