福島町(鳴海清春町長)が福島漁港敷地内に建設を進めていた「福島町水産種苗生産センター」が竣工した。老朽化していた既存2施設(コンブ種苗生産センター、ウニ種苗育成センター)の機能を統合、効率的な生産体制を構築し運営コストと管理負担を軽減。ウニ中間育成の機能も併せ持ち、基幹漁業である養殖コンブ(促成マコンブ)とキタムラサキウニの健苗生産と水揚げの持続化を図り、「つくり育てる漁業」の推進に注力していく。
道水産物検査協会がまとめた2023年度の道産コンブ格付実績は、前年度比12%増の1万2245トン。5年ぶりに増産に転じたものの、前年度に次いで過去2番目に少ない低水準の実績となった。主産地別では釧路、根室の道東2地区が過去最低だった前年度を大きく上回り、渡島や日高、宗谷は前年度並みを維持した。
福島吉岡漁協の促成は、株密度(コンブの本数)を調整する間引き作業が本格化している。シケが少ないため目立った脱落被害はなく作業も順調に進行、着業者は今後の生育促進に期待を寄せている。
えさん漁協の養殖コンブは、株密度(コンブの本数)を調整して生育を促す間引き作業が進んでいる。生育状況について各地区の部会長は「例年に比べると小さい」と実感。昨年の採苗遅れやコンブが密生していたことを要因に挙げる。
積丹町、東しゃこたん漁協などで組織する積丹町地域活性化協議会(代表・馬場龍彦町商工会長)は、同漁協積丹支所余別地区で行っているウニ餌料用ホソメコンブ養殖施設の幹綱に着生するダルスを活用した特産品開発に取り組んでいる。現在はみそ汁や麺類など料理のアクセントにもなる乾燥タイプと地元旅館料理長監修レシピによるつくだ煮の2種類の試作を進行。年内にも町内の温泉施設や直売所で乾燥ダルス(1パック10グラム)などを販売することを目標としている。
函館市主催で北大地域水産業共創センターが共催する「令和5年度(2023年度)函館市水産産学連携交流会」が6日に戸井西部総合センター、7日に南茅部総合センターで開かれた。漁業関係者の連携を深め情報共有を図ることなどを目的に07年度から実施しており、両会場合わせて漁業者ら約90人が参集。天然資源の低迷や養殖の採苗不良、人手不足などコンブを取り巻く環境が一層厳しさを増す中、研究者らが課題解決に向けた取り組みなどをテーマに講演した(戸井地区のみ掲載、一部は後日)。
道南白口浜では1、2月と立て続けに発生した大シケにより養殖施設が被害を受けた。主産地の南かやべ漁協は着業軒数の多い尾札部など各浜で根尾綱や土俵といった施設損壊に加えコンブの絡まりや脱落も発生。「団子状態の施設もあった」(着業者)。浜では土俵の投入など施設復旧を優先的に進めたほかコンブの移植にも取りかかり回復を図る。
今年で3年目の生産となる砂原漁協の促成マコンブ養殖について、兼業で行う着業者は作業工程が計画的に進められ、一定の生産にめどが付き手応えをつかんでいる。代表の河村大助さんは「間引きも順調に進んだ。生育は安定している」と笑顔を見せる。
大阪市中央卸売市場内関連商品売場に小売店舗を構える元木株式会社(元木弘英社長)は、生産低迷が続く道産昆布の現状を踏まえ、多様な商品展開と個客ニーズに即した提案で訴求に努めている。
元木社長は「昆布生産が減少の一途をたどり、欲しい銘柄、等級を必要な分確保するのが難しくなった」と現状を吐露。ただ「昆布屋は昆布がないと商売にならない。今あるものを工夫して売っていくスタイルで商いしている」と考えを示す。その一つが業務用商品の充実。うどんやすしなど料理に携わる「食のプロ」も多い客層を踏まえ日高や羅臼、真昆布といった各銘柄の切葉、根昆布などを1キロの袋詰めで販売する。
札幌市の株式会社北海道海洋熟成(本間一慶社長、電話011・252・7026)は漁業者・漁協の協力を得て、北海道の海域で手掛ける海底熟成酒事業の深化に挑戦している。ふるさと納税返礼品や地元酒販店でのセット販売で前浜産の訴求機会拡大など浜活性化の一助をコンセプトに位置付け。加えて海底熟成時に取り付けるロープなどが海藻類の胞子定着の基質となり、自生の藻場造成につながる可能性に着目し、海洋環境の保全にも寄与する名産品づくりを目指している。