道水産物検査協会がまとめた2021年度の道産コンブ格付実績は、前年度比0.4%減の1万2816トンとなり、3年連続で過去最低を更新した。減産傾向が続き、ピークの1989年と比べて6割減に低迷。過去10年(11~20年)平均比でも16%減となった。
道水産物検査協会がまとめた道産コンブ格付実績は、3月単月が前年同月比4%減の479トンにとどまり、2021年度累計で過去最低だった前年度を0.4%(57トン)下回る1万2816トンに落ち込んだ。減り幅こそ2年続けて微減だが、3年連続での過去最低更新となった。
えさん漁協日浦地区の養殖コンブ施設は、今季からのべ縄式に統一した。昨季まではセット式も併用していたが、綱が劣化しやすく雑海藻駆除などの管理も大変なため解体。のべ縄式は比較的管理が楽な上に、間引きも円滑に進められ体への負担も軽減できるのが利点という。
広尾漁協の保志弘一さんは、着業するコンブ漁業の課題解決に向け奔走している。付加価値対策として製品化工程で発生する端切れ部分を利用して独自製品を開発したほか、人手不足解消のために地元の1次産業体験プログラムを通して陸回りを確保。生産力強化を図るため乾燥機も導入した。「何もしなければ衰退していく一方」と現状に危機感を持ち「持続可能なコンブ漁業に向け取り組んでいきたい」と力を込める。
えさん漁協で養殖コンブの間引きが本格化している。生育状況は地区で異なるものの、これまで目立ったシケ被害はなく作業はおおむね順調な様子。着業者は今後の成長促進に期待を込め、間引きに加え施設浮上も進めていく。
戸井漁協東戸井地区でミツイシ養殖を営む芳賀浩平さんは、施設に施す独自の雑海藻対策を考案、今季から本格導入し効果が表れている。幹綱に農業用灌水チューブをかぶせるように取り付け固定する仕組みで、雑海藻の付着は大きく減少。「付いても手でなぞるだけで簡単に落ちる」と言う。毎年手間と時間をかけ行ってきた雑海藻除去の必要がなくなり、体力的負担が大幅に軽減された。
札幌市の株式会社ダイホク(大場啓二社長、電話011・661・0707)は、焼きのり、昆布など乾物、昆布だし調味料などの製造・OEM(相手先ブランド製造)商品の開発を手掛け、海外にも販路を広げている。特に台湾は直接貿易を確立。ホタテ玉冷など輸出仲介業にも乗り出し、今秋には札幌市に台湾のテレビ局と直接商談ができるオンラインブースを開設。道内食品企業の販路拡大を後押ししていく。
道南本場折浜の促成マコンブは、地区によって生育状況にばらつきがある。現在間引きに加えシケで絡んだコンブをほどくなど各作業を進めており、それらが終了した後は施設の横張りに移行、成長促進を図る。
利尻富士町は「リシリコンブ株主(オーナー)事業」を開始した。鴛泊地区の養殖コンブ漁業者と連携し、今夏収穫した昆布を秋に株主に配送、利尻昆布ファン増加と魅力アップに努めていく。コンブ養成綱1メートル(昆布15~20本)を1株(価格1万5千円)として募集、開始直後から応募が殺到するなど早くも注目を集めている。
総務省の家計調査によると、昨年1年間の1世帯当たり(2人以上)の昆布購入金額は、福井市の1571円が全国主要都市の中で最も多かった。2020年まで7年連続全国一だった富山市は1527円で僅差の2位だった。昆布つくだ煮は2185円の山形市が1位。両品目とも上位は近畿、北陸、東北などの都市が入った。