羅臼漁協のメンメ(キチジ)は11月27日現在、数量・金額ともに前年同期を2割上回っている。一部刺網船は付加価値対策として活じめ出荷に注力、価格にも反映している。同日現在の数量は前年同期比21%増105トン、金額は22%増3億6600万円、キロ平均単価は1%高3486円。
稚内漁協の工藤飛鷹さんは今年6月、コンブの乾燥・保管施設を新築した。義弟の池野壮一郎さんと共用。天候に左右されず水揚げできるほか、人手対策や作業負担の軽減にもつながっている。株式会社寺島商会(函館市)の小型乾燥機(マリンドライTSR-600K)を2台完備するほか、扇風機も配置、風を循環させてコンブを乾かす。
陸奥湾で稚貝のへい死が昨年に続き発生した。夏場の稚貝採取は各漁協とも順調に進み例年通り確保したが、分散作業ではへい死が目立っている状況。地域差はあるが、終了間際の青森市漁協は確保できる稚貝を通常年の1~2割と想定。平内町漁協では3分の1程度とみている。
カニを主力に海産物の卸販売を手掛ける札幌市の株式会社マルサン三上商店(三上健悦社長、電話011・623・5688)は、札幌市中央卸売市場外(中央区北12条西20丁目1番3号)に本社・店舗を新築、11月8日から営業を開始した。活カニの蓄養能力を増強したほか、小売り・飲食店のスペースを拡充。海産物販売店や飲食店など卸先への安定供給に一層取り組むとともに、通販事業、観光客や札幌市民など一般消費者への魚食拡大に臨んでいく。
紋別漁協のタコ箱が好調だ。10月末時点の水揚量は前年同期比約3倍と大幅に伸長。6月末から8月にかけ好漁となり、多い船は日量2トン以上の水揚げ。最近は200~300キロだが、浜値はキロ900円程度と好値が継続しており、着業者は漁終盤の上積みに期待している。
宮城県漁協は11月26日、県産乾(ほし)のり「みちのく寒流のり」の今季初入札会を、塩釜総合支所・乾のり集出荷所で開いた。県内10支所から出荷された枚数は前年同期比33%減の1671万3800枚にとどまり、100枚当たりの平均単価は同45%高の2600円(1枚当たり26円)と、ここ15年で最高値となった。昨季の九州・有明海産の不作など品薄感から、在庫確保の動きにつながったとみられる。
JCFU全国沿岸漁民連絡協議会に所属する北海道から沖縄県の沿岸漁民の代表者らが11月28日、東京の参議院議員会館でクロマグロの沿岸漁獲枠の拡大を求める要請行動を実施した。水産庁の資源管理部の担当官に、漁業者の訴えの詰まった署名と要望書を提出した上で意見を交わした。経営に苦しむ沿岸漁民の実態を知った上で、それに配慮した配分枠の決定を訴えた。
「湧別町の海産物を全国に広めたい」。その熱い思いを実現させようと、湧別漁協に所属する3人の若手漁業者が、湧別産カキのブランド化に乗り出した。道内外への拡販を目指し「オホーツクABENGERS(アベンジャーズ)」を結成。ブランド名を「しろくまオイスター」と名付けた2年カキは、卸先の一つ、北九州市のオイスターバーから高い評価を得た。代表の安部漁業部・安部伸昭さん(41)は「氷上のカキ漁をPRし湧別産の知名度を高めたい」と話している。
南かやべ漁協は今年から促成マコンブの採苗で成熟誘導技術を本格導入した。コンブの胞子体を水温や光環境などを制御した水槽内で培養し人工的に子のう斑を形成(成熟)させる技術で、これにより順調に種苗生産。種付け作業もほぼ終了した。沖出し後もホッケによる種苗被害はみられず、着業者は今後の生育促進に期待を寄せる。
紋別漁協の底建網秋漁は、近年増加しているマフグが10月後半から11月上旬まで好漁となった。多い船は日量5~6トン、大半が1トン以上の水揚げとなり「1日の数量は昨年より少ないが安定して獲れていた」と着業者。最近はホッケやスルメイカが見えており今後の増産に期待を寄せている。