海洋プラスチックごみの問題が深刻化し、その要因の一つとなっている漁網やロープなど使用済み漁具のリサイクルに取り組む動きが全国各地に広がっている。漁業者・漁協、廃棄物処理業者、製網会社、繊維会社、自治体などが連携。回収し、新たな漁網やロープ用原糸などへの再生、かばん・衣料品・文具・家具などへのアップサイクル、熱源利用といった展開が増えてきている。
使用済み漁網などのリサイクルを促進する団体「Re:ism(リズム、水産系プラスチック資材リサイクル推進協議会)」(会長・木下康太郎木下製網㈱社長)が発足した。これまでの「Team Re:ism(チーム・リズム)」の活動を大日本水産会が継承し、技術開発や消費者への認知向上も目的に、循環型社会の構築や環境負荷低減に注力する。「漁業者の協力なくして活動は成立しない。だからこそ負担をかけない取り組みにする」と大水の枝元真徹会長は語る。事業の展望を聞いた。
東京都・豊洲市場で北海道日本海産のミズダコを使った珍味が好評を得ている。寿都町の㈱吉崎水産が加工する「たこ珍」で、スライスして乾燥、素材の良さを生かした薄味仕立て。珍味仲卸業者が約1年前から取り扱いを始めて、居酒屋を中心にリピーターを獲得している。同仲卸では150グラム入り990円(税込み)で販売。メーカーの品名は「たこ珍」だが、顧客に分かりやすいよう「水たこチップス」の名称を追記。「食感は最初やや硬いが、口に入れるとすぐ軟らかくなり、タコ独特のもちもち感がある。薫製ではなく軽い味付けで仕上げているので食べ飽きしない」と評価する。
水産研究・教育機構の理事長に1日付で就任した芳野正氏は8日、水産庁内で就任会見を実施した。初の民間出身の理事長となる芳野氏は「経営という言葉を意識して運営に臨みたい」と強調。求められる研究開発を推進し、社会実装を早期に実現する意欲を示した。人材育成や組織マネジメントの確立にも注力する。水産業界を取り巻く外部・内部環境が曲がり角に直面していると捉え、データを正確に把握した研究開発が求められていると認識する。施設の老朽化や予算の削減など機構の内部環境による課題も顕在化しているが「単なる壁ではなく、むしろ伸び代があるものと捉える。伸び代のある組織は変革によって大きく伸びていく」と意気込む。これまで機構が進めてきた組織内の統合など、シナジー効果が早期に現れることを期待する。
全漁連(坂本雅信会長)は8日、漁業用燃油の安定的な確保を求める緊急漁業代表者会議を東京・平河町の都道府県会館で開催した。今般のイラン情勢を受け、原油価格が高騰しており、その対策を国に求めた。各地の漁業者の代表や共済団体関係者らが全国から緊急で集まり、漁業経営が圧迫している現状を訴えた。
東京都・豊洲市場の活魚ナメタガレイ消流は3月末に入荷が始まった。一般的に冬の煮魚商材だが、卵を持たない時期で身が厚い場合は刺し身商材として一部の飲食業者から引き合いがある。活魚専門の仲卸業者は「得意先のすし店から白身魚のない時期に注文が入り、毎夏必ず一度は使われている」と話す。 同仲卸によると、約20年前の築地時代には刺し身で食べる概念はなかった。「仕入れ始めた当初は周囲から『(抱卵せず煮魚需要がない時期に)なんであんなの買ってるの』と言われた」とし「自ら食べて身の甘さに驚き、以来仕入れを続けている」と販売を始めた経緯を話す。
「TOSPACK」シリーズで知られる真空包装機国内最大手の株式会社TOSEI(東京都品川区)は、調理後の温かいままの食材をパックできる据置型真空包装機「HVP-930DW」を開発した。これまで卓上型はあったが据置型は世界初で、4月から発売する。煮炊き、煮付けなど魚の持ち味を生かした熱処理品もすぐに包装でき、作業性や安全・安心の向上だけでなく、商品ラインアップの拡充にも期待できる。
ニチモウ株式会社は同社初の取り組みとして、ノルウェー産ニシンを使った商品の販売を5月ごろから始める。ノルウェー産サバの2026年の大幅減枠に伴う価格高騰に対応する代替商材として展開。栄養面に着目して良質な健康素材としてのプロモーションも計画する。現地生産者も日本市場での拡販に期待を寄せている。
岡山県瀬戸内市の邑久町漁協(松本正樹組合長)による持続可能なカキ養殖の取り組みが注目を集めている。同漁協の漁場が環境省の「自然共生サイト」に国内最大級の海域エリアとして認定されたほか、都内では消費者向けの料理教室やフェアを積極的に展開。豊かな自然環境の保全と安定的な消費拡大を両輪として機能させ、産地ブランドの確固たる価値向上を推し進めている。邑久町漁協が管轄する区画漁業権全域が17日、環境省の「自然共生サイト」に認定された。登録名称は「瀬戸内市邑久町 カキの恵みと未来の海の維持・保全計画」。海域としては国内最大級の認定規模で、31日には同省と瀬戸内市長が出席して授与式が行われる。
国産魚促進・水産加工機械資材協議会(研究会)がこのほど開催した総会(9日付6面既報)で、農林水産省農林水産政策研究所の久保田純客員研究員が、設備投資の促進を観点とした水産加工業の生産性向上をテーマに講演した。「水産加工業と水産加工機械メーカーともに経営面の改善が必要」と指摘し、加工業者に対しては機械の購入資金の支援、機器メーカーには構造転換などへの支援が必要と訴えた。