珍味メーカー・株式会社三豊(本社・東京、塩田康就社長)の函館工場(北斗市、電話0138・73・5501)は、がごめ昆布、ホッキ、カキなど地元の北斗・道南で獲れる魚介類を使った商品開発に力を入れている。3月26日に開業した北海道新幹線の新函館北斗駅構内にある北斗市のアンテナショップで観光客らに特産品としてPR。今後、北海道物産展など販売拡大に取り組む。
釧路市漁協の刺網船3隻は、サメガレイの活じめ出荷に取り組んでいる。えらと延髄切りで血抜き処理を徹底。船に冷水機を搭載するほか、荷造りで窒素氷を活用、鮮度保持にも余念がない。「極(きわみ)」ブランドで流通、出荷先の札幌市中央卸売市場で定着するほか地元・釧路でも浸透してきたという。着業者は「価格は野じめの1.5~2倍」と手応えを感じる。
函館市尾札部町の能戸フーズ株式会社(能戸圭恵社長、電話0138・63・3211)は、南かやべ産がごめ昆布を使用したしょうゆが看板商品。塩分を抑え、がごめ昆布のうま味を効かせ、素材の味をより際立たせる。普段使いのほか、口コミで中元、歳暮、土産品需要も広がっている。4月の「日本ギフト大賞2016」で都道府県賞の北海道賞を受賞、北海道を代表するギフト商品に選ばれた。
函館市の函館タナベ食品株式会社(田邉元久社長、電話0138・47・2323)は、北海道近海で獲れたスケソ卵のたらこ、めんたいこで攻勢をかける。平成27年漁期産で過去最高の原卵量を確保。北海道の民放2社でテレビCMも打って、オリジナルブランドなどの拡販に取り組んでいく。
「超速鮮魚(登録商標)」と銘打って鮮魚の流通革命に乗り出している水産卸のCSN地方創生ネットワーク株式会社(東京都大田区、野本良平社長)。羽田空港内に仕分け・加工施設を構え、全国の生産者とネットワークを結び、水揚げから24時間以内に東京都内など首都圏の飲食店やスーパーなどに鮮魚を届ける。北海道でも紋別市に支店を開設し、仕入れ、販売の拡大に着手。5月から個人向け販売もスタートした。
七飯町の中水食品工業株式会社(園田哲三社長、電話0138・65・5631)は、函館沿岸に自生し、従来漁獲対象外の海藻「アカモク」の食用普及に力を入れている。がごめ昆布、真昆布と3種の海藻を組み合わせた総菜品が通販を中心に昨年から売れ行きが伸長。ことしも引き続き漁業者の協力を得て原料を確保、拡販に取り組む。
宮城県の志津川湾で天然採苗、シングルシード(一粒種)養殖したマガキの出荷開始が6月1日、予定される。昨年10月の採苗分散から事業化に移行し、「あまころ牡蠣」のブランド名で6月末までに2万5000~3万個の水揚げを計画。未産卵の生食用殻付で、脚光を浴びそうだ。
釧路市の有限会社釧路フィッシュ(平野勝幸社長、電話0154・57・5946)は、水産加工品へのチーズホエーの活用で新たに糠さんまを商品化した。ホエーに含まれる乳酸菌などが作用し、塩分高めの本漬け製法でまろやかな塩味が特長。5月から本格的に販路開拓に乗り出している。
築地市場協会など市場関連業者と東京都は3日、ことし11月豊洲へ移転する築地市場への感謝を込めて「ありがとう、築地。築地市場まつり」を築地市場内で開催した。81年の歴史に幕を下ろす築地市場を惜しむとともに、新鮮でおいしい魚介類を求め約15万人が訪れた=写真。
利尻漁協の大ヒット商品「利尻昆布ラーメン」。天然利尻昆布粉末を練り込んだ乾燥麺にとろろ昆布をトッピングしたもので、あっさりとした塩味のみで展開する。テレビ番組での紹介などで人気に火が付き、販売開始から11年目の平成25年は当初の16倍となる47万袋の実績に。全国各地のインスタントラーメンを集めた専門店「やかん亭」(本店・大阪市)でも断トツの人気を誇る。