日高中央漁協浦河地区の刺網船第三十一高徳丸は6日、年明け後スケソを初水揚げ。漁獲量は7~8トンと、12月に比べて上向いた。船頭の髙城顕一さんは「このまま続いてくれれば」と期待する。
昨年12月中旬に高波による被害を受けた羅臼漁協。コンブ関係では番屋や乾燥施設が倒壊・損傷したほか、船も横転・破損するなどした。養殖施設は流氷対策で沈下しており、詳細把握は春の施設浮上後となる見通し。
被害は12月下旬現在の漁協まとめで建物44件を中心に漁船、ホタテ施設など多岐にわたり計56件。このうちコンブ関係は番屋や乾燥施設、倉庫といった建物の被害が33件で、全壊した番屋も。前浜などに陸揚げしていた船外機船も波で横転、破損するなどした。
東しゃこたん漁協古平地区のカレイ刺網は昨年12月以降、シケ頻発の海況を受け、低調な数量で推移している。品薄を背景に年明けのクロガシラは、良型でキロ平均800~750円と好値を付けている。
同漁協の担当者は「12月はシケが多く操業回数を稼ぐことができなかった。全体的に数量が少なく価格は堅調」と話す。 4日の初競りはクロガシラがキロ平均900~800円、翌5日も800~700円。今後は「6日から10トン未満船が操業する。数量が増えれば、価格は落ち着くだろう」と見通す。
野付尾岱沼の根室海峡5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)共同海区2020年水揚量は、前年比28%減の1万8124トンとなった。昨年5月までの操業で29号巽沖造成が予想以上の空貝に苦戦を強いられ、各海域のアソートも小型に傾斜したことが数量減につながった。
金額は同44%減40億994万円(税抜き)、キロ平均単価は同22%安221円。単価安が響き金額も伸び悩んだ。
岩手県大船渡市三陸町越喜来の中野えびす丸(崎浜港、第16代船長・中野圭)は、地元産の水産物を使ったブランド「OKIRAI PREMIUM 越喜来を味わうシリーズ」を立ち上げた。チームで6次化を目指す取り組みで、第1弾として「ホヤのレアスモーク」の販売を開始。志を共にする仲間を巻き込みながら三陸が誇る海の幸の魅力を発信し、地域振興につなげていく。
岩手大学人文社会科学部の田中隆充教授は、水産加工品の容器製造を支援するスマートフォン用アプリを開発した。高級感のある化粧品容器の金型を2次利用する取り組みで、製品ラベルのデザインなどがシミュレーション可能。加工業者の利益率向上を目指す。
水産資源の先行きが不安視される中、国は水産物の安定生産・供給に向け、昨年7月に「養殖業成長産業化総合戦略」を策定した。漁業現場では後進の北海道、岩手県でもサケ・マス類の海面養殖試験などに乗り出す動きが相次いでいる。海洋環境の変化などを見据え、回遊資源の変動に左右されない新たな漁業の確立を目指す「養殖」の取り組みに焦点を当てた。
「今後に不安を抱いても仕方ない。自分たちの手で現状を打開する」。大樹漁協の若手漁業者で構成する大樹サクラマス養殖事業化研究会は、冬季の水揚げを目指したサクラマスの養殖実証試験に挑んでいる。ここ数年主力の秋サケ定置が振るわず、漁家経営の先行きに影を落とし、新たな漁業を切り開くことで活気に満ちた浜を取り戻す。
平成以降最低だった2017年と同程度の来遊不振となった昨年(20年)の北海道の秋サケ。道総研さけます・内水面水産試験場の解析によると、4年魚で回帰した16年級は日本海区とオホーツク海区を除き不漁年級の模様。17年級も3年魚での回帰水準は日本海区を除き総じて高くはなく、来期も低来遊の継続が懸念される。
松前さくら漁協のサザエ潜水漁は、松前小島沿岸を漁場とし約10年の禁漁を経て2018年に再開。漁獲許容量を設定するなど資源保護を徹底して操業する。渡島地区水産技術普及指導所松前支所によると漁獲個体は6歳が主体で平均9~10センチサイズ。道内唯一の水揚げで日本の北限という。
市場・水産卸をイメチェン! 札幌市中央卸売市場の荷受・髙橋水産(株)(髙橋清一郎社長)は、女性を中心に若手社員らで「イメチェンプロジェクトチーム(PT)」を立ち上げ、写真共有アプリ・インスタグラムを活用した情報発信に臨んでいる。市場に入荷した旬魚や食べ方をはじめ、社員の趣味なども投稿。「皆で楽しめ、それが外にも伝われば」と、社内コミュニケーションの活性化も意識し、今後もさまざまな活動を展開していく考えだ。