岩手県の洋野町役場で2日、シンポジウム「洋野町で農山漁村の『いま』と『これから』を考える~洋野の海とウニ」が開かれた。特産品であるウニのブランド化を目指し、通年出荷を見据えた蓄養の事業化を検討している同町。配合飼料を用いた実証実験では「痩せウニ」の身入り改善が確認できた一方、海面での蓄養にはシケ対策などの課題も見つかった。これまでの実験成果を北海道大学大学院水産科学研究院の浦和寛准教授が報告した。
潜水で漁獲している長万部漁協のナマコは、1月に日量180~200キロと順調な水揚げ。12月の岩礁帯からホタテ養殖施設内に移動したことで増産した。2月3日からは岩礁帯に戻り日量100キロ程度と例年並み。浜値は昨年12月から安値基調、前年同期の2割安で推移している。
北海道の毛ガニは今年も漁獲量の低迷が続く。十勝・釧路西部が増産、日高も許容漁獲量が倍増となったが、釧路東部や主産地・オホーツクは資源状態の低下が深刻で、半分近くに減枠。全道で1000トンを割り込む可能性も懸念される。一方、価格形成をめぐっては昨年産の冷凍在庫は供給量が少なく一部サイズを除き消化されているものの、消流進度は鈍化。連年の価格上昇で需要先縮小の様相が強まっている。
オホーツク沿岸の2020年けた引水揚げ計画量は、前年実績比2%減の31万1800トン、当初計画対比で6%増となった。昨年同様、北部の宗谷、猿払村、南部の常呂が4万トン超の設定。12漁協中5漁協で前年実績超えの水揚げを見込んでいる。このうち3月から始まる漁場造成では1万6000トン以上の計画を立てている。
株式会社マツモト(堺市、松本紳吾社長)の「徳用おつまみ昆布」(内容量100㌘)=写真=が、インターネット通販最大手「アマゾン」の「おつまみ・珍味」部門売れ筋ランキングで上位をキープ、人気を集めている。
アマゾンには5年ほど前から出品。現在とろろなど10品程度出品する中で、売れ行き好調なのが徳用おつまみ昆布。同社は「おつまみ・珍味部門で1位になったこともあり、ここ2年ほど上位にランクインしている」と話す。
上磯郡漁協木古内地区の中村一也さんは本年度からカキ養殖に新規着業。「まだ手探り状態」と言い、唯一営む岩館隆喜同漁協理事から年間の養殖の流れや技術を学び、初出荷を目指す。
厚岸漁協の養殖ワカメの生産が順調に推移している。スイクダムシの付着で苦戦した昨季を踏まえ早期出荷に注力。生産額は昨年末現在で1000万円を突破、通期でも昨季を大きく上回る見通し。
1月10日に始まった日本海沿岸の後志・石狩管内のニシン刺網は来遊の遅れで低調な出足となったが、27日過ぎから漁がまとまりだした。来遊遅れの挽回に期待がかかっている。
水産庁は1月30日、農林水産省会議室で記録的な不漁が続くスルメイカの2020年漁期の漁獲可能量(TAC)設定に関する意見交換会を開き、前年度より1万トン少ない5万7000トンとする案を示した。5年連続の減少で、TAC制度を導入した1998年以降で過去最低。「日本近海のスルメイカの資源量が大幅に減少しており、漁獲枠を抑え資源の回復につなげたい」(水産庁)としている。
日本鯨類研究所、共同船舶株式会社、日本捕鯨協会の捕鯨3団体は1月23日、31年ぶりに再開した昨季の操業を振り返りながら、操業形態や肉質が高い時期などを模索。商流の強化を図り、資源保護と経営の両立を目指す今年度の方針を示した。