(株)フーディソンは5日、東京都内のJR五反田駅改札前に鮮魚専門店「Sakana bacca(サカナバッカ)五反田」をオープンした。加工スペースも設け、魚をさばく様子は通行客からも見ることができる。駅改札前という今までの鮮魚店では珍しい立地に出店することで、魚に関心のなかった人にもその面白さを訴求し、魚食文化発展に貢献したい狙いもある。
大日本水産会は9日、第124回通常総会を東京都内で開き、2019年度事業報告や収支決算などを承認。漁船更新の促進や漁業後継者の確保、魚食普及など20年度事業計画を決めた。また水産業界でも多大な影響を受けているコロナ禍からの早期脱却を図ることで意思統一した。
白須敏朗会長は「コロナ禍によりイベントや外出自粛など経済活動が制限され、インバウンド需要も見込めない。水産物の輸出入も大幅に減少し、養殖業者や加工業者への影響も深刻だ。海外で操業する遠洋漁業も休漁を余儀なくされている」と業界が直面している状況を述べた。
大日本水産会では4月1日に新型コロナウイルス感染症対策本部を立ち上げ、業界が抱える課題や要望をまとめ、政府・与党に働き掛けてきた。白須会長は「今後も業界の声を伝えていく。コロナに負けず、創意工夫で難局に立ち向かっていきたい」と呼び掛けた。
水産庁はこのほど、新たな資源管理の実施に向け、マイワシとマアジの2魚種4系群の資源評価結果を公表した。自然増と均衡する年間漁獲量の最大値である「最大持続生産量(MSY)」を達成する資源水準「目標管理基準値」と、MSY水準まで回復させる計画策定の基準となる「限界管理基準値」を示すもので、水産研究・教育機構がまとめた。今後、評価をもとに資源管理目標や漁獲シナリオを検討、決定する。
一般社団法人全国いか釣り漁業協会は5月29日、2020年度の定時総会を開き、資源や漁場、経営対策を柱とする今年度事業計画を承認した。特に低迷するスルメイカでは代替資源としてアカイカの活用を模索。操業隻数の増加や操業期間を延長して有効資源として活路を見いだしていく。
農林水産省が5月28日に公表した2019年漁業・養殖業生産統計によると、全体の生産量は416万2800トンで、前年に比べて25万8千トン(5.8%) 減少した。 そのうち、海面漁業の漁獲量は319万7千トンで、前年に比べて16万2500トン(4.8%)減少。サバ類やサンマの減少が影響した。海面養殖業の収獲量は91万2400トンで、前年に比べ て9万2500トン(9.2%)減少。 内水面漁業・養殖業の生産量は5万3317トンで、前年に比べて3489トン(6.1%)の減少となった。
北海道大学低温科学研究所、東京大学大気海洋研究所、長崎大学大学院水産・環境科学総合研究科による共同研究グループは5月26日、これまで明確に理解されていなかったグローバルスケールの海洋循環(海洋コンベアベルト)の終着点に位置する北太平洋の栄養物質循環像を明らかにした。
東京・豊洲市場の関係者が協力し、水産仲卸が厳選した鮮魚や干物などの詰め合わせボックスを消費者向けに販売するサービスを始めた。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、仲卸の主要顧客である飲食店の営業時間短縮や休業により売り上げは激減。また、高級食材を中心に販路が減少し、単価下落により漁業者や加工業者などに影響が出ている。その状況下でも、中央卸売市場としての機能を維持、水産物流通の継続を図り、ステイホームでの食生活を応援するため、新たな取り組みに活路を見いだしていく。
標津前浜で漁獲する水産物の魅力発信や6次産業化に挑む標津波心会(林強徳代表)の活動が飛躍している。昨年始まった東京の鮮魚店とのコラボや今後本腰を入れる地元での対面販売など、若手ならではの行動力を発揮。新型コロナウイルス感染拡大の逆境下でも旗印に掲げる前浜産鮮魚の普及や付加価値化に向け着実に歩みを進めている。
鮮魚卸の海光物産㈱(千葉県)は東京湾のスズキでMSC(海洋管理協議会)認証を目標に、(株)シーフードレガシー(東京都、花岡和佳男社長)の協力のもと日本初の漁業改善プロジェクト(FIP)を進めている。海光物産の大野和彦社長はまき網着業者の祖父・繁次郎氏が100年前に提唱していた「持続的な漁業」を胸に、コロナ禍でも経営改善を模索。このたびエンジンオイル販売業者と手を組み、時代に即した操業モデルを見いだしていく。
東京・六本木のバルスタイルのウニ料理専門店「UNIHOLIC(ウニホリック)」((株)kuLo運営)は、店舗のメニューを自宅で再現できる料理キットの販売に着手した。消費者の外出自粛が続く中、「ステイホーム」生活にちょっとした贅沢をウニを使って提供する。店側も営業時間の短縮による減収幅の縮小を図り、新たな収入源の確保に向け活路を見いだしていく。