古宇郡漁協の漁業者グループ8人が取り組むホタテ養殖が実働3季目に入った。今季は昨年12月から今年2月末までに計4回、28トンの半成貝を活魚車で韓国に活出荷した。浜値はキロ250円前後を付けた。来季の4季目は将来の完全養殖を見据え、稚貝生産に乗り出す。
ホタテ玉冷の2019年度消流は、国内で順調に消化された18年度と同様、内販に軸足を置いた展開となりそうだ。大幅に回復した米国の水揚げは18年度並みかそれ以上とみられ、オホーツクも増産・小型予想のため。新シーズン目前の消費地では、製品価格の下方修正に期待感が強く、末端消費に勢いを付けた昨年の価格帯を望む声が大半を占める。
毎年3月に行う砂原漁協のホタテけた引が中止となった。養殖と同様に天然貝も大量へい死が発生したため。漁獲対象外のサイズも死滅しており来年の水揚げにも影響が出そうだ。
宮城県のホタテ水揚げは本年度が2750トン前後となり、4月からの来年度は3700トン程度と見込まれる。東日本大震災後に約8500トンまで回復したが、大減産が3年続く。主力の半成貝養殖でへい死率が高まり、昨秋は20人が移入を見合わせた。来年度は、昨年のまひ性貝毒規制長期化から前倒しの出荷が望まれるが、これまで成育は全般的に遅れ気味。
今春に耳づりする渡島噴火湾の稚貝は、各漁協とも成育不良が目立っている。正常貝は「例年以下」と話す着業者が多く、その割合は5~6割と示唆。一方で垂下する本数は「昨年並みか多少減る程度」との声も聞かれる。近年は遅い時期の耳づりほど生存率が低いため、作業を早めた着業者も多い。
渡島噴火湾の6単協では、2月上旬から数軒が加工貝(2年貝)の水揚げを始めた。生存率の低い耳づりから揚げているため、どの単協も日産数トンと少量。浜値はキロ200円台前半で推移している。生存率の高い耳づりは成長を伸ばすため極力温存。出荷は3月に集中する見通し。
根室海峡共同海区のけた引は、2月から全5海域の操業を開始した。シケ早く定時操業は数日と苦戦する中、昨季同様、空貝も目立つため「計画達成は微妙な感じだがなんとかクリアしたい」と着業者。今後は日産280トン前後の水揚げが続く見通し。一方浜値はL、M中心の漁場で高値キロ400円台、S以下は活需要がけん引し300円前後と堅調だ。
オホーツク海けた引漁の2019年水揚げ計画は前年実績比10%増の29万4800トンとなった。北部の宗谷、猿払村、南部の常呂が4万トン超え。12単協中8単協で増産を計画している。このうち3月から始まる漁場造成は1万トン台前半と見込まれ、昨年の3倍に増える見通し。
加工貝(2年貝)の大量へい死が発生している噴火湾の今季計画量は、7単協合わせ21000トンと試算された。昨季実績比67%減と低水準で、一昨年に近い数量まで落ち込む見通し。渡島6単協は長万部、落部が4千トン台、ほか4単協は2千トン前後に下方修正。出荷は2月以降本格化する。
いぶり噴火湾漁協の今季の加工貝(2年貝)出荷は、昨年9月から1月15日で1050トンとなった。下方修正後の計画量に対する達成率は2割にとどまる。年明けに虻田地区も開始し全5地区がそろったものの大量へい死の影響で大幅に減産。遅い時期の耳づりはへい死率が高く1本の重量は3キロ前後まで減少。着業者は一昨年来の厳しい操業を強いられている。計画量は当初9250㌧に設定したが、その後へい死は予想以上に進行しており、昨季実績比64%減の5000㌧に下方修正している。