ひやま漁協乙部支所ナマコ協議会加工部門は、前浜のキタムラサキウニを使った塩水パックづくりに昨年から取り組んでいる。日沼賢澄部門長が乾燥ナマコ「檜山海参(ヒヤマハイシェン)」の売り込みなどで関係を構築した関東のホテルに卸している。
礼文島・船泊漁協でナマコけた引漁などを営む第六十五大輝丸の佐々木文雄さんは「魚介類採取装置」(八尺)で特許を取得した。八尺前方のフレームに海底方向に押し下げる力を生じさせる板(特許表現はフラップ)を取り付けることで八尺の浮き上がりを抑える仕組み。「波が高くても八尺は浮かずナマコの漁獲効率が上がった」と強調。日量の増加に伴い従来に比べノルマ消化に要する日数も短縮された。また網袋内部には滞留した石などでナマコが傷まないよう保護材(通称スレープ)を多数装着、傷や擦れを防ぎ良品出荷につなげている。
青森県漁連は2023年度ホタテ水揚げ年間計画を確定した。数量は成貝が増加を見込む一方、半成貝の大幅な減少で前年度比24%減5万5500トンと設定。キロ平均単価(税抜き)は7%高207円とし、金額は18%減115億900万円と試算。単価高で金額を補い100億円台を見込んでいる。
道総研稚内・網走両水産試験場は、海藻類の陸上養殖技術の開発と生産モデルの構築に向けた取り組みを進めている。道産のアオサ類や寒天原藻(テングサ類やオゴノリ類)などを対象に、生産コストを低減させる手法や効率的な育成条件を検討するほか、高付加価値化を図るため有機種苗生産技術の開発にも注力。道産海藻の知名度向上と利用拡大を目指す。
道総研釧路水産試験場はアサリ漁での作業省力化と生産性向上を支援しようと、農業用芋堀り機を改良したアサリ漁の機械化とともに土壌耕運効果の検証に2022年度から乗り出した。調査研究部管理増殖グループの深井佑多佳さんは「道内のアサリ主産地である道東で機械化を進め、高齢化で漁業者が減少しても漁業生産量を維持、向上できれば」と話す。
後志以北の日本海沿岸ニシンは、道の集計によると、4月末現在で前年同期比9%減の4592トンとなり、2年連続で4千トンを超えている。4月以降の主産地である留萌管内は10%増の1436トンと伸びている。
水産庁は4月28日、漁港・漁場の施設の設計に関する技術書『漁港・漁場の施設の設計参考図書』を8年ぶりに改訂した。気候変動に伴う海面上昇や波高の増大への対応策を盛り込むなど、新たに得られた技術的知見を反映した。施設を管理する自治体に適応を求めていくとともに、その実務を担う企業などにも参考にするよう働き掛ける。
日本生活協同組合連合会(日本生協連)は、アラスカの「責任ある漁業管理(RFM)」認証と海洋管理協議会(MSC)認証を取得したベニザケの切り身といくらの新商品を順次発売する。日本国内で製造するRFM認証のエコラベルが付いたプライベートブランド(PB)商品は初という。日本生協連が掲げる水産エコラベル商品の供給拡大に弾みをつける。
東京都・豊洲市場で岩手県・宮古漁協の海面養殖ニジマス「宮古トラウトサーモン」の評価が広がりを見せている。本格的に出荷が始まった2020年から取り扱う仲卸業者は「全国各地のご当地サーモンの中で養殖物の特有臭がない」と品質を評価。飲食店を中心に量販店、鮮魚店へキロ2千円で販売し、「現在の売価を維持できれば引き合いは出てくる」と需要動向を示す。
水産物卸売・水産加工を手掛ける旭川市のくまだ株式会社(熊田泰也社長、電話0166・47・1310)は、新たな商品開発に乗り出す。コロナ禍の影響で当初計画より期間を有した外食部門の新店舗出店が昨年完了し、製造部門の展開を強化。3月に液体急速凍結機も新規導入し、生食用や加熱調理済みなど従来手掛けていないカテゴリーで取引先などのニーズを踏まえて打ち出していく。