北海道の秋サケは、1980年以来の2千万尾割れとなった一昨年と同程度の低水準で終漁に向かっている。道総研さけます・内水面水産試験場によると、中期までの来遊数は2014年級の5年魚、15年級の4年魚とも漁期前予測の5割程度にとどまった。一方、16年級の3年魚は予測を3割強上回っている。
利尻・礼文両島の養殖業者は種コンブの巻き付けを進めている。作業が順調に推移し大半の漁家が終漁した地区もある。種の再生状況は地区間でばらつきがあり「今までにないほど良い」との声も。不足した浜も良好な地区からの供給分で補てん、満度に巻き付けられる見通しだ。
青森県陸奥湾の2019年度秋季実態調査結果によると、19年産(稚貝)のへい死率は、分散済みの全湾平均値が8.9%と平年値(過去34年間の平均値)より4.5ポイント上回り過去3番目の高さとなった。18年産(新貝)のへい死率も30.2%と平年値を16.1ポイント上回る過去4番目の高さ。県は8~9月の高水温で衰弱したものと指摘している。
少人数世帯の増加、女性の社会進出などを背景に食の簡便・時短化が進んで生活に浸透する中食総菜。量販店、コンビニなど小売り各業態で成長分野の市場獲得へ商品力の強化を進めている。道東地区にスーパー2店を展開する株式会社東武は、店内に品ぞろえする素材を総菜化し、実食からその素材の購入に誘引する商品戦略を展開。需要が高まる時好の総菜を前面に、対極の素材も底上げ。両翼の販売促進に臨んでいる。
小倉屋株式会社(大阪市、池上時治郎社長)の手すき職人・三田嘉治さん(78)が11月25日に開かれた「令和元年度大阪府職業能力開発促進大会」(大阪府など主催)で「なにわの名工」(大阪府優秀技能者表彰)に選ばれた。
札幌市の水産品・冷凍食品卸、丸一大西食品株式会社(渡邉直彦社長、電話011・641・8180)は、北海道産魚介類の刺身商材を拡充している。特殊冷凍技術を活用したワンフローズンで、フィレーからロイン、刺身盛り用のカット済みまで対応。量販店や居酒屋などの人手不足対策などに商品提案している。
首都圏を中心に生鮮魚介専門店を展開する東信水産株式会社は青森県との連携を強化している。その一環で11月20~26日の期間で、旬の県産魚介類を提供する限定企画を全29店舗で開催。24日には東京都杉並区の荻窪総本店に三村申吾青森県知事、濱舘豊光中泊町長、小川原湖漁協の濱田正隆組合長がPRに来店。マグロ解体ショーやシジミのつかみ取りも体感できるなど青森産品を見て、触れ、楽しめるようなイベントを繰り広げた。
羅臼町の株式会社のりとも朝倉商店(朝倉奉文社長、電話0153・88・2303)は、ホタテの生殖巣(卵巣、精巣)を原料に開発した「ホタテ節」を活用した商品開発に取り組んでいる。食品・調味料メーカーとタイアップ。今年度内の完成を予定しており、活用事例の創出で北海道発の新たな「だし」素材として普及を目指す。
青森県が立ち上げた「あおもりの肴(さかな)チーム」が、県産水産物のPR活動を活発化させている。青森で獲れる旬の魚介を使った解体ショーなどに加え、人気ユーチューバーと共同で作ったアイデア満載の動画配信もスタート。さまざまな手法で、県民の「魚愛」を内外に発信する。「人と人がつなぐ、あおもりの旨(うま)いを届けたい」―。その一心で活動する。
近年、ブランド力の強化を図り消費拡大を目指すカキ生産地。宮城県は水産養殖管理協議会(ASC)の国際認証取得を前面に安全・安心な生食用むきカキを訴求。北海道では本州への販路開拓に可能性を見いだし認知度を高めている。宮城・北海道の新たな展開方策や消流を展望する。