今季のサロマ湖産は種苗の付着が薄く、3単協(湧別・佐呂間・常呂漁協)合計のむき身出荷はおよそ3割減産する見通しだ。浜値は12月中旬に例年の約千円高となるキロ2千円台中盤と堅調。ただ殻付きが全道的に潤沢なこともあり荷動きは落ち着いている。
今年6月、北海道の室蘭市と岩手県宮古市がフェリーで結ばれる。新たな航路の開設は両市を直接つなげるだけでなく、宮古を中継とし、整備が進む復興道路も活用し東北一帯を巻き込んだ商流圏の活性化も期待されている。出航を前に、行政や産業界は機運醸成や情報発信の強化を確認し合っている。
北海道の秋サケは約5万700トンと、平成以降最低だった昨年を3割下回り、昭和55年以来37年ぶりの大減産となった。繰越在庫の払底下、歴史的凶漁と、サンマ、イカなど主要魚種全般の不振による加工原料不足などで魚価は前年比66%高と異常高騰した。親子とも空前の高値と供給減で輸入物が売り場を浸食。来季以降の生産回復時の反動が懸念され、各種販路の確保が懸案となる。
ひやま漁協女性部江差支部(藤谷真理子支部長)は水揚げが増えている前浜産ニシンを使った商品開発に取り組んでいる。特に江差町からの要望を受け「にしんそば」に乗せる甘露煮のレシピ開発に力を入れている。
スモークサーモンのブランドメーカー・王子サーモン(株)(本社・東京、佐藤徹社長)は今季産で秋サケ商品を拡充している。自社工場を構える苫小牧産を使用。刺身用フィレーや市販用いくら、ギフト向け塩蔵姿切りなどを新たに投入。原料は漁獲時期を限定し厳選。水揚げ後迅速に処理できる産地加工の高品質を売りに販売拡大に乗り出している。
首都圏を中心に生鮮魚介専門店を31店舗展開する東信水産㈱は11月22~28日、青森県と連携した旬の県産魚介類を提供するフェアを全店舗で行った。25日には杉並区の荻窪総本店に三村伸吾青森県知事、生産者を代表して小川原湖漁協の濱田正隆組合長などがPRに来店。三村知事による軽快なトークで会場は盛り上がった。
コンブ研究者らでつくるNPO法人北海道こんぶ研究会(四ツ倉典滋理事長)は、「全道のコンブの応援団」としてイベント開催や講演・勉強会などを通した啓蒙活動を展開、道民のコンブへの関心を高めるとともに魅力発信に努めている。
カニなど卸・加工の株式会社札幌大成(札幌市、作間健太郎社長、電話011・633・8020)では、年末年始用やギフトなどで販売が伸長しているタラバガニ1肩のシュリンクパックの生産が最盛期に入った。今年急速冷凍の新技術「3D冷凍」のフリーザーを新たに備え、商品の品質向上と併せて生産性を大幅に増強。取引先の追加注文などへの対応力を高め、安定供給に臨んでいる。
福島県は、県産農林水産物の6次化商品として創設した共通ブランド「ふくしま満天堂」のテストマーケティングを首都圏でも始めた。11月から1月にかけて計5回実施。試食やアンケートなどを行い、消費者の声を商品に反映させていく。
「知内かき」のブランドで知られる上磯郡漁協中ノ川支所の養殖カキは、11月上旬に水揚げ・出荷が始まった。ただ放卵後の身の回復が遅いため、同月末現在まだ操業していない漁家も多く、本格化はもう少し先になりそうだ。