近年、増加傾向にある北海道産のマフグを全国に売り込む画期的なプロジェクトが始まった。原料を提供する湧別漁協、それを加工するまるみ水産グループ・の印大吉水産(札幌市)、企画・販売に携わる株式会社感動いちば(札幌市)の3者が連携し、道産原料で道内加工・販売にこだわった「真ふぐ一夜干し」が誕生。オール北海道で商品化した付加価値を武器に、関係者一同、「多くの方に感動を届けたい」と意気込む。25日からクラウドファンディング(CF)で先行受付を開始した。
協同組合塩釜水産物仲卸市場(宮城県塩竈市、坂本和正理事長)は23日、場内の飲食エリア「セブンストリート」などの9店で、平日朝に特別メニューを提供する「朝勝(あさかつ)」を本格的に始めた。2月末までの第1弾は冬の味覚のかき鍋や辛いラーメンといった「熱熱ぐるめ」を目玉に、集客が伸び悩む時間帯の利用拡大を図る。客の年齢層などを人工知能(AI)で分析し、販売促進に生かす取り組みにも着手した。
ひやま漁協乙部支所ナマコ協議会の加工部門(日沼賢澄部門長)は延縄で漁獲される高鮮度の前浜産スケソを活用し、たらこ製品の製作に取り組んでいく。スケ子の歩留まりが向上した1月10日を皮切りに開始。しょうゆ漬けのバラ子は地元向けに販売している。加工作業には乙部町内の農家も参加し、1次産業同士のコラボレーションも実現するなど活動の輪が広がりを見せている。日沼部門長は「作り込んだたらこは3カ月程度冷凍すると、味わいが良くなる」と説明。加えて、春ごろにも明太子などを本格的に売り出す。延縄で獲れたスケソの卵を使ったたらこ製品は数年前まで、ひやま漁協が自営加工で製造し、「紅乙女(べにおとめ)」のブランド名で販売。釣りの塩たらことして地元住民を中心に支持を集めた経緯がある。
漁獲から加工・販売まで手掛けるせたな町の有限会社マーレ旭丸(西田たかお社長、電話0137・87・3455)は、日本海で厳寒期に水揚げするアカシマエビの風味を閉じ込めた食べるラー油の新バーション「北海道えごま油と焙煎海老 漁師のラー油」=写真右=を打ち出した。先発商品に使用のごま油に北海道産のえごま油と米油も加え、より健康志向に訴求。オンラインショップや出店する全国各地の物産展などで売り込んでいる。
北海道産のマダラは全道的に好漁が続き、今季も浜値が軟調に推移している。年明け以降は日本海側で稚内、小樽の底引、礼文島や後志管内の刺網などが増産。刺網着業者からは「価格が潰れて経営的には厳しい」と嘆く声も聞かれる。一方で、大手の工場稼働維持を含む底堅い加工原料需要を受け、流通業者は生鮮相場の大幅な値崩れ回避を見通す。
底建網に新規着業し、今年で3年目に入る砂原漁協の坂本晃太さんは、2022年から産地直送アプリの「ポケットマルシェ(ポケマル)」を活用し、活じめ処理を施した新鮮な魚介類の提供に力を入れている。その都度獲れる魚を厳選し購入者の要望に沿った下処理にも努め、すでに複数のリピーターを獲得。発送作業は市場出荷後に行うが「慌ただしさはあっても何より楽しい。やりがいがある」と語る。
全漁連やNTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)らは、水産物の参加型ライブコマースに関する実証販売を開始する。ライブ配信プラットフォームを活用するもので、実際に足を運ばずとも、あたかも産地魚市場で生産者と対話しながらの買い物が可能となる。水産物の新たな販売方法として事業化を目指し、検証を進めていく。水揚げされた新鮮な水産物の魅力を参加型のライブ配信で紹介し、配信後にはECサイトで販売して視聴者に届ける。システムはNTT Comによる低遅延ライブ配信プラットフォーム「Smart vLive」を活用。チャット機能が付いた配信システムとなっている。
サステナブルシーフードをテーマとする東京都渋谷区のフレンチレストラン「Sⅰncere BLUE(シンシアブルー)」は3月末に北海道北広島市の北海道ボールパークFヴィレッジ内に移転する。店名を「Sⅰncere N°(ノード)」に改め、質の高い道産食材を生かした料理とサステナブルシーフードの大切さを伝えていく。
養殖業を中心に世界的には成長軌道の水産業。日本では天然資源や就業者、魚介類消費量の減少が続いているが、かつての“大国”復活に向け、異分野融合で新たな価値の創造、潜在力を引き出す試みも行われている。元来、「裾野が広い産業」といわれる水産業の進化、未来への希望の光を探る「掛け合わせ(×)」にスポットを当てた。
水産業界はその流通構造から昼夜逆転の生活を強いられる場合がある。例えば漁業者には明け方に帰港し、日中しか睡眠時間がとれない人も多い。不規則で短い睡眠時間になりがちなだけに、寝不足によるトラブルが起きないように質の高い眠りは必要不可欠。トップアスリートらが信頼を寄せる寝具メーカーの西川株式会社に「快眠」のポイントを聞いた。