昨年から好調だったいぶり噴火湾漁協のミズダコは、年明けも順調な水揚げ。例年同様に2月後半から減速したものの水揚量は前年同期の3倍強に伸びた。着業者は毎年上向く5月以降の水揚げに期待を寄せている。
有珠地区のタコ箱は約10軒が着業。昨年4月~今年3月4日の水揚量は前年同期比4.2倍4.1トン。専業の鳴海元了さん(恵洋丸)は「全般に好漁と言ってよかった」と振り返る。
ひやま漁協のスケソ延縄は2月26日に終漁、水揚げが約340トンと昨季を89%上回るなど好調だった。金額も43%増の8千万円に伸長した。同漁協副組合長の松崎敏文乙部船団船団長は「今季は順調だった。来季は水揚げ金額1憶円を目指す」と意気込む。
岩手県宮古市の南部鮭加工研究会(佐々木信男会長)はサケの薫製を軸にアイテムの拡充を進めている。機能性を高め、それを前面に押し出した商品をこのほどラインアップ。これまでなじみのなかった人にも手に取ってもらうきっかけを創出する。地元産サケの周知を図るとともに、消費の拡大を図っている。
北広島市の北海道はまなす食品(株)(佐藤靖史社長、電話011・373・9311)は、乾珍味、昆布・ふのりなど海藻製品の包装パック事業を手掛けている。乾珍味では特に原材料、製造とも北海道に特化した「北海道100」シリーズが首都圏中心に本州に加え、昨年からアジア市場にも販路を拡大している。
岩手県産ワカメのボイル塩蔵が高騰スタートとなった。県内合同となる初入札が14日に大船渡市の県漁連南部支所で開催され、芯抜き1等は重茂、末崎産が1万9千円を超えるなど、大半が1万8500円以上。全体的には昨季を1~3割上回る落札が多く、先行する宮城産入札の高値をにらんで超える展開となった。今後は宮城産も含め減産幅が焦点となっていく。
散布漁協の養殖ウニの出荷が13日に終了した。2月末現在で金額は前年同期比24%増の1億1242万円に達し、過去最高だった昨年度実績(4月~3月末)の1億252万円を上回った。今季は生残・成長ともに良好で同月末現在の数量は20%増の21トン。加えてキロ平均単価も同3%高の5278円と高値推移。浜値(殻付き)は最高で7千円に付いた。
宮城県の養殖ギンザケが12日初水揚げ、石巻市場に上場された。平均目廻り1.3キロほどの約3.5トンが950~760円、平均847円で落札。「適正価格に近づいた」スタートとなった。水揚げは4月初めごろから増え活発化に向かう。
「かっぱ寿司」(カッパ・クリエイト株式会社運営)は、地方漁協との取り組みを強化する。希少性のある素材や加工プロセスなど生産者との密接な取り組みを「地産店消」プロジェクトとして始め、すし種の品質向上とラインアップの拡充を図る。第1弾はとやま市漁協とタッグを組んだ「富山湾産白えび」=写真=を3月26日まで提供、生産者の思いの詰まった商品を全国の消費地に向けて届ける。
東京・中野の飲食店「宮城漁師酒場 魚谷屋」は9日、漁師が魚や漁業の魅力を来店客に直接伝えるイベント「魚谷屋プレミアム漁師ナイト」を開いた。北海道からは八雲町落部・噴火湾鮮魚卸龍神丸の舘岡勇樹さんが参加し、ホタテやアカガレイなどを用意してその持ち味を語り尽くした。全国的な寒波が襲い、都心でも珍しく雪がちらついたこの日、会場となった店内は熱い夜を繰り広げた。
ホテルライフォート札幌は、道が制定する「世界自然遺産・知床の日」の1月30日、羅臼・斜里両町の食材を味わえる催し「しれとこ食の宴」を初めて開いた。羅臼昆布や旬のスケソ、マダラ、ウニなど海産物を中心とした料理を提供。湊屋稔羅臼町長や漁業者、水産加工業者らも駆け付け、世界自然遺産が生んだ食と観光をPRした。