岩手県の宮古市魚市場でマダラの水揚げが好転の兆しを見せている。今季を月別に見ると11月は79トン、12月は99トンだったが、年明け1月は14日までの2週間で114トン(県水産技術センター水産情報配信システム調べ)と上昇気流が吹く。「宮古の真鱈」としてブランド認知される旬の味覚を地域を挙げてアピールするグルメフェアも展開。漁の最盛期を後押しする。
岩手県大船渡市の及川冷蔵株式会社(及川廣昱社長)は、「さんまん」と名付けた新商品を開発、昨年末から販売を開始した。鮮魚・加工に利用できない小ぶりのサンマを有効活用し、フードロスの削減、若年世代の魚食離れの歯止めを意識。栄養豊富なこどものおやつ、朝食代わりの軽食として需要を想定している。
青森県陸奥湾の2024年度秋季実態調査結果によると、今年の半成貝や新貝に向ける稚貝(24年産)の保有枚数は11億781万枚となった。過去10年平均の76%で、23年、22年に続き3番目の少なさ。親貝となる成貝、新貝の保有枚数は7393万枚で目安となる1億4千万枚の53%。県は稚貝の冬季波浪に伴うへい死を防ぐため養殖施設の安定化、適切な玉付けを呼び掛け、新貝は親貝確保の観点から産卵前の出荷は最少限に抑える必要性を示している。
マルサン松並商店株式会社(宮城県塩竈市、松並理恵社長)は昨年11月、塩竈や七ケ浜で調達した未利用魚アカエイを使った商品を発売した。栄養価が高く、コラーゲンが豊富なことから女性をメインターゲットに見込む。ほかの未利用魚商品も組み合わせたサステナブル(持続可能な)ギフトとして展開。海洋環境が激変する中、資源を有効活用することで漁業者応援の一端につなげていく。
富山県水産研究所(滑川市)は10日、水槽で飼育したアカムツの親魚から得た受精卵をふ化させ、稚魚を育成することに初めて成功したと発表した。ノドグロの別名を持つアカムツは、漁業関係者から資源増加の要望が多く、同研究所はアカムツ栽培漁業の事業化に取り組んでおり「今回の成果は安定的な種苗生産につながり、事業化に向け大きく前進した」と説明。来年1月ごろに稚魚千~2千尾を富山湾に放流する。
カニ商材の主力となるタラバ・ズワイの消流はロシア産の相場が上昇している。タラバは韓国が活相場をつり上げ、大消費国の中国も追いすがる状況で、日本向け冷凍品の生産は消極化。極東産ズワイも中国の活需要で不足感が強く、新物相場を底上げ。日本国内の引き合いは単価の安い小型に偏っている。
養殖サーモンの展望や消費者への訴求方法を探る勉強会が5日、岩手大釜石キャンパスで開かれた。県の産学官金連携組織「さんりく養殖産業化プラットフォーム」と岩手大三陸水産研究センターの主催。海を守るプロジェクトを進める株式会社WMIの伊藤慶子氏、北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場長などを務めた佐々木義隆氏が養殖サーモンの将来性について講演、オンラインを含め約60人が熱心に聞き入った。
宮城県漁協は11月26日、県産乾(ほし)のり「みちのく寒流のり」の今季初入札会を、塩釜総合支所・乾のり集出荷所で開いた。県内10支所から出荷された枚数は前年同期比33%減の1671万3800枚にとどまり、100枚当たりの平均単価は同45%高の2600円(1枚当たり26円)と、ここ15年で最高値となった。昨季の九州・有明海産の不作など品薄感から、在庫確保の動きにつながったとみられる。
高級食材に位置付けられるウニ。消費・購買意欲が高まる年末年始の需要期が到来した。刺し身をはじめ、すし・丼の具材などで飲食店、自家用・ギフトの国内需要に加え、近年消費が拡大している海外への輸出需要が増大。ふるさと納税返礼品などの特産品や国内外からの旅行者の心をつかむ観光資源の役割も担っている。漁労・加工作業の効率化、品質向上などを後押しする漁具・加工機械・容器などの開発も進展している。
岩手県産天然干しコンブの入札会が19日、宮古市の県漁連北部支所で開かれた。県内6漁協が出荷した総量は、昨年(33トン)の10分の1にも満たない2.9トン。高水温の影響など海況に恵まれず大幅減産となった。品薄は価格に反映され、10キロ当たりの平均単価は前年比53%高の2万1422円。買受人からは「こんなに出荷量が少ないのは記憶にない」と困惑の声も上がった。地区別の出荷量は下閉伊が前年比92%減1トン、九戸91%減1.9トン。高水温など海況の変化が影響しているとみられ、県漁連によると「今年は夏場から数の少なさが見込まれていた」という。