今季の秋サケ商戦を展望する全国大手荷受・荷主取引懇談会が7日、札幌市の京王プラザホテル札幌で開かれた。一昨年の大減産・異常高騰などによる影響を断ち切る消流策を協議。昨年比3割増の来遊予想、ロシア産マス主体にヒネ在庫を抱える環境などを踏まえ、北海道産の売り場回復、安定流通への再興に向け、生鮮消化の促進や価格修正の必要性が挙げられた。
魚食産業展示商談会「第21回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」(主催:大日本水産会)が8月21~23日、東京ビッグサイトで開催される。800を超える出展社が参加し、魚貝類や水産加工品、関連機器など9000ものアイテムの展示、紹介が予定されている。
宮城県の石巻市水産加工業協同組合(臼井泰文組合長・54社)は5日、第二自動製氷工場の竣工式を石巻市魚町の同工場で開催した。旧工場の老朽化による新設で、製氷能力はプレート氷で日産80トンとなり従来の2倍、貯氷は200トン。組合員に氷を届ける時間を短縮し、船積み塔の復活で巻網船への供給を充実させる。自家発電による製氷能力アップとコストダウン、氷搬出の迅速化など、技術面でも先進的な工場だ。
宮城県の種ガキ生産は石巻湾、松島湾とも4、5日、採苗器となるホタテ原盤の投入が一気に本格化した。観測される浮遊幼生や初期付着の状況は順調。早くも「大丈夫そう」「一安心」など好感触の浜が多くなっている。冷夏で懸念が深まったが、猛暑に変わって水温が上がり好転した様子。だが、猛暑による付着後の死滅が警戒される。
東しゃこたん漁協古平地区の浅海漁業部会が古平漁港内で取り組むキタムラサキウニの蓄養は身入りが芳しくない。餌となるホソメコンブとマコンブの食いが悪く、今季の商品化を断念した。一方で収容時期を9月に変更。磯焼け漁場に密集するキタムラサキウニの移殖放流を行うタイミングに作業を合わせることで、着業者の負担軽減にも配慮する。
3Sアップの大型組成が目立ち始めたオホーツク産玉冷。水揚げも昨年を上回ることから、道漁連は道内の玉冷生産見込みを4千㌧増やし2万2000トンに上方修正した。昨年以上の内販消化が求められる中、3Sの製品相場は一部で下げ基調に。ただパッキング遅れの影響で生産が追い付かず末端消費は限定的。関係者は販売ペースの遅れに危機感を抱いている。
道東沖のマイワシ漁は昨年を上回る水揚量で推移している。ただ、組成が不安定で小型傾向。銚子など本州の水揚げが続く漁況も相まって、浜値は振るわない。着業者の採算性が低下し、生送り業者も生鮮出荷の原料確保に苦慮。8月中旬以降に迎える盛漁期での組成大型化など今後の好転に期待を寄せている。一方、大臣許可の棒受網船が10日から順次出漁するサンマ漁は水産庁の漁況予報では来遊量、組成とも昨年より厳しい生産動向が示されている。
枝幸漁協のタコ箱は、昨年より低調な水揚げ。雄武、頓別境界の沖は比較的順調だが、地区間で差が開いている。浜値は昨年より安値傾向で、キロ500円割れと平年並みに戻った。
青森県三沢市の三沢漁港にスルメイカ陸揚げ用の「荷さばき施設別棟」が落成し、7月26日、記念式典が開催された。海側の全面を防鳥ネットで覆い6.5メートルのひさしを伸ばすとともに、海水の紫外線殺菌装置などを整えた。全国に知られる「三沢昼いか」の衛生管理と鮮度保持効果を高め、魚価の向上、安定を後押しする。
羅臼漁協の一部コンブ漁家は、天日乾燥時の鳥害対策で福農産業株式会社(兵庫県三木市、電話0794・82・1088)の防鳥具「カイト鷹」や「カイト梟(ふくろう)」=写真=を活用している。干場に設置。「リアルな動き」が特長で、風によって舞い上がったり下降したり大きく動き、鳥を警戒させて寄せ付けない。