岩手県一のアワビ水揚げとなる宮古市の重茂漁協は昨年11、12月の今季、2号品含め17トンと低迷した。2季続けて10トンずつ減らし、危機感を強める。餌海藻の不足を大きな要因とみて対策に全力。ワカメなどの給餌に加え、コンブ増殖で「スポアバッグ」「海中林」という新手法に乗り出した。全県的な一段の減産で資源懸念が深まる中、注目、期待される。
歯舞漁協は「舞撰(まいせん)」の名称で地場産ホッカイシマエビのブランド化に乗り出した。昨年11月中旬に商標登録が完了。専用ステッカーもつくり、それを貼る出荷用パックはエビの赤色が映える黒色でより丈夫なものに部会で統一。品質管理も徹底し良質な煮エビを生産する。村内茂歯舞北海えび漁業部会長は「これを機に、より一層PRに力を入れていきたい」と話す。
青森県の昨年のコンブ実績は、数量が低調だった前年の3.1倍となる407トン。加えてキロ平均単価も50%高の2027円に上昇し、金額は4.6倍の8億2600万円と伸ばした。
三陸ワカメの入札が2月1日の宮城県産からスタートする。今季は宮城、岩手両県合わせ2万7804トンの生産が計画され、昨シーズンを約2000トン、7.5%上回る見通しだ。これまで両県とも生育は良好で目立ったシケ被害もなく、順調な出荷が期待される。
株式会社ブロケード(横浜市)は昨年12月29日、東京・原宿にサーモン丼専門店「熊だ」をオープンした。国産のサーモンのみを使用。日本全国の養殖サーモンのブランド化が進む中、都内でも珍しい業態であり、既存店との差別化を図る。原宿という土地柄とも重なり、インバウンド需要も取り込む。
南かやべ漁協のスケソ刺網は、11日に深場で漁がまとまり、着業者は好転に期待を寄せている。一方、浜値は漁中盤から薄漁が続いた影響でキロ200円台に高騰している。
昨年12月から始まっている長万部漁協のナマコ潜水漁は、日産150キロ程度と例年並みの水揚げ。良型が多く、浜値はキロ4300円程度と例年より堅調に推移している。
岩手県のホタテが高騰を極め、年明けの高値はキロ1000円と大台に乗った。上場不足が最大の要因だが、生産者からみても「異常」なほどだ。買受人は厳しさが増しているが引けない状態のようで、高騰は広田産新貝が揚がり始める2月下旬ごろまで続くとみられる。
白糠漁協のタコ縄は12月に操業を開始、序盤はシケに阻まれる日もあるが順調な日産で推移している。近年は資源が上向き基調で、山田明タコ縄部会長は「今シーズンも期待している」と話す。また浜値もキロ500円台と上々で、12月単月の平均単価は前年比3割高に付いた。
昨年(2017年)の北海道の秋サケ水揚げは、1572万7012尾、561億5007万5000円となった。尾数は平成に入って最低だった前年の2348万尾を33%下回り、1984年以来の2000万尾割れ。一方、金額は11.5%増で、過去20年では2006年(597億円)、07年(583億円)、15年(572億円)に次ぐ4番目の高水準となった。