「守りぬく 光輝く 豊かな海」をテーマに「第42回全国豊かな海づくり大会北海道大会」が17日、厚岸町の厚岸漁港特設会場で開かれた。北海道開催は湧別町の登栄床漁港が会場となった1985年の第5回以来38年ぶり2回目。道内外の漁業関係者ら約600人が参加。天皇、皇后両陛下が出席する中、栽培漁業の推進や地域資源の活用など北海道水産業の挑戦を全国に発信するとともに、水産資源を守り、次世代に継承していく使命と責務を再確認した。
包装業界や容器・包装を使用する食品など各種業界では、SDGsを達成するため、各社が2030年をターゲットに取り組みを進めている。政府も海洋ごみや地球温暖化に対応するため、「プラスチック資源循環戦略」を制定するなど、プラスチック使用量の削減、容器・包装のリサイクル、CO2削減への取り組みが鍵となる。プラ使用量削減では、環境対応素材の採用が進み、従来のバイオ樹脂やリサイクル樹脂、紙への切り替えだけでなく、ケミカルリサイクルやマスバランスなど新たな手法を用いた環境対応素材の採用が進められている。容器・包装のリサイクル推進に向け、モノマテリアル化の推進、着色剤レス、脱墨技術の開発など素材循環への取り組みが進行。さらに、フードロス対策、賞味期限延長ニーズ、人手不足解消がターゲットとなっており、以前にも増してバリア性を有する包装ニーズが拡大している。
三重県の志摩観光ホテルは、生産者とともに地場産食材の魅力を伝えるイベント「ランチ賞味会」を開催している。水産物など毎月テーマにする食材を決め、和食やフレンチで多彩な特別メニューを提供するほか、食材への理解を深めてもらおうと生産者による「ミニ講演会」も実施。当日までテーマが明かされない期待感も相まって高いリピート率を誇る。イベントを通して生産者と消費者をつなげるとともに、伊勢志摩地方の食の豊かさを発信、地域資源の持続化に寄与している。
バーベキュー場運営を手掛ける株式会社デジサーフ(高橋佳伸社長)は4月から水産庁が漁港・漁村の振興化策に提唱する海業(うみぎょう)の推進に向け、全国の漁協と連携した事業展開に乗り出している。これまでのノウハウを基に観光客を呼び込んで浜の活性化に寄与。漁協のコストを抑えて効率的に成果を導き出す。高橋社長は「集客に有利な条件は景色がきれいで新鮮な食材が買える場所」と、浜の魅力の最大化に自信を見せる。
めかぶやもずくなど海藻製品の総合メーカー・カネリョウ海藻株式会社(熊本県宇土市)は、同市住吉町の住吉海岸公園に海藻セレクトショップ「OKAGESAMA MOBA(おかげさま もば)」を8月4日オープンした。名前を「藻場」に由来する同店は、同社製品や地元漁協のオリジナル商品のほか、全国各地から集めたあらゆる海藻商品も販売する。オープンから1カ月、熊本を代表する観光スポットに立地することも後押しとなり、想定以上の客足に幸先の良いスタートを切っている。
農林水産省と経済産業省は7日、日本貿易振興機構(JETRO)に「水産品等食品輸出支援にかかる緊急対策本部」を設置した。政府の要請に基づく。海外における代替市場の販路開拓、水産物をはじめとした日本産食品のさらなるイメージアップへの取り組みを重点的に展開する。
東京都の豊洲市場で十勝や釧路からマツダイの入荷が増えている。秋サケ定置の混獲で、例年より水揚げが増加しているのが背景。ただ、従来安定した入荷状況ではなく、なじみが薄いため、需要先の確保など供給増への対応に苦慮している。卸値は9月11日時点で広尾産がキロ千円、高値はキロ2千円ほど。仲卸業者は「いつもは青森県、岩手県、宮城県の東北太平洋側が主。北海道産を豊洲で見かけるようになったのはここ2~3年で顧客からの詳しい評判はわからない」と話す。
フードテクノエンジニアリング株式会社(大阪市、野田憲司社長)は今年創立25周年を迎えた。食品工場の冷却設備に特化したエンジニアリング会社として、さまざまなエネルギー問題に着手。機器だけでなく工場全体をマネージメントし、自社電気計装部でシステムやソフトを組むことで省エネに向けた提案を促進させた。基幹事業を伸ばしつつ、今後は新分野にも注力。食品ロス削減、地球環境に配慮したカーボンニュートラルやCO2排出削減、人手不足に対応する省人化機械の開発など事業領域を広げていく。
株式会社ニッスイ(東京都港区、浜田晋吾社長)は、岩手県陸前高田市の広田湾漁協(砂田光保組合長)と共同で、広田湾でギンザケの海面養殖試験を計画している。県と計画内容を協議した上で、11月をめどに着手。漁場環境の調査や生産方法の検討などを行い、2025年ごろまでに事業化したい考え。将来的には年間数千トン規模の生産を目指す。
政府は4日、ALPS処理水放出に伴う中国などの水産物の禁輸措置を受けた緊急支援として、「水産物を守る」政策パッケージを発表した。すでに計上されていた総計800億円の基金に加え、中国などに依存しない輸出先の転換対策などに予備費から新たに207億円を計上。総額1007億円による5本柱の支援策を打ち出した。