紋別市の広瀬水産株式会社(廣瀬哲二社長)が紋別市弁天町3丁目に建設を進めていたホタテ玉冷の新製造拠点・弁天工場が竣工した。自動貝むき機を備え、省人化の加工処理体制を構築。併せて最新鋭の計量・検品・包装機器などを導入し、顧客ニーズに応じた高品質商品の生産機能を整備した。原貝の処理能力は既設の紋別工場と同量を確保し、2工場体制で倍増。国内外の需要先へ安定供給に一層取り組んでいく。6月に始まる本操業に合わせ本格稼動に入る。
道北日本海の留萌管内4単協(増毛・新星マリン・北るもい・遠別漁協)で地まき用稚貝の出荷作業が始まった。購入先の注文数量を積み上げた管内全体の生産計画粒数は昨年並みの11億6100万粒だが、採苗不振の影響で各漁協では3~5割の生産量を想定している。昨年の分散作業では2番手以下の小型サイズも採っており、殻長にばらつきもみられる。
岩手県山田町の三陸やまだ漁協(菊地敏克組合長)は7日、山田湾で手がける養殖トラウトサーモン(ニジマス)の出荷を開始した。1尾2キロ以上を選別し水揚げ、全て氷じめで、入札方法はタンク(大口)と3尾入りのトロ箱(本数)売りの2つ。初日は6.4トン、1キロ平均1200円の値を付けた。同漁協のサーモン養殖は今季で事業化2年目。7月上旬までに昨季実績の1.6倍となる150トンの水揚げを見込む。
三陸の養殖サーモンは徐々に各地で今季の出荷が始まっている。岩手県の久慈市漁協(川戸道達三組合長)は10日、久慈湾で養殖するギンザケ「久慈育ち琥珀サーモン」約2.6トン(2200尾、1尾平均1.3キロ)を初水揚げした。全て相対で取引され、需要の高まりや資材などの物価高騰を背景に昨季より高値のキロ900円台。7月下旬までに700トンの水揚げを見込む。
羅臼町の羅臼海産株式会社(渡辺岳雄社長、電話0153・88・1155)は、羅臼・北海道産の薫製オイル漬けを商品展開している。ホッカイシマエビ・タコ・ホタテの3品。規格外なども有効活用し、商品のラインアップを拡充。ワインショップのギフトセットなどの需要を獲得しており、昨年に少量タイプの新規格を加えて拡販に臨んでいる。
道開発局室蘭開発建設部苫小牧砂防海岸事務所が海岸保全を目的に2000年から整備を進めている胆振海岸白老工区の人工リーフ(潜堤)造成は、波消しブロックでは道内初となる水産協調型の構造を採用している。浅海資源の生息場に機能し、ウニの間引き採取など漁業振興を助長。また、コンブなど着生・繁茂した海藻類は藻場を形成し、ブルーカーボン(BC)生態系として「Jブルー・クレジット」の認証取得につなげている。
道総研さけます・内水面水産試験場は、北海道に回帰する秋サケの新たな資源評価手法の開発を進めている。従来14地区に分けて各地区の来遊数を資源評価の指標値に使用しているが、回帰時の回遊行動で他地区の放流資源を相互に漁獲利用している状況がみられ、その相互作用を考慮した「資源動態モデル」(計算方法)を構築し、資源評価の指標値を推定。併せて近年高水温化する沿岸漁獲時の海水温の影響も組み込んで、資源評価・予測の精度向上を目指している。
水産庁によると、2024年の同庁漁業取締船による外国漁船への取り締まり実績は、立入検査7件(前年7件)、拿捕1件(同1件)だった。しかし、日本の排他的経済水域(EEZ)で発見された違法設置漁具の押収は18件(同8件)、北太平洋公海における乗船検査は24件(同16件)となり、前年を上回った。同庁では引き続き漁業取締体制の充実強化を図り、国際的な資源管理に貢献していく構えを示している。
3月に始まった湧別漁協のニシン刺網が順調なスタートを切った。序盤はサロマ湖内で1隻日量数トンと好漁、3月末~4月頭は外海で多い船が日量1トン前後の水揚げ。サイズは大主体、高値はキロ400円台と堅調に推移している。
羅臼漁協のバフンウニたも採漁は解禁日の1月15日に初水揚げしたものの、以降3月末まではシケ続きで操業回数が伸び悩み。一方、出荷軒数の多い殻付きが3月4日には50隻で2.4トンを出荷し、浜値は高値でキロ2850円に付いた。