室蘭漁協のノナ(キタムラサキ)たも採り漁はシケで苦戦している。海底が揉まれて濁りが強く、ノナが見つけにくい状況。一方、浜値は例年価格のピークになるお盆商戦も特に上昇せず、キロ800円台で推移している。
20軒が7月1日に操業を開始。8月27日現在の数量は前年同期比60%減の11トン、金額は同56%減の890万円、キロ平均単価は13%高の809円。
7月はハシリに日量1.2トンと順調だったが、次第に減少し、700~800キロに落ちた。室蘭魚市場の担当者は「1トン台が続かず不調だった」と話す。
岩手県の今季養殖ホヤで、福島第一原発事故の風評被害に伴う損害賠償の交渉が進められている。生産者団体で組織する協議会が東京電力に対し、韓国の輸入禁止が解除されないため、生産の増えたホヤが余剰となり販売できなかったり価格が下がったとしてその補償を求めている。生産量の多い綾里漁協では水揚げを終え、未販売分の最終処分に目途をつけた。
道東地区に2店のスーパーを展開する株式会社東武(千葉武司社長)は、中標津町に構える「東武サウスヒルズ中標津店」の水産売り場で生魚の「超鮮度」と「品ぞろえ」に特化した商品・販売戦略を進めている。根室海峡をはじめ近隣・近郊に加え、本州5カ所の産直ルートを確立。対面販売による顧客接点と併せ、三極化が進む道内流通業界で地場スーパーの強みを追求、存在感を放っている。
末永海産株式会社(宮城県石巻市、末永寛太社長)は生食用むき身カキやあぶりホヤなど13品目で、HACCPの対米輸出要件を満たし、認定を受けた。生食用カキの認定は全国でも初めて。米国を新たな市場に見据え、販路の開拓に取り組んでいく。
漁協女性部が運営する食堂が人気を集めている。道南では鹿部漁協女性部が「鹿部プレミアムたらこ御膳」、函館市漁協女性部が「イカ刺し定食」と地域を代表する水産物をメーンに据え提供。「新鮮」「旬」の〝ご当地グルメ〟を求める観光客の心をつかんで、リピーターも多く完売する日がほとんど。前浜産PRの一翼も担っている。
水揚げ最盛期に入ったオホーツク海沿岸のホタテけた引漁。主力の玉冷製品は一部の価格修正で膠着(こうちゃく)していた対米輸出がようやく動きだした。しかし昨年のペースには戻らず成約も限定的。流通業者からは急激な産地市況の変化に戸惑いの声も聞かれる。
八雲町漁協でヒラメ刺網に着業する第三武洋丸(1・3㌧)の新川宏悦さんは、網地2号の細いテグスを使用。「傷みやすいというリスクはあるが太いテグスより掛かる」と話し、水揚げ重視の操業に力を入れている。作業場で漁具・漁法を説明してくれた。
刺網や小定置で水揚げされる八雲町漁協のヒラメは、7月末現在で昨年の約2倍と順調だ。一方好漁を映し、浜値はキロ500円前後と弱含みで推移している。
根室漁協の花咲ガニ漁は低調な水揚げだ。花咲港では7月下旬に7隻(うち1隻は根室湾中部漁協所属船)で日量約1㌧前後。同漁協は「ハシリは良かったが、次第に日量は減少した」と説明し「例年シケ後には量が回復する」と、漁況回復に期待を込める。
根室市のカネ共三友冷蔵(株)(渡邊幸二社長)は、ベニザケなど鮭鱒の切り身加工を強化する。ロシア水域でのサケ・マス流網漁禁止に伴う国の緊急対策事業を活用し、切り身マシンを最新機種に更新。生産効率を高めて末端需要に応えていく。