1月11日の余市郡漁協を皮切りに始まった後志北部以北の日本海沿岸ニシンは、2月中旬以降増産基調を示すなど順調な水揚げペースで推移している。一方、例年通りオスの荷動きが鈍いものの、コンテナ不足などで北米・カナダ産の搬入に不安定感を懸念する加工筋が数の子製品の原料手当てを強化。流通関係者は「卵の抜け具合など魚体の状態にもよるが、メスの価格が大きく下落することはないだろう」と見通す。
大田市場の仲卸・株式会社ハルキ(電話03・5755・9413)は、関東以西と以北へ北海道産の商材を提供している。函館市の本社(株式会社春木商店)と連携し、高鮮度と卸価格の圧縮でリード。同社と取り引きがある東京都の飲食店「北海道海鮮市場がんがん」の三上徹朗さんは「他店と差別化できる商材が多い」と強調する。
海鮮丼専門店を経営する株式会社レイジックス(敬禮匡社長)は昨年12月に熟成ずしの宅配事業「熟成 鮨匡(すしまさ)」に乗り出した。「津本式究極の血抜き」、乾燥・熟成の製法で魚本来のうま味を引き出す。「新鮮信仰」が強い北海道民に調理技術を加えた魚食の優を発信。“新たな食文化”の訴求に臨んでいる。
北海道産のいくらやホタテといった旬の魚介類をふんだんにトッピングし、食用花「エディブルフラワー」を添えた「お魚ぱふぇ」。札幌市東区の「お魚ぱふぇ カサナル」が提供し、コロナ禍のテークアウト需要などで若い女性を中心に「インスタ映えする」と人気を集めている。店長の山口聖也さんは「営業を継続することで、鮮魚の仕入れでお世話になっている漁協や生産者を少しでも支えることができれば」と話す。
イオンリテール株式会社は17日、「MSC認証 一度も凍らせない からふとししゃも」を東京・神奈川・千葉・埼玉の「イオン」「イオンスタイル」など、約80店舗で期間限定で販売を始めた。初の試みとして北欧のアイスランドから空輸し、生のまま販売することでふっくらとしたおいしさが味わえる。加工にかかる費用も省き、丸干し商品と比べ約1割安価に提供できるという。内食需要が高まる中、求めやすい魚として販促を仕掛けていく。
歯舞漁協アサリ部会は、自作のふるいを本格的に導入、選別作業の労力軽減と時間短縮を図っている。長山吉博部会長は「選別に要する時間は従来の半分」と効果を実感。精度についても「9割方選別でき、残りは目視や従来の物差しを使い徹底。良質出荷に努めている」と強調する。
道機船連(風無成一会長)が主要魚種・スケソ、ホッケの付加価値向上・消費拡大策で取り組む学校給食製品供給事業が昨年は152万食を超え、初の100万食に到達した2019年の過去最高を大幅に更新した。
札幌市の一和鮮魚店(木島和哉代表、電話011・214・1136)は、鮮度や使い勝手など商品力に加え、対面販売ならではの遊び心を持った接客サービスも追求している。特に魚食文化の継承、鮮魚小売り業界の活況を目指し、若い世代へのアプローチを重視。写真共有アプリ「インスタグラム」を駆使し顧客をつかんでいる。
北海道の毛ガニは今年、低水準ながら2年連続の増産見通しだ。操業中の釧路、日高の太平洋側は許容漁獲量が減枠の一方、3月に開幕する主産地・オホーツク海が宗谷海域を主体に昨年より3割増枠の方向で、千トン台に回復する見込み。消流は昨年産の冷凍在庫が一部サイズで残り、価格形成は下方修正の様相だが、ズワイ、タラバの品薄高騰による代替需要の動きなどが焦点になる。
株式会社阿部長商店(宮城県気仙沼市、阿部泰浩社長)は、三陸産マイワシを使ったレトルトの「気仙沼港町のパスタソース」を発売した。チャーハンやサラダなど幅広い料理に応用できる洋風ソース。女性社員が企画から開発まで手掛けた。自宅で手軽にプロの味を楽しめる「ビストロ三陸」シリーズの第1弾としてPRする。