地元産フカ(サメ)肉の消費拡大を目指そうと株式会社阿部長商店(宮城県気仙沼市、阿部泰浩社長)は13日、同市の気仙沼リアス調理製菓専門学校でアレンジレシピコンテストを初開催した。テーマ食材は新商品のフィッシュプロテインバー「meZAme-メザメ」。体づくりをよりサポートするアイデアが次々と披露され、持続可能な開発目標(SDGs)や写真映えなども意識した多彩なサメ肉料理が並んだ。
6月8日の世界海洋デーや6月の環境月間にちなみオイシックス・ラ・大地株式会社は7日、東京・大崎の同社イベントスペースでサステナブル・シーフードの最新動向を紹介する発表会を実施した。陸上養殖やプラントベースフード(植物由来食品)を展開する企業が登壇し、水産品における環境課題を共有し、その解決策を探った。
函館市の合同会社EGAO(電話050・8880・9145)は、函館近海の定置網で漁獲された小ぶりのサバ、ガヤ(エゾメバル)、ウミタナゴの煮魚を商品化した。「未利用魚介プロジェクト」と銘打った共通の商品ラベルを製作・添付。食品ロス削減や持続可能な水産業の一助となる「エシカル消費」などにも訴求していく。
斜里第一漁協の定置業者・有限会社豊慶漁業部(佐藤唯行代表)は昨年から自船「豊慶丸」で漁獲したサクラマス、ホッケなどの加工販売事業に乗り出している。漁業者ならではの鮮度・品質保持技法「船上活じめ」を施し、徹底した血抜き処理で一夜干しを製造。併せて痩せウニ(エゾバフン)の蓄養・加工も試行。地域・組合・前浜資源の知名度向上や魚食普及、定置経営の安定などを目指す。
東京都墨田区の繁華街、錦糸町駅近くの飲み比べの専門店「LITTLE SAKE SQUARE」は、イベントで産直の水産物を使ったすし、天ぷら、鍋などを提供している。5月30日~6月4日は函館の水産業者から仕入れ、初めての北海道フェアを実施。特にえさん漁協のブランドホッケ=写真=が好評。来店客らは「ホッケを刺身で食べられることを知らなかった」と驚いていた。
定置網などに入ってもサイズが小さ過ぎたり、なじみがなかったりなど需要が乏しく、流通に乗らない、また価格評価が低い「未・低利用魚」。命や経費をかけて沖に出る漁業者の思いを組んで有効活用の仕組みづくりが函館市で芽生えている。コロナ禍の苦境打開への模索も相まって異業種が呼応。食習慣の形成や漁獲魚種の変化に対応した商品開発など新たな水産物流通の創造に知恵を絞っている。
水産加工の株式会社マルシュウフーズ(宮城県石巻市、吉田秀樹社長)は宮城県産養殖ホヤの販売を強化している。岩手県産を含め、今季の取扱見込み量は殻付きの原料ベースで1600トン。国内一の規模を誇る。手軽さを意識した製品や売り場で人目を引くパッケージを新たに投入。卸値を極力安くするため配送に自社便を使うなどコスト削減にも努め、国内消費が伸び悩む現状を打破する。
有限会社フジマル佐藤商店(宮城県石巻市小渕浜、佐藤泰智社長)が運営する「海 番屋フジマル」が人気だ。直売所と食堂、浜焼き小屋、休憩所を併設した複合施設。PRに力を入れるマアナゴをはじめ、ワカメやホヤ、カキなど自社で漁獲・養殖した前浜産を提供する。産地ならではの鮮度や味わい、価格を周知することで観光客を呼び込み、収益安定化と地域活性化につなげる。
大阪市の株式会社小倉屋山本(山本博史社長、電話06・6243・0011)はこのほど、新商品「ぱぱっとこんぶ」を発売した。「はぴねす乳酸菌Ⓡ」(森永乳業株式会社の登録商標)を配合した塩吹き昆布で、昆布に含まれる豊富な食物繊維と併せて「簡単においしく腸内環境を整える」ことをコンセプトに開発。ご飯にふりかけたり、料理の味付けやサラダのドレッシング代わりにもなるなど料理で幅広く活用できる。
株式会社阿部長商店(宮城県気仙沼市、阿部泰浩社長)は、国産の小サバを原料に活用した「大船渡港町のととバーグ」を発売した。肉のハンバーグに比べ、カロリーや脂質は半分以下。ジューシーな食感を楽しみながら、1日に必要なオメガ3脂肪酸を摂取できる健康志向の総菜として訴求する。自宅で手軽にプロの味を楽しめる「ビストロ三陸」シリーズの第2弾として企画。味はデミグラスソースとてりやきソースの2種類を用意した。ととは幼児語で「おさかな」。同社は「肉のような食感が味わえるハンバーグ。子どもから高齢者まで幅広い世代にぜひ味わってもらいたい」とPRする。