町役場を早期退職し亡父の漁業権を相続して増毛漁協組合員となった田邊康光さん(61)。公務員から漁業者に転身し新たなフィールドで活躍の場を広げている。浅海漁業を営む傍ら、「田邊漁業部合同会社」を立ち上げ前浜の海水で天日塩の製造に挑戦。年内にも大手ECサイトで試験販売する計画だ。将来的には未利用の地魚で加工販売も見据えており「増毛のPRに少しでもお手伝いできれば」と夢を膨らませている。
留萌管内の稚貝仮分散は、一部の地区を除き先週までにおおむね終了した。各漁協とも採苗器の付着時期がずれ込み例年より一回り小ぶりだが、必要量は確保している。高水温が長期にわたり休止を余儀なくされた地区がほとんど。苦戦しながらも8月末までに全地区で終了する見通しだ。
えりも漁協のコンブ採りは、19日現在の全地区延べ採取日数が117日(424時間30分)にとどまり、前年同期の135日(499時間)を下回っている。7月は天候と海況に恵まれ「今までにないほど出られた」との声もあるほど連日操業、採取日数を伸ばしたが、8月に入り台風などの影響で沖止めが続き出漁ペースは鈍化。地区によってはシケで抜けたコンブが大量に接岸、拾いに力を入れる着業者も多い。
千葉県銚子市で漁具販売や網の仕立てなどを行う森幸漁網株式会社は、日本健康会議が推進する健康経営優良法人の認定を受けたことを新卒者向け求人サイトに明記したところ、例年以上の反響が出ている。同認定を受けたことで企業イメージが上がったからだ。同社は保険会社のアクサ生命保険株式会社銚子営業所の担当者などからのアドバイスを受け、認定要件を満たすことができた。
紋別漁協のホッキ夏漁が始まった。資源量は減少傾向にあるものの序盤の日量200キロ前後から400~500キロと上向いている。エゾバカガイは潤沢だがコロナ禍に伴う需要低迷で水揚量を抑制。浜値はキロ180円と安値に振れている。
7月末で終漁したロシア水域サケ・マス流網漁禁止に伴う代替漁業のサバ類・マイワシ試験操業は、道水産林務部の集計(速報)によると、マイワシの漁獲量が前年を3割強上回ったが、単価安で金額は過去最低の前年並み。サバ類は100キロと振るわなかった。
小樽市漁協のウニ漁は終盤を迎え、赤(エゾバフンウニ)と白(キタムラサキウニ)の数量が減産傾向を示す。ただ8月上旬までナギ続きの海況に恵まれ操業回数を稼いだことを受け、数量・金額とも昨年同期を上回る漁模様で推移している。
余市郡漁協所属でムールガイの養殖試験に取り組む若手漁業者5人は将来的な養殖規模拡大を視野に入れ、竹で組んだいかだ1基を10、11日の両日で製作した。資材の仕入れや製作作業を自分たちで実施。9月中に余市港内に設置する。
農林水産省が10日公表した2020年水産加工統計調査結果によると、昨年の食用加工品の生産量(焼・味付のりを除く)は前年比7%減の143万6880トンとなった。主要種類別で見ると、練り製品、冷凍食品、塩蔵品、塩干品、節製品、煮干し品のいずれも生産が減った。
マルハニチロ株式会社は、魚類の細胞培養技術の確立に向けた共同研究に着手する。細胞培養に関するスタートアップ企業・インテグリカルチャー株式会社(東京都文京区、羽生雄毅代表)との開発契約をこのほど締結した。世界中で高まる魚需要に対し、魚類細胞の大量培養技術による食品生産で、持続可能な供給手段を探っていく。