近代化が進む漁船建造関連業界。原材料費の高騰や人材確保といった課題が山積する中、水産業界の発展に向け、その下支えとなる造船業や搭載機器メーカーの役割は年を追うごとに高まっている。ここでは沿岸漁業で活躍する最新鋭の新造船や、船舶業界をリードする関連企業の主力製品を紹介する。
網走湖で漁獲する西網走漁協のワカサギ漁が振るわない。1軒で日量100キロの漁獲制限は達成しているが、通常1回の引き網で獲れる量が複数回と苦戦している。着業者は「遡上(そじょう)群が低調であれば昨季同様に年明けの氷下漁が心配」と不安を募らせている。27軒が着業。11月1日に中層引きのワカサギ漁がスタートし11月末まで続ける。同漁協では「秋漁の中心となる湖内の残留群の漁獲量は例年並みの予測が示されており、遡上群も11月中旬以降確認されているが、実際の漁獲量は例年より少ない」と説明する。
来遊数が7年ぶりに3千万尾を超えた昨年から一転し、異常高水温の状況下、2千万尾台前半に後退した北海道の秋サケ。道総研さけます・内水面水産試験場の解析によると、中期までの来遊実績は年齢別で5年魚(2018年級)が予測に対する下振れが大きかった。4年魚(19年級)の回帰数も低水準で、特にえりも以東・西部からえりも以西は昨年の3年魚での回帰数を下回る異例の現象が起きている。前・中期を合わせた全道の来遊数(10月31日現在の沿岸漁獲数と11月5日現在の河川捕獲数の合計)は2122万7281尾で前年同期比67.6%、漁期前予測比63.6%となった。
いぶり噴火湾漁協の2023年度加工貝(2年貝)水揚量は、前年比1%減7930トンを計画している。伊達地区の「早出し」は10月30日にスタートしたが「例年より小ぶり。各地区でへい死も進んでいる」(同漁協)ことから、本来の水揚量には届かない見通しを示している。
えさん漁協尻岸内地区ほっけ刺網部会のブランド「海峡根ぼっけバキバキ」の秋漁が11月上旬に始まった。水揚げは多い船で日量60箱。髙島信幸部会長は「出足の漁模様はまずまず」と感触を話す。ただシケが多いほか、例年に比べてサメ被害が目立ち、着業者は今後の海況好転を願う。
全道的にコンブ漁業の陸回り不足が慢性化する中、広尾漁協の保志弘一さんは、道内外の大学生らを受け入れて人手不足を解消、生産向上を図っている。今年はこれまでで最多となる15人の学生が陸上作業に携わったことで拾いコンブを中心に操業を効率化、過去最高の水揚げにつながった。また、付加価値対策としてコンブの製品化工程で発生する副産物を利用した独自商品の製造にも注力。漁村の活性化と持続可能なコンブ漁業に向けて取り組みを深化させている。
南かやべ漁協の大定置は、近年主力となっているブリの水揚げが昨年の1.5倍に上向いた。例年9月に盛漁となるが今年は10月に大量上網。特にイナダは72倍に急増している。低調ながらスルメイカも揚がっており、7日にはキロ1220円と好値を付けている。
5万トン台前半の低水準で最終盤に入っている北海道の秋サケ。今年の商戦は旬期の生鮮販売が消流をけん引。昨年産の製品在庫を抱え、特に前半は加工筋の原料手当てが慎重となり、相場が昨年より下方修正。量販店は積極的な商品展開で売り上げを伸ばしている。
枝幸町の株式会社オホーツク活魚(藤本信治社長、電話0163・62・4553)は、急速凍結施設を新設した。自社製品の凍結や冬期の漁閑期に稼働する原料確保に加えて、国内外の業務筋など需要先への原料供給に乗り出す。親会社の藤本漁業部が猿払村で定置漁業を営んでおり、多魚種が獲れる産地の優位性を生かし、従来の活・生鮮と併せて冷凍品で北オホーツク産の消流拡大を進めていく。
コンブ研究者らでつくるNPO法人北海道こんぶ研究会(理事長・四ツ倉典滋北大教授)は12日、札幌市の道新プラザDO-BOXで「北海道こんぶDay2023」を開いた。講演や試飲試食提供のほか「利き出汁コンテスト」、アート体験、川柳発表なども行い、来場者にさまざまな角度から昆布の魅力を伝えた。