政府は4日、ALPS処理水放出に伴う中国などの水産物の禁輸措置を受けた緊急支援として、「水産物を守る」政策パッケージを発表した。すでに計上されていた総計800億円の基金に加え、中国などに依存しない輸出先の転換対策などに予備費から新たに207億円を計上。総額1007億円による5本柱の支援策を打ち出した。
東京都・豊洲市場の北海道産ニシン消流は、8月末ごろからオホーツク海産の卸値がキロ千円と異例の高値に付いている。近年コノシロの稚魚でシンコ・コハダの不漁時に代替で相場が上昇。今期も梅雨期から夏の切れ間で引き合いが増えたが、サンマとイワシの水揚げが小型に偏って生食商材向けの青魚が乏しく、脂が乗った主に網走産ニシンの代替需要が強まった。
西網走漁協のシジミ漁は、後続群が順調に成長し、1人当たりの日量許容漁獲量(ノルマ)80キロをコンスタントに漁獲している。一方産卵状況について、同漁協は8月中旬に中規模産卵を確認しており、資源確保にも期待を寄せている。
えりも漁協の採りコンブは7月を中心に天候とナギに恵まれ採取日数を伸ばしている。8日現在の全地区延べ日数は192日に達し、昨年実績(143日)を大幅に上回るペースで操業。ただ浜によってはシケで大量に抜けて岸寄り。海に残るコンブも傷物が多くなってきたという。
えりも漁協(坂本好則組合長)がえりも岬地区に整備を進めていた水産物荷捌施設が竣工、供用を開始した。車両の乗り入れ禁止をはじめ、漁獲物や施設の洗浄などに使用する海水の紫外線滅菌装置やサニタリー設備の導入など衛生管理の強化に加え、氷の安定供給や活魚出荷の体制を構築。漁獲物の品質・鮮度保持を徹底し、付加価値の向上につなげていく。
えりも漁協のタコ箱は赤潮以降不振に陥っていたが、今年に入って漁が回復の兆しを見せ、冬島地区では日量1トンを超える船もある。着業者は「この先どうなるかと思ったが漁が見えてよかった」と安ど。価格も高値を維持しており、水揚げに力が入っている。
中国の日本産水産物全面禁輸措置に伴う対応として、道はホタテなどの消費拡大に向けた緊急対策を取りまとめた。道漁連と連携し、全国の量販店など約900店舗で販売・試食会を行うほか、SNSを活用した情報発信や大都市圏の駅広告で道産水産物をPRする。またオーストラリアなどで現地試食会を開き中国以外の輸出拡大を図る。これらの事業費には1億円を充てる。
岩手県洋野町の水産会社・株式会社北三陸ファクトリーの下苧坪(したうつぼ)之典社長はこのほど、東京の恵比寿駅近くのイタリア料理店ALMA(アルマ)で行われたイベントで、ウニを中心に北三陸の漁業や展望について調理者と来店客に伝えた。6年前から毎年実施されているが、これまではウェブ参加で、直接の来店は初めて。
フードテクノエンジニアリング株式会社(大阪市、野田憲司社長)は今年創立25周年を迎えた。食品工場の冷却設備に特化したエンジニアリング会社として、さまざまなエネルギー問題に着手。機器だけでなく工場全体をマネージメントし、自社電気計装部でシステムやソフトを組むことで省エネに向けた提案を促進させた。基幹事業を伸ばしつつ、今後は新分野にも注力。食品ロス削減、地球環境に配慮したカーボンニュートラルやCO2排出削減、人手不足に対応する省人化機械の開発など事業領域を広げていく。
東日本大震災で被災した三陸・常磐地域の水産加工業の販路回復・開拓を後押しする「東北復興水産加工品展示商談会2023」が26、27の両日、福島県郡山市のビッグパレットふくしまで開かれる。併催のオンライン商談会を含めると、地元福島や宮城、岩手など6県から過去最多となる140社近い企業が出展。東京電力福島第一原発のALPS処理水の海洋放出など新たな課題も浮上する中、工夫を凝らした展示で生鮮・冷凍から高次加工まで多彩な商品の魅力をアピールする。