ひやま漁協瀬棚地区のエビかご漁は、着業船によって日量の浮動が大きい操業を続けている。一方でシケが多い海況に悩まされながら、価格は高値傾向。着業者は今後の海況安定に望みを託す。
海中転落など海難事故の際に即座に救助を要請できるシステム「yobimori(よびもり)」の実証実験が23日、羅臼沖で行われた。システム開発企業の株式会社よびもり(福岡市)と、羅臼漁協や観光船業者など羅臼町の関係者ら約50人が参加。事故発生場所の迅速な特定、事故発生から救助までの所要時間短縮などシステム導入による人命救助の向上点を確認した。
ひやま漁協乙部支所ナマコ協議会の加工部門(日沼賢澄部門長)は延縄で漁獲される高鮮度の前浜産スケソを活用し、たらこ製品の製作に取り組んでいく。スケ子の歩留まりが向上した1月10日を皮切りに開始。しょうゆ漬けのバラ子は地元向けに販売している。加工作業には乙部町内の農家も参加し、1次産業同士のコラボレーションも実現するなど活動の輪が広がりを見せている。日沼部門長は「作り込んだたらこは3カ月程度冷凍すると、味わいが良くなる」と説明。加えて、春ごろにも明太子などを本格的に売り出す。延縄で獲れたスケソの卵を使ったたらこ製品は数年前まで、ひやま漁協が自営加工で製造し、「紅乙女(べにおとめ)」のブランド名で販売。釣りの塩たらことして地元住民を中心に支持を集めた経緯がある。
八雲町とひやま漁協熊石支所サーモン養殖部会が海面養殖に取り組む「北海道二海サーモン」の生産体制を下支えする「八雲町熊石サーモン種苗生産施設」が稼働し、2023年で2年目を迎えた。昨年12月には種卵(発眼卵)10万粒を搬入、初めてとなる卵から幼魚を成育させる挑戦に乗り出した。同施設の道総研さけます・内水面水産試験場旧道南支場時代から現場で活躍する職員の技術力を生かし、ふ化した仔魚の餌付けなどが順調に進む。
道南太平洋海域の日高管内のスケソ刺網は12月末現在で前年同期比31%減664トンの水揚げ。第三十五ことしろ丸で着業する日高中央漁協様似地区の秋山要スケソ刺網部会長は「年前は好漁の船もあったが船間差のある漁獲状況だった」と振り返る。年明け以降はドロクラゲが見え、漁は減少傾向となっている。
今季のサロマ湖産カキは、低調な歩留まりが影響し水揚量が伸び悩む半面、浜値は堅調に推移し金額を押し上げる展開となった。湧別漁協のむき身は年明けから日量1.2~1.3トンでキロ千円台後半。同漁協市場では「1月としては例年並みの数量、値段だが、シーズン序盤から出荷量が伸びず、高値をキープしたまま1月に入った」と説明する。
道は「ICT技術等を活用したコンブ生産増大対策事業」として共同乾燥設備モデルの実証試験に取り組み、天日干しに近い仕上がりや乾燥時間短縮などの成果が得られた。一方で、コスト軽減や乾燥のばらつきといった課題も見え、AI技術を活用したシステム制御のシミュレーションによる改良の検証を進めている。2020、21年度の2カ年で実施。16日に札幌の第2水産ビルで報告会を開き、道や事業に携わった株式会社KID釧路の担当者が、オンラインを含め出席した漁業者ら関係者100人以上にシステムの概要や成果を説明した。
オホーツク海沿岸の2022年水揚げ実績(速報値)がまとまった。北部4単協・南部8単協の合計水揚量は前年比2%減32万5253トン。4万トンを超えたのは北部の猿払村、南部の紋別、常呂の3単協となった。頓別が前年比28%増と最も高い伸びを示し、ほか4単協が前年を上回った。
漁獲から加工・販売まで手掛けるせたな町の有限会社マーレ旭丸(西田たかお社長、電話0137・87・3455)は、日本海で厳寒期に水揚げするアカシマエビの風味を閉じ込めた食べるラー油の新バーション「北海道えごま油と焙煎海老 漁師のラー油」=写真右=を打ち出した。先発商品に使用のごま油に北海道産のえごま油と米油も加え、より健康志向に訴求。オンラインショップや出店する全国各地の物産展などで売り込んでいる。
一般社団法人北海道水産物荷主協会(会長・根田俊昭株式会社マルキチ社長)は昨年も「子ども食堂」と連携した道産水産物の魚食普及事業に取り組んだ。ホッケ・タコを使った食育用のレシピやパンフレットを作成し、道内162カ所に配布。旭川市近郊の3カ所ではレシピを活用した持ち帰り弁当の製作・提供でコロナ禍に対応した食育を実施。「家庭での魚利用のリピーターづくり」などの手応えを得ている。