岩手県普代村の有限会社カネシメ水産(金子太一社長)は25日、新商品の魚醤「鮭醤-KEISHO-」の発売に向け、クラウドファンディング(CF)サイト「Makuake」で資金調達を始めた。商品発表直前に工場が全焼。再起の足がかりに販売を決意した。今後も基盤の鮮魚・活魚販売に注力しながら新たな商品開発に取り組んでいく。
宮古漁協(岩手県宮古市、大井誠治組合長)は、定置船「第十八日出島丸」(FRP製19トン)を新造した。従来船に比べてトン数が大きくなったことで作業効率が大幅にアップ。巻き上げ能力に優れた漁労機器や最新の航海計器なども搭載する。主力漁場で操業し、「水産の街」宮古の振興と発展にも貢献する。
日本各地の養殖カキの産地が集う「第13回全国カキ・サミット岩手大会」(実行委主催)が18日、盛岡市の県教育会館を主会場にオンライン併用で開かれた。岩手や宮城、広島など11県の生産者や漁協・行政関係者ら約110人が参加。カキ養殖業の持続的な発展に向け、衛生管理や生産技術をテーマにした講演会を通じ、現状と課題、今後の方向性を共有した。
国内で年間50万トンの水揚げを誇るホタテ。主要商材の玉冷は昨年から続く円安に伴い海外需要がけん引する形で新物シーズンを迎えた。しかし順調に動いていた輸出はこの数カ月で軒並み停滞。消費低迷で各国の在庫が滞留し、価格修正を待つ様子見の情勢に入ったことが大きな要因とみられる。製品相場は下げ基調の様相。中心サイズの3Sでキロ2千円台の情報も漏れ伝わってきた。動向を注視する内販の引き合いも低調となり、底値を探る展開に移っている。
岩手県産養殖素干しコンブの初入札会が11日、宮古市の県漁連北部支所で開かれた。上場は前年同期比13%増の69トン。減産が計画される中、品質はおおむね上々で、黒長切は若干高めの10キロ1万4200円~1万3890円で落札された。
健康的な食生活への関心は高いが、価格の高さや調理の面倒さで自炊の選択肢から外れがちな魚料理。そんな時流を踏まえ、加工食品・調味料メーカーのキッコーマンは、食事がおろそかになりやすい働く若い世代に向けた飲食事業「FISH A WEEK 週一魚」を展開している。イートイン、移動販売、テークアウト、デリバリーと4方向から「週に1度は魚を」のコンセプトで、消費者に新感覚の味わいを提供。商機を捉えながら魚食拡大につなげている。
一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン(FJ、宮城県石巻市、阿部勝太代表理事)は4日、静岡県西伊豆町で、地域と継続的に関わる釣り人(ANGLER)を増やすプロジェクト「西伊豆&ANGLER」を始動した。漁業者不足を要因とした漁獲量減少の解消と、地域活性化の橋渡し役となる「関係人口」の創出を目的とした新たな試み。「釣りを複業にできる町」を一つのゴールに掲げ、現地体験ツアーや意見交換会を企画していく。
宮城県漁協は6月30日、塩釜総合支所で通常総代会を開き、2022年度決算報告や23年度事業計画などを承認した。22年度は乾のりやギンザケなど主要5品目全てが好調で、販売事業の受託販売取扱高が前年度比37%増の357億6652万円と東日本大震災以降で最高だった。東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出に「反対であることはいささかも変わらない」とする特別決議も全会一致で採択した。
有限会社泉澤水産(岩手県釜石市、泉澤宏社長)は6月27日、釜石湾で海面養殖した「釜石はまゆりサクラマス」約8.4トンを今季初水揚げした。事業化初年度の今季は直径40メートルのいけすを2基増設したほか、人工知能(AI)搭載の自動給餌機を導入。はまゆりサクラマスから採卵した種苗も使い、「オール岩手産」を実現した。7月20日まで前季比7.4倍の200トンの水揚げを目指す。
地場産業の活性化を目指すスタートアップのReterras合同会社(リテラス、新潟県粟島浦村、本保輝紀代表)は地元漁業者や地域おこし協力隊と連携し、新サービス「粟島鮮魚直送便」を始めた。粟島周辺で獲れた魚を「津本式」で血抜きし高鮮度のまま契約する飲食店や宿泊施設、一般消費者に直送する。