従来加熱製品や珍味の原料で注目されてきたムラサキイカが、生鮮商材でも市場評価を高めている。スルメイカの不漁で生食用イカが品薄となったのが背景。加えて胴肉の歩留まりが95%と高く、用途の多様性でスルメイカに代わる基幹商材としての地位を確立しつつある。
香川県の養殖ブランド魚「オリーブハマチ」の今シーズンの出荷が始まった。首都圏を中心に生鮮魚介専門店を展開する東信水産株式会社では、刺し身やすし、切り身、総菜などの商品にし、順次出荷される「オリーブぶり」と合わせ来年1月上旬ごろまで展開する。23日には荻窪総本店(東京都杉並区)に池田豊人香川県知事や香川県漁連の嶋野勝路会長が来店してトップセールスを行ない、この時期でしか味わえない県自慢の産品をPRした。
東京都・豊洲市場のマサバ消流は宮城県産の入荷量が安定している。ただ、身質に課題があり、長崎県産に比べ安値に付いている。東京都が集計する9月第2週の取扱状況によると、宮城産マサバは前週比81%増の約22トンが入荷し、キロ単価の中値は621円となった。
福島県相馬市の相馬原釜魚市場がスルメイカの好漁で活気づいている。9月から始まった相馬沖合の底引網漁で、県によると24日までの水揚量は前年同期比2.6倍の約193トン、キロ平均単価は同40%安の291円。市場関係者らは「珍しいくらいの好漁」と口をそろえる。資源管理の面から現在は各船1日2トンまでと上限を設けての操業が続いている。
包装産業や容器・包装を使用する食品製造など業界各社は持続可能社会の実現に取り組んでいる。包装の役割である「中身を守る」という機能を保持、技術開発に着手しながら、プラスチック使用量の削減、容器・包装のリサイクル、CO2削減などを推進している。プラ使用量削減では、環境対応素材の採用が進み、従来のバイオ樹脂やリサイクル樹脂、紙への切り替えだけでなく、ケミカルリサイクル(化学的再生法)やマスバランス(物質収支方式)など新たな手法を用いた環境対応素材の採用が進む。
株式会社シーフードレガシーと『日経ESG』(株式会社日経BP発行)は10月1~2日、アジア最大級のサステナブルシーフードイベント「サステナブルシーフード・サミット2025(TSSS2025)」をグランキューブ大阪で開催する。国内外の水産関連を中心としたフロントランナーが最新の知見を共有し、「水産業の未来地図」をつくるための道筋を考える。今回は初の大阪開催で、万博と重なり相乗効果を期待する。
首都圏の量販店では8月からサンマ売り場を形成。組成も近年と比較して大型が目立ち、9月に入ってスペースを徐々にに拡大させるなど消費者の購買意欲をかき立てている。首都圏量販店の多くは8月が1尾400円、2尾800円の価格帯を中心に展開。9月に入ってからは1尾300円~250円、2尾で600~500円程度で推移している。鮮魚専門店ではそれ以下の価格帯での提供も見られる。
東京都・豊洲市場の秋サケ生筋子消流は、北海道の定置網漁の水揚げが好スタートを切り、各仲卸業者が航空便、陸送便の入荷品を目利きし、品質や価格帯の幅を広げて販促に乗り出している。ただ、大口の飲食店や量販店ではサンマの取り扱いに力を入れており、生筋子の需要はまだ限定的。近年では冷静な相場で滑り出している。卸値は航空便でキロ1万1千円ほど。定置解禁直後としては近年に比べ千円ほど安値。根室産を扱う仲卸は「今年は荷が集まりやすかった。8月下旬より1500~千円ほど安くなっている。陸送品ならどれも1万円を切るようになった」と手応えを話す。
マルハニチロ株式会社は、養殖研究を行う同社グループの株式会社マルハニチロ養殖技術開発センター(鹿児島県南さつま市)において、公益財団法人ふくしま海洋科学館(福島県いわき市)の協力を得て、事業レベルに準じる飼育密度でのサンマの試験養殖に成功した。事業化を確立して商業出荷できるよう、持続可能なサンマ養殖に向け、さらなる技術開発に取り組むとしている。
大阪・関西万博パビリオン「BLUE OCEAN DOME」の「DOME C」で9月29日~10月5日、「選んで守るサカナの未来 Week」が開催される。将来にわたり魚を楽しめる未来をつくるため、サステナブルシーフードをテーマに専門家などによるトークセッションや親子向けワークショップ(WS)、「第6回ジャパン・サステナブルシーフード・アワード」授賞式など多彩な企画を展開する。 ZERI JAPAN主催、株式会社シーフードレガシー共催。ASCジャパンなどが協力する。