記録的凶漁となり、いくら同様に空前の高コストとなった親製品。在庫払底で漁期入りし、当座分の手当てで需要先に一巡後、荷動きが鈍化している。冷凍品はロシアのチャムが昨年に比べ高値ながら秋サケより下値に位置しており、消流は相場動向の様子見も絡んで停滞。塩蔵(新巻き)は1尾単価が高く付く大型サイズを中心に苦戦の様相で、年内の消化が焦点だ。
北海道のマダラ漁が本格化している。水揚げは網走、稚内、小樽などで昨年より好ペース。一方、消流は11月中旬まで関東など本州で暖かい気候が続いて鍋物需要が弱く、荷動きが鈍かったが、真冬並みの寒気が入った下旬から活発化。末端の需要が強まり、加工業者のフィレーなどの生産も増大してきている。
札幌市中央卸売市場の生すじこ取扱数量は水揚げが昨年の7割弱に落ち込む中、10月が昨年の8割など健闘している。ただ、量販店の大半は相場高から10月前半で特売をやめ、加工筋主体の荷動き。荷受担当者は「一般消費者の購入量は減少している」と指摘する。
北海道広尾町のフィッシュミール製造・池下産業株式会社(池下藤一郎社長)は食品事業に参入する。新工場をこのほど完成させ、十勝・広尾港水揚げの厳選イワシを急速凍結し、業務用向けに出荷。ブランド名やパッケージも完成させ、顧客の獲得に乗り出している。
北海道の漁業生産は、秋サケ、サンマ、スルメイカの主要魚種が記録的不漁だった昨年をさらに下回る危機的状況に見舞われている。コンブも2年連続の大幅減産。加工・流通業者をはじめ資材、運送など関連業者に影響を及ぼしている。特に道東地域の不振が際立つ一方、マイワシの豊漁など光明も差し込んだ。資源回復策とともに、代替魚種の有効利用など環境変化への対応策が急がれる。
【神戸】株式会社浪花昆布(小濱敬一社長、電話078・821・2174)は、「昆布の日」(11月15日)に合わせ、運営する昆布専門店「佃真」内に「ぐるぐる昆布カフェ」をオープンした。12月28日までの期間限定。昆布ポタージュやだし茶漬け、昆布水カクテルなど全8種のメニュー展開で、添加物を一切使用せず天然真昆布本来のおいしさを伝える。
枝幸町で沖底船「第八龍寶丸」を操業する合名会社枝幸水産商会(岩谷隆行社長、電話0163・62・1622)は、前浜産を中心に加工販売事業に取り組んでいる。国内をはじめ海外市場に売り込み。事務所を構える中国・上海に加え、今年からシンガポールへの輸出に乗り出している。
サバ料理専門店を運営する株式会社鯖や(大阪府豊中市)と水産卸売業の有限会社かねはち(静岡県沼津市)は15日、神奈川県海老名市に「SABAR+海老名店」をオープンした。初タッグで神奈川県初出店。沼津直送のゴマサバを使った料理など、同店でしか味わえないメニューも取りそろえている。
寿都町(片岡春雄町長)の特産品をPRする商業施設「寿都アンテナショップ神楽」が11日、観光地・ニセコ町にオープンした。寿都産魚介類を使った料理を提供するレストランと、寿都漁港から直送販売の鮮魚ショップで構成。国内外からの来訪者に寿都の魅力を発信し、観光客誘致や基幹産業・水産業の振興などにつなげていく。
密封されたパッケージ内のガス成分比率をコントロールすることで品質保持やロングライフ化を図る「ガス置換包装」の存在感がいっそう増している。欧米で特に先行し、日本でも以前からある技術ではあるが、ここ数年で国内のスーパーやコンビニの総菜や精肉、鮮魚分野で採用が広がりを見せている。より新鮮さを求める消費者のニーズに応えつつ、食品や流通業界で対策が急がれるフードロス削減に取り組んでいく上で、有効な包装手法の一つとして評価が定着してきている。