えさん漁協椴法華地区の岡山潤也さんは自身が養殖する促成マコンブを加工、各種製品をつくる。「大好きな昆布。その魅力を多くの人に伝えたい」と語り、需要が低い若年層を意識した斬新な包装デザインを採用。衛生管理にも注力して製品化する。主力の「千切りビストロ昆布」がヴィーガン(完全菜食主義者)認証を取得したことをきっかけに、関連業者への営業を強化、販路開拓に奔走する。従来柱だった漁船漁業の不漁を背景に開始した6次産業化の取り組みは今年で4年目を迎え、徐々に軌道に乗ってきた。
道漁連と道こんぶ消費拡大協議会はこのほど、小学校の食育授業用に「昆布食育キット」を作成した。原藻や試食・試飲用の昆布など教材一式を同封。地域に限りなく全国各地の希望校に無料で貸し出しする。生徒にだし文化の魅力を伝え、昆布に対する関心を高めるため、見て、食べて、触るといった五感で学ぶ食育授業を提案する。
標津町の株式会社北海永徳(永田雄司社長、電話0153・82・3963)は、秋サケ、ホタテの加工を主力に、カレイ・ニシン・ホッキなど前浜産の鮮魚出荷、干物・塩蔵・冷凍加工を展開。顧客ニーズに応じた商品づくりで売り上げを伸ばしている。今後、最新の急速凍結機を新たに導入。ホタテ玉冷の高品質化と併せて冷凍加工品の強化に臨んでいく。
函館空港ビルデング株式会社は、地域振興・発展に貢献することを経営ビジョンに掲げ、道南産水産物の魅力発信に注力している。空港内の土産店では、地元漁業者や加工メーカーがつくる各種水産品を積極販売するほか、がごめ昆布を使った自社製品も展開する。直営レストランでは昆布やマグロを取り入れたメニューが並ぶ。また、近年世界的に深刻化が指摘される「海洋プラスチック問題」を受け、紙製のストローに切り替えたりパネル展を開くなど「脱プラ」にも取り組む。
北海道を代表する保存食である新巻鮭。江戸時代から続く伝統食品で、お歳暮の贈答品になくてはならない。そんな新巻鮭を水産加工場から消費地まで運ぶ際に活躍するのが鮭箱。木箱が主流だったが、価格面などで勝る発泡スチロールに主役の座を譲って久しい。一方で木箱の風合いや印刷された書体のカッコ良さに魅せられ、家具や雑貨、楽器として新たな魂を吹き込むのが職人ユニット「ARAMAKI」だ。
「健康にいい」「栄養価が高い」などのプラスイメージの一方、「骨があって食べにくい」「生臭い」などの理由から年齢層問わず国民全体に進む「魚離れ」。その消費者嗜好(しこう)を踏まえ、魚食向上に貢献する水産食品の創出を目指し、食品加工研究センターを中心に道総研が開発したのが一夜干しレトルト製法。「こつぱくっと」と名付け、ニシンを皮切りに商品化魚種の拡大に臨んでいる。
ひやま漁協熊石支所と落部漁協は、今年から八雲町の補助を受けトラウトサーモン(ニジマス)の海面養殖に挑戦する。近く1尾800グラム程度の幼魚を購入。港内に設置したいけすで飼料を与えながら、来年6月ごろには3キロを目標に成長させる計画だ。北海道初「道産サーモン」の生産を目指し、3カ年の成育・環境調査結果を踏まえ費用対効果を検証する。
青森県漁連(三津谷廣明会長)が昨年10月から青森市港町2丁目に建設を進めてきた県水産物の流通拠点施設「JF青森漁連流通PRセンター」が完成した。最新の急速凍結技術「プロトン凍結」を用いて年中出荷できる高品質な冷凍加工品を作り、漁業者の所得向上につなげる。市民らが気軽に来場できる販売スペースも設けた。14日にオープニングフェアが開催される。
ひやま漁協のスケソ延縄がシケで開始が遅れた昨年より3日早く11月26日に開幕した。水揚げは昨年を下回るペースで推移している。潮回りが悪く、操業がやや苦戦。卵の熟度も昨年より低く、浜値も伸び悩んでいる。
同漁協は「卵の熟度が今年は4%の手前。昨年は5%以上だった。歩留まりの低さが価格を押し下げた」と説明。「消流は全て内販」と示す。
「知内かき」のブランドで知られる上磯郡漁協中ノ川支所の養殖カキは、11月下旬に出荷が始まった。支所によると同月末現在の身入り状況は昨年同期に比べて良く、操業する10軒余りで昨年同期並みとなる1日200~250キロのむき身を出荷している。