凍結機器を製造・販売する株式会社テクニカンは5日、横浜市に冷凍食品専門店「T_OMIN FROZEN(トーミン・フローズン)」をオープンした。同社の液体凍結機器「凍眠(とうみん)」のユーザーが製造・加工した魚介、肉、総菜、デザートのみを全国から集める商品構成。産地でしか味わえない地魚などを鮮度の高い状態で提供する。
米国に本部を置くNGO・世界養殖連盟(GAA)は今年から日本に専任スタッフを配置し、連盟が運営する養殖業に関する第三者認証「BAP」(ベスト・アクアカルチャー・プラクティス)の導入促進を加速させている。養殖工程が環境や社会への責任を果たし、食品安全の配慮を示す有効な手段であるとして、特に生産者への導入に力を入れる。普及浸透させ、日本における社会的責任のある養殖業の確立に向けて働き掛けていく。
鵡川漁協で刺網などを営む吉村正さんと勇毅さん親子は今年、秋サケを素材とする猫用ペットフードの販売に乗り出した。6次産業化の取り組みで昨今のペットブームに着目。前浜産の鮮度や化学調味料無添加の安全面を訴求していく。 1月からむかわ特産物直売所「ぽぽんた市場」で売り出した。正さんが代表を務める吉村燻製工房が加工品を製造。オルニチンやカルシウムが豊富な骨ごとサケ全体を使用する。サケとばを作る乾燥機を活用。皮や骨は粉状にして振りかけた。正さんは「保存料や着色料を使わず、安全・安心なペットフードを目指した」と話す。
総務省の家計調査によると、昨年1年間の1世帯当たり(2人以上)の昆布購入金額は、富山市が全国主要都市の中で最も多く、7年連続の全国一となった。昆布つくだ煮は福井市が2年連続の1位。両品目とも上位は昆布食文化が根付く近畿・北陸勢に、東北を加えた3地方の都市で大半を占めた。
岩手県宮古市が取り組む、トラウトサーモンとホシガレイの養殖調査事業が成果を上げている。コロナ禍で消費が冷え込み、全国的に魚価が下落傾向の中、試験出荷を終えた1季は高品質を武器に高単価を維持。浜に活気をもたらした。両魚種とも2季目の試験がスタート。「つくり育てる漁業」の推進に向け、早期の事業化移行を目指す。
漁獲量が低迷傾向だった北海道の毛ガニ。今年は昨年まで4年連続で許容漁獲量が減枠だった主産地・オホーツク海の宗谷海域が2倍強の増枠となり、全道の供給量は底を打って7年ぶりに増産見込み。ただ、網走海域は過去最低枠が継続、日高海域も減枠で、2千トン割れの水準が続く状況。消流は昨年産の大・中サイズが消化され、価格形成は強含みの様相だが、高値基調による需要先の縮小、コロナ禍の構造変化などで特に小サイズの販路確保が焦点となる。
「真崎わかめ」の生産や販売を手掛ける岩手県宮古市の田老町漁協(小林昭榮組合長)が、資源保護などに取り組む漁業者の国際的水産規格「マリン・エコラベル・ジャパン(MEL)」認証を取得した。MELのロゴマークを付けた水産品は持続可能性に配慮した商品として、国内外で幅広くPRできる。販路拡大を図り、漁業所得の向上につなげたい考えだ。
岩手県宮古市に市重茂水産体験交流館「えんやぁどっと」がオープンした。市が開設し、重茂漁協(山崎義広組合長)が運営を担う。漁業や加工品製造、浜の食文化など、宮古の子どもが水産業をまるごと体験できる施設。漁業をなりわいとする地域の魅力を発信し、担い手確保につなげる。
札幌市の「刺身専門店 維(つなぐ)」(長内洋平代表、電話011・624・6883)は、予算や人数など注文に応じた盛り合わせ、手巻きずし用の種など刺身の提供に特化している。店構え、盛り付けなども鮮魚小売りの新たなスタイルを探究し、「魚屋」が身近ではなかった消費層にもアプローチ。魚食の裾野拡大に臨んでいる。
西網走漁協のワカサギ漁は、漁期前の豊漁予測に反し苦戦している。開始から10日目に1カ統を増やしたが、日量1トン前後と前年同期の半減に。同漁協は「1~2日留めても変化がない」と困惑する。浜値は2月に入り50円高となったが、キロ400円の安値基調に着業者は頭を抱えている。