食品卸大手の国分グループ本社株式会社と首都圏・関信越エリアを担うグループ会社は6月27、28日、展示商談会を開いた。低温フレッシュデリカ事業を伝える展示には、新しい凍結技術「ZEROKARA」(ゼロカラ)を生かしたメニューを紹介。冷凍食品やフローズンチルド商品(フロチル商品)を拡充する方針を示した。
飲食店、フランチャイズ事業、店舗コンサルタントを手がける株式会社サンユーライズ(横浜市西区、佐々木貢社長)の店舗は、落部や道南の産直品で他店と差別化している。落部漁協で漁業に従事する兄の佐々木正広さん(第十五幸成丸)が水揚げした魚介類を空輸。また、函館市、森町、八雲町の産地仲買からも仕入れ、「北海道産直」の強みを生かした料理を提供している。
東京都・豊洲市場の東北産スズキ消流は需要期の夏に入って大相場が上昇している。卸値は3キロ以上の相対でキロ1500円以上と堅調。仲卸業者は「シーズン前は800円。例年の夏は1300円ほど。今年はやや高いが、夏場は引き合いが強くて大相場が上がる。商戦はまだ始まったばかりだ」と今後の売れ行きに期待する。
斜里第一漁協の有限会社北洋共同漁業部(伊藤正吉代表)が今年打ち出したブランドサクラマス「知床桜鱗(おうりん)」が札幌市の飲食店のメニューを彩った。6月16~25日の10日間、6店舗が合同で料理フェアを開催。船上活じめ・胃洗浄などで鮮度保持を徹底、脂の乗りが厳選された素材の妙を生かし、各店が趣向を凝らした料理を創作・提供。丹精込めたサクラマスが料理人の技でグレードアップされ、伊藤代表は「自分らが獲っている魚の可能性が広がった」と価値向上に取り組む意欲を新たにしている。
地場産業の活性化を目指すスタートアップのReterras合同会社(リテラス、新潟県粟島浦村、本保輝紀代表)は地元漁業者や地域おこし協力隊と連携し、新サービス「粟島鮮魚直送便」を始めた。粟島周辺で獲れた魚を「津本式」で血抜きし高鮮度のまま契約する飲食店や宿泊施設、一般消費者に直送する。
有限会社泉澤水産(岩手県釜石市、泉澤宏社長)は6月27日、釜石湾で海面養殖した「釜石はまゆりサクラマス」約8.4トンを今季初水揚げした。事業化初年度の今季は直径40メートルのいけすを2基増設したほか、人工知能(AI)搭載の自動給餌機を導入。はまゆりサクラマスから採卵した種苗も使い、「オール岩手産」を実現した。7月20日まで前季比7.4倍の200トンの水揚げを目指す。
日高沖で大量発生しているオオズワイガニが日を追うごとに漁業者の経営を圧迫している。特別採捕許可を得た日高中央漁協での捕獲やえりも漁協でのエビかごなどでの混獲で水揚げが集中。安価なカニとして注目を集める一方、漁業者は「『本業』の水揚げを補うのは無理。この状況が早く終息しないと、漁業を続けるのが難しい」と本音を吐露する。