東京都・豊洲市場の北海道産カスべ消流は、台風などの影響で東京湾や九州などの水揚げが魚種全般的に低調となり、飲食店などからスポット的にから揚げ商材の需要が出ている。卸値はキロ千円と普段通り。1箱6キロで4~5個が多い。仲卸業者は「この2カ月で4~5回しか売り場で見ていないので、入荷量はそれほど多くない」と話す。
道総研稚内、網走水産試験場が実施したオホーツク海の毛ガニ密度調査結果(速報値)によると、来年度漁獲対象の資源量指数は宗谷管内が昨年より減少、オホーツク管内は若干増加したものの依然低水準。新規加入資源も減少を示した。
ホタテ輸出先の多くを占める中国の消費低迷が現実味を帯びている。中国輸出に詳しい商社筋は、ゼロコロナ政策や不動産市場の減速に伴う景気悪化に加え、7月に始まった放射性物質検査の強化が追い打ちをかけ、さらには「日本産水産物に対する中国国民の受け止め方も変化している」と警戒を強める。
首都圏・小売りのマイワシ商戦は近年、訴求に力を入れていた道東産の売り込みが小型化などで苦戦している。東京都や神奈川県中心に展開する量販店では、2010年代の後半数年にわたって6月下旬に道東マイワシの販促フェアを展開してきたが、以降の年は期間中に漁がまとまらず、実施を断念している。近海産と比較して身が太り、脂質も多いのが道東産の訴求ポイントだった。首都圏の消費者にも充分なインパクトを与え、好評を得ていたが、バイヤーは「ここ数年は小ぶりが続いている。今年も小ぶりで脂質も少なく、生鮮向けではない。かつてほどの魚体に戻ってほしい」と願っている。
サンマ商戦も水揚げが不安定のため、売り場作りや収益確保に苦労が続いている。多くの店舗が昨年も充分な量販や販促ができず、消費者の購買意欲を高められないまま季節の商材には程遠い状態でシーズンが終了。秋の味覚の“主役”不在が久しく続き、各社のバイヤーは消費離れに危機感を募らせている。首都圏全般に展開している大手量販店では、「昨年も水揚げが単発で本格的に売り出せたのは9月に入ってから。ただ、期間を通してサイズ、脂質ともに魅力を欠いた魚体だったため、見せ場を作れぬまま商戦は終了した」と説明する。
全国漁青連は7月31日、創立30周年記念式典を東京都千代田区のホテルグランドアーク半蔵門で開催した。コロナ禍の影響で1年延期しての実施。全国から集まった若手漁業者の代表らは親睦を深めるとともに、各浜の状況を共有する機会としていた。川畑友和会長(鹿児島県漁協青年部連合会顧問)は「漁青連は沿岸漁業の健全な発展と組合の経営安定を図り、明るく豊かな漁村社会を構築することを目的に1992年3月に発足した。今日に至るまで幾多の困難を乗り越え、30周年を迎えることができたのは、歴代の会長や先輩方の努力の賜物」と強調した。「われわれ漁業者にはまだまだたくさんの課題が待ち構えている。関係団体からご指導をいただきながら、水産業を盛り上げていくために頑張っていく」と述べ、引き続きの理解と協力を求めた。
梱包や包装の世界的企業であるモスカ(ドイツ)の日本法人のモスカ・ジャパン株式会社は、水産品の梱包・出荷用として、超音波技術によるバンド掛け機を提案している。作業効率や安全性、環境配慮などさまざまな機能面で、従来の熱で接着するタイプと比較して優位性を訴求する。同社はこのほど営業技術のスタッフを増員。今後も増員を計画しており、日本の水産現場に向けて普及を促進させる。
漁業情報サービスセンター(JAFIC)は24日、2023年上半期の日本周辺の漁海況の特徴について取りまとめ、公表した。黒潮大蛇行が今期も継続して観測史上最長となり、海面水温は、北部太平洋や日本海中央部を中心に高めだった。常磐~三陸沖合では黒潮続流が著しく北偏し、海洋熱波が生じた。黒潮続流の北偏とそれに伴う著しい高水温は、近年のサンマやマサバの不漁との関連が指摘されている。
日本各地の養殖カキの産地が集う「第13回全国カキ・サミット岩手大会」(実行委主催)が18日、盛岡市の県教育会館を主会場にオンライン併用で開かれた。岩手や宮城、広島など11県の生産者や漁協・行政関係者ら約110人が参加。カキ養殖業の持続的な発展に向け、衛生管理や生産技術をテーマにした講演会を通じ、現状と課題、今後の方向性を共有した。
カキ養殖の資材輸入・販売やコンサルティングを手掛ける株式会社SEAPAジャパン(吉本剛宏社長、電話050・3561・8240)は、微細藻類(植物プランクトン)の培養を自動化できる装置「フォトバイオリアクター」の取り扱いを始める。8月23~25日に東京ビッグサイトで行われる「ジャパンインターナショナルシーフードショー」に出展する。