毛ガニの漁獲資源の増大・安定に向け、オホーツク管内栽培漁業推進協議会ケガニ部会(部会長・片山隆市雄武漁協組合長)は今年度から種苗生産技術の確立に向けた研究に乗り出した。短期・中期・長期の目標を設定。研究第一人者の市川卓准教授ら東京農大生物産業学部海洋水産学科と共同研究。初年度はふ化幼生を安定的に確保するための抱卵メスの管理方法の確立を目指し、抱卵メスの入手とその効率的な利用方法などを検討していく。
砂原漁協の底建網は、ホッケが苦戦している。4~5月の水揚量は前年同期比8割減。着業者は「潮が速く、ナギも使えていない」と残念がる。一方でミズダコは1尾21キロ以上の大大主体に上々の水揚げ。浜値もキロ900円前後と高値に振れている。
えさん漁協日浦地区青年部(成田昂平部長、3人)が取り組むバフンウニの蓄養試験で成果が表れている。昨年11月に陸上水槽に収容したウニはコンブの給餌により歩留まりが改善され、4月上旬には25%まで向上、良好な結果が得られた。一方で課題は苦味の改善。また、昨年は自作の円筒かごを地元漁港内に試験的に垂下、十分な実入りを確保できたほか、水槽掃除などの作業負担を軽減できる利点もあり、今後の本格導入を検討していく。
水産庁は2021年度の水産白書を公表した。特集にはコロナ禍による水産業への影響や新たな水産基本計画を取り上げた。生活様式の変化から食の需要が外食から内食へと変化したことや、家庭用冷凍食品の需要が増えたことを掲載。過去の基本計画の概要を振り返るとともに、今年3月に策定された新基本計画の概要や方針を示している。水産物消費の動向も取り上げている。
フクシマガリレイ株式会社は、低炭素社会の実現に向けたガリレイグループの機器やシステムを包括した新ブランド「NOBRAC(ノブラック)」を立ち上げた。第1弾として、フリーザーや冷凍冷蔵庫向けの新型CO2冷媒の冷凍ユニット(CO2トランスクリティカルブースターユニット)を開発、今秋受注を開始する。従来のフロン冷凍機と比べ消費電力を最大20%削減でき、環境負荷の低減や電気量の削減につなげることができる。
東京・豊洲市場で、道東沖で棒受網の小型船が水揚げするマイワシの入荷が3日に始まった。今季は先行している銚子産の組成が小さく、道産にこだわる仲買・量販を中心に引き合いが強い。ただ、銚子産の組成がサイズアップすると、道東産の相場が崩れるのが通例。荷受は両産地の水揚げ動向に注意しながら集荷している。
札幌市の株式会社PLUSワン(範國完次社長、電話011・817・6255)は、包装資材の企画・販売と併せて道産素材を使った水産品・菓子などオリジナル商品を販売展開している。コロナ禍以降、従来の観光土産品向けから自家需要向けを強化。水産品では「食べるラー油」など日常の食卓に上る総菜品を打ち出し、拡販に臨んでいる。
食品加工の株式会899社シャイン(岩手県大船渡市、桑野祐一社長、電話0192・25・1477)は、未利用資源を使った商品開発に力を入れている。コンブの仮根(ガニアシ)はこれまでほとんど使い道がなかったが、高い栄養価に着目。粉末化して付加価値を与えた。桑野社長は「捨てられていた海藻や魚も見方を変えれば宝。漁業者の所得向上につなげたい」と話す。
岩手県の釜石湾沖で今夏、国内初となるギンザケ養殖の「越夏」試験が行われる。海水温上昇でへい死リスクが高まる7~10月に、いけすを低水温域まで沈下。そのまま育てて大型化を図り、抱卵魚の水揚げを目指す。秋サケの不漁や生食ブームなどを背景に、養殖による「ご当地サーモン」が全国各地で増える中、養殖事業の可能性を広げる挑戦に注目が集まる。
岩手県の釜石湾沖で今夏、国内初となるギンザケ養殖の「越夏」試験が行われる。海水温上昇でへい死リスクが高まる7~10月に、いけすを低水温域まで沈下。そのまま育てて大型化を図り、抱卵魚の水揚げを目指す。秋サケの不漁や生食ブームなどを背景に、養殖による「ご当地サーモン」が全国各地で増える中、養殖事業の可能性を広げる挑戦に注目が集まる。