礼文島・船泊漁協の俵静夫さん(87)は、鎌刈り専門で天然コンブを採取する。海底をのぞいて実入りの良いコンブを選び、根元からきれいに刈り採る。操業後には鎌を欠かさず研ぎ切れ味を維持。「良い水揚げをするには手入れは重要」と強調。若いときから漁具とともに腕にも磨きをかけ、等級比率の高い生産を続けている。
南かやべ漁協のコンブは主力の促成の水揚げがほぼ終了、一部地区で春先にシケ被害が発生したものの、全体では昨年を上回る生産を見込んでいる。2年養殖は主産地の尾札部地区の生育が振るわず減産の見通し。繁茂不良による水揚げ低迷が続く天然は今季も操業地区が限られ、わずかな生産となりそうだ。促成は、ホッケによる種苗被害などに見舞われた昨年度実績の2172トンに対し、今季は2560トンを計画。大半の漁家が水揚げを終え製品作りが本格化している。
礼文島の天然コンブは自由操業で出漁、実入りや長さなど生育状況は漁場でばらつきがあり良質なものを探して採取している。ただ、総体的に来年採取対象となる若生いが厚く繁茂している一方、「今年のコンブが少ない」と着業者は口をそろえる。
歯舞漁協の夏コンブ漁が7月25日に始まった。採取対象のナガコンブは、渚中心に流氷で削られたこともあり総体的に繁茂状況は薄く好漁場に船が集中。水揚げは船間差があるという。
「前浜で進行している磯焼けに歯止めを掛けたい」……その強い思いから、森漁協元監事の山下良慈さん(66)は、天然マコンブが付着していた廃材パイプを改良し着生・生育実験を試みた結果、大きな成果を得た。「胞子が付着し生育することが確認でき、良好な場所では引き揚げられないほど伸びていた」と山下さん。この取り組みに協力していた株式会社森機械製作所(森光典社長)は、共同発案者として特許を申請。磯焼け対策に手応えを得ており、今秋から道内各地で試験導入する計画だ。
羅臼漁協の天然コンブ漁が7月20日に始まった。総体的に不漁だった昨年を上回る繁茂状況で、増産に期待がかかる。一方、ウニの食害が目立つ漁場も点在し、着業者は良質なコンブを選びながら採取している。
岩手県産養殖素干しコンブの初入札会が8日、宮古市の県漁連北部支所で開かれた。前年同期比19%減の41トンが出荷され、主力の黒長切はほぼ前年並みの十キロ1万3千円台で取引された。
漁協別出荷量は重茂36トン、田老町5トン。同支所によると、春先のシケ被害などもなく、生産はおおむね順調という。
道南・本場折浜の促成は、天候に恵まれず水揚げペースに遅れが出ている。悪天時に使う乾燥機はコンブの収容本数が限られ、天日干しに比べ1日に揚げる本数が大幅に少ないため。「機械乾燥の稼働率が上がる中、燃料価格が高く大変」との声も挙がっている。また、例年より多い毛(ヒドロゾア)の付着にも頭を悩ませている。
道内初の有機海藻が誕生した。函館市小安産の養殖マコンブ、奥尻島産と松前産の養殖ワカメで、昨年12月に制定された日本農林規格(JAS)の「有機藻類」認証を取得。種苗生産で培養液を使わないことなど厳格な生産基準を満たした。3地区と連携を図り、小分け業者として認証を取得した㈱丸善納谷商店(函館市、納谷英雄社長)が乾燥製品を製造、有機市場が拡大する欧州への輸出を計画している。