宮城県石巻市、石巻専修大、株式会社木の屋石巻水産(同市)、酒田米菓株式会社(山形県酒田市)、食品卸の株式会社かね久(仙台市若林区)の5者は「オランダせんべい 鯨大和煮風味」を共同開発し、7日に発売した。鯨肉の加工時に出る端材を有効活用。60年以上にわたり愛され続けている木の屋伝統の味を基に、なじみの薄い子どもでも食べやすい菓子に仕上げた。産学官連携で鯨食文化の継承と地域活性化、持続可能な開発目標(SDGs)の達成につなげる。
全道各浜で取り組む「お魚殖やす植樹運動」の植樹行事が5月28日、当別町の道民の森内で行われた。同運動は1988年に始まり、今年で36年目。道女性連や北海道開発局、林野庁、道水産林務部、系統・水産関係団体、道森林組合連合会、コープさっぽろなどから70人以上が参加。「豊かな森が豊かな海を育む」の思いを込めてミズナラとニレ計500本の苗木を植えた。
羅臼漁協昆布青年会(佐野亘会長)は昨年、羅臼昆布を粉末化した商品「羅臼昆粉(こんぷ)」を開発した。原材料は昆布のみで天然、養殖の2種類を瓶詰めで展開。料理に混ぜたり、ふりかけて使える。購入者から「おいしい」と応援する内容の手紙が届くなど反響もあり、佐野会長は「積極的にPRしていきたい」と力を込める。
豊浦町の有限会社北海スキャロップ(外山明社長、電話0142・85・7500)は、前浜・礼文華産ホタテの加工品で缶詰を商品展開している。町の水産物アイヌブランド化事業と連動し、ラベルデザインにアイヌ語・文様を使用。地域特産品として土産品・贈答需要などにアプローチ。現在、新商品の開発も進めている。
斜里第一漁協の有限会社北洋共同漁業部(伊藤正吉代表・漁協理事)は、定置網漁の自船「第二十一北洋丸」で水揚げした秋サケ、サクラマスなど漁獲物の加工販売事業で、冷凍自動販売機による拡販に乗り出した。地元道の駅「しゃり」の24時間開放エリアに設置。液体急速凍結の刺身を中心に地域住民、観光客らが手軽に購入できる販売スタイルで斜里産の消費拡大を目指している。
大樹漁協の川股政男理事・みち子さん夫妻が加工販売を手掛ける「おっかさんの番屋 まるみ工房」が15年目を迎えている。行商を皮切りに4年前からはキッチンカーで活動。十勝管内中心に徐々に浸透し週末は各イベントに出店。ホッキカレーやツブ串などの販売を通し、地場産水産物の魅力やおいしさを届けている。
鵡川漁協厚真地区の澤口研太郎さん(青年部部長、青年漁業士)は今年1月に合同会社picolo pesce(厚真町)を設立した。ホッキを使用した加工品の開発など前浜産水産物の付加価値向上に取り組んでおり、将来的には飲食事業の展開を目指している。
寿都町漁協所属の小西若葉さんは寿都町で前浜産魚介類を使用した創作料理を提供するカフェ「海辺の茶屋ぐ~みん」(4月末~9月営業)を経営する傍ら、自ら採取した海藻類の商品作りに取り組んでいる。3年ほど前に外食需要が落ち込んだコロナ禍が端緒。カフェで前浜産の岩ノリやフノリなどをトッピングしたメニューが好評だったことを受け、家庭でも気軽に味わえる海藻類の商品開発に乗り出した。今では「店で食事を楽しんで土産に購入されるお客さまが多い」と相乗効果を創出している。
オイシックス・ラ・大地株式会社は、アップサイクル商品を開発・販売するフードロス解決型の自社ブランド「Upcycle by Oisix」で、人気商品チップスの寄付金付き販売を始めた。原料の白エビの漁獲量激減を受け、出荷できなくなっている生産者や稼働がままならない加工メーカーの支援が目的。これまで捨てられていたものに価値をつけてアップグレードして誕生した商品。その特長を維持しながら支援の輪を広げていく。
道昆布事業協同組合(山本哲治理事長)はこのほど、小冊子『昆布のチカラ』を作成した。15頁で生態や歴史、種類、健康効果、レシピなどをマンガ形式で紹介する内容。組合員が行う食育授業やイベントなどでの活用を想定している。消流拡大対策事業の一環。道産昆布の普及啓発を目的に、将来の需要を見据えて小中学生を中心とした食育用の副読本として約7千部作成。組合員や関係先などに配布した。