東京都・豊洲市場でアカガレイの引き合いが強い。鮮魚店に加え、飲食業者がランチの材料に使用。もともとマガレイやクロガシラガレイより人気を得ていたが、競合するナメタガレイの高騰で需要増を生んでいる。卸値はナメタが2千~1800円(2尾入れで3キロ、1尾入れ1.8キロ)で強含みに対し、アカは高値でキロ750円と手頃な価格。中旬ごろから子持ちも目立ち始めたことで、仲卸業者は「身が厚くなって売れてきている」と説明する。また、飲食店需要は「夜間営業の客足は減っているが、都の補助金が出るため営業は続けて、ランチで売り上げを確保する動き。その材料に仕入れている」と話す。
利尻富士町は「リシリコンブ株主(オーナー)事業」を開始した。鴛泊地区の養殖コンブ漁業者と連携し、今夏収穫した昆布を秋に株主に配送、利尻昆布ファン増加と魅力アップに努めていく。コンブ養成綱1メートル(昆布15~20本)を1株(価格1万5千円)として募集、開始直後から応募が殺到するなど早くも注目を集めている。
イオンリテール株式会社は17日、「MSC認証 一度も凍らせない からふとししゃも」を東京・神奈川・千葉・埼玉の「イオン」「イオンスタイル」など、約80店舗で期間限定で販売を始めた。初の試みとして北欧のアイスランドから空輸し、生のまま販売することでふっくらとしたおいしさが味わえる。加工にかかる費用も省き、丸干し商品と比べ約1割安価に提供できるという。内食需要が高まる中、求めやすい魚として販促を仕掛けていく。
歯舞漁協アサリ部会は、自作のふるいを本格的に導入、選別作業の労力軽減と時間短縮を図っている。長山吉博部会長は「選別に要する時間は従来の半分」と効果を実感。精度についても「9割方選別でき、残りは目視や従来の物差しを使い徹底。良質出荷に努めている」と強調する。
海藻加工・販売の有限会社ムラカミ(宮城県気仙沼市、村上健社長、電話0226・27・2077)の乾燥ワカメ商品が評判だ。三陸産を用い、地元のさまざまな素材も生かす。便利さだけでなく味わいの良さも高めることで、消費者のニーズをつかむ。手作業が織りなす付加価値の魅力も発信する。
道機船連(風無成一会長)が主要魚種・スケソ、ホッケの付加価値向上・消費拡大策で取り組む学校給食製品供給事業が昨年は152万食を超え、初の100万食に到達した2019年の過去最高を大幅に更新した。
北海道の毛ガニは今年、低水準ながら2年連続の増産見通しだ。操業中の釧路、日高の太平洋側は許容漁獲量が減枠の一方、3月に開幕する主産地・オホーツク海が宗谷海域を主体に昨年より3割増枠の方向で、千トン台に回復する見込み。消流は昨年産の冷凍在庫が一部サイズで残り、価格形成は下方修正の様相だが、ズワイ、タラバの品薄高騰による代替需要の動きなどが焦点になる。
鵡川漁協は1月28日の営業日を皮切りに、直営水産物直売所「いちうろこ」のバーチャル店舗を始動させた。周囲360度を撮影できるカメラで映した店内空間を取り込み、実店舗内を立体空間で再現。ユーザーは店内を散策する動線を体験できるほか、当日水揚げされ店内に並ぶ鮮魚を目の前で確認。スマホやパソコンで、実店舗同様にショッピングを楽しむことができる完成度までに仕上げた。
株式会社阿部長商店(宮城県気仙沼市、阿部泰浩社長)は、三陸産マイワシを使ったレトルトの「気仙沼港町のパスタソース」を発売した。チャーハンやサラダなど幅広い料理に応用できる洋風ソース。女性社員が企画から開発まで手掛けた。自宅で手軽にプロの味を楽しめる「ビストロ三陸」シリーズの第1弾としてPRする。
いぶり中央漁協のスケソ刺網は昨季に比べ水揚量を伸ばしている。ただ、24日ごろから切れたのに加え、卵は水子が多数を占め、浜値がキロ70~60円と低調推移。道内他浜の沖底船の順調な水揚げなどを受け、地元加工筋のガラ相場も10月下旬以降90円で固定され、盛り上がりに欠く展開。着業者らは終盤戦での増産や価格上昇に期待を寄せる。