「恋問鮭」の専用シールを発泡箱に貼付
白糠漁協のサケ定置部会(新保太平部会長)は今季、生鮮出荷に取り組む「恋問鮭」の船上活じめに乗り出した。低水準の水揚げが続く中、限られた資源の付加価値を高める試みで全漁場が足並みをそろえて実施。地元仲買、漁協直販加工部を通じ道内外に流通、価格にも反映され、上々のデビューを果たしている。
北海道沿岸一円で定置網を中心に水揚げが定着したブリ。ここ数年、サンマ、イカ、秋サケなど主要魚種が軒並み低迷する中、量販店の鮮魚売り場、加工原料などで存在感が高まっている。船上活じめによる鮮度・品質の向上、商品開発など産地の取り組みも進展。首都圏など本州市場にも流通量が増え、脂の乗りなどの品質が評価されてきている。
魚食産業展示商談会「第22回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(主催:大日本水産会)が9月30日~10月2日、東京ビッグサイトで開催される。コロナ禍により水産業が需要減少や魚価低迷などで厳しい局面に立っている状況を踏まえ、万全のコロナ対策を施した上で開催。水産従事者、水産・食品バイヤーへ商談機会を提供することで消費拡大につなげ、“コロナに負けない水産業”の構築に取り組む。
網走湖産ヤマトシジミの資源回復を目指し、西網走漁協は今年からシジミ部会、青年部が中心となって人工種苗生産に挑戦している。7月の人工採卵後、着底した2691万個の稚貝を飼育中。6基の水槽で給餌、無給餌に分類し稚貝数や殻長など成育の比較検討を行っている。飼育は順調に進んでおり、10月末にも殻長1ミリサイズでの放流を予定している。
宮城県名取市閖上の(有)マルタ水産(相澤信幸社長)は10月下旬、閖上東地区に地元特産のしらすを使った料理を楽しめる飲食店「cafe malta(カフェマルタ)」(電話022・796・6930)を開店する。貝毒によりアカガイの不振が続く中、2017年に本格的な水揚げが始まった「北限のしらす」を新たな地域ブランドとしてPR。漁業者の所得安定にもつなげる。8月23日には併設の水産加工品直売所が先行オープン。品質と味にこだわる同社自慢の商品ラインアップが買い物客の心をつかんでいる。
枝幸町で沖底船「第八龍賽丸」を操業する(株)枝幸水産商会(岩谷隆行社長、電話0163・62・1622)は、漁獲物を主体に取り組む加工販売事業で昨年来、マホッケのフライの販路開拓を進めている。今年6月に富良野市の商業施設「フラノマルシェ」のハンバーガー店で具材に使った「真ホッケフライバーガー」が発売され、需要拡大への波及効果に期待を込める。
管義偉新内閣が16日発足した。野上浩太郎農林水産大臣は17日の就任会見で2030年までに農林水産物と食品の輸出額を5兆円に増やす目標の達成を、最重要課題として取り組む考えを示した。新型コロナウイルス感染拡大で需要が落ち込んだ農林水産物の消費拡大などさまざまな課題に取り組んでいく。
函館水産試験場が試験養殖に取り組む促成ガゴメは、今季順調に生育、このほど行った収穫で良好な結果が得られた。実厚・幅広で天然ガゴメに匹敵する品質もあり、昆布取扱業者は「資源が激減する中、代用品として活用できる」と太鼓判。これにより天然の漁獲圧が抑制され、資源回復につながる可能性があるほか、将来的な事業化で漁家収益向上も期待できる。来季は間引き時期や最適な株密度・施設深度などを検討、養殖技術向上を図る。
帯広地方卸売市場(株)(高橋正行社長)は、通販事業に乗り出した。6月の改正卸売市場法施行やウイズコロナ・アフターコロナの消費行動も踏まえ、一般消費者に取扱商材を発信。今後、PB商品の開発を含めアイテムを充実させ、市場流通の活性化や新たな収益確保を目指す。7月中旬に通販サイトを運営するストアーズ・ドット・ジェーピー(株)のサイト内に専用サイトを開設。水産と青果を持つ総合市場の強みを生かし、取り扱う農水産品をはじめ、新得そばや本別産乾燥小豆などの特産品を販売。役員個人のSNS(ツイッター)でも情報発信している。水産物は現在、たらこ、ホタテのボイル・玉冷、毛ガニ、干物、昆布、昨年商品化したPB商品の漬け魚シリーズなどをラインアップしている。
(株)泰興商事(岩手県大船渡市、町田健司社長)のフィッシュソーセージ専用工場であるサンリクフーズ(宮城県気仙沼市)は農林水産省のEU向け輸出水産食品取扱施設(EU・HACCP)の認定を8月27日付で取得した。認定書交付式が7日農水省で行われた。輸出品目は「三陸フィッシュソーセージ ブラックペッパー」「同 チリペッパー」の2品で、宮城県で初の認定。今後はフランスやオランダ、イタリアなどの国々と商談を進め、来年早々には輸出を始めたいとしている。