冨士電球工業㈱(東京都、天野詔次郎社長)はメタルハライドランプ(メタハラ)集魚灯「ハイパーMAX」シリーズに3タイプの新色を加えた。これまでオリジナル光色のみだったが、より澄み切った白、黄、緑を追加。集魚灯の光色は古くから地区や季節、ユーザーの嗜好(しこう)など千差万別だが、この追加色を組み合わせることで好みの光色を導き出せるようになった。開発時、試用モニターに協力したイカ釣り船から多くのアドバイスを受け、改良を重ねて商品化した。「理想の光色に近づき、漁獲量が増えた」と満足の声が届いている。
品質の高さから近年好値で推移している散布漁協の養殖ウニ。後継者対策に寄与する漁業として期待も大きく新規参入が進む中、養殖場の火散布沼では、へい死を最小限に抑えるための大雨対策にも注力する。これまで調査に携わってきた大学などを中心に今年、四胴型自動航行船「ロボセン」(アクアドローン)を用いた水質調査を開始、AIによる水質予報技術の開発を目指している。
北海道の秋サケ定置は10月下旬も伸び悩んで5万トン割れが確定的な様相で11月漁に入った。日本海とともに今季健闘を見せたオホーツク西部地区も10月中盤には下火傾向となったものの、昨年比5割増と久しぶりの好漁。定置業者は最終盤のメジカの来遊に注目している。
陸奥湾で水揚げされる半成貝の5割を占める平内町漁協は、TASC制度の割当てを超過しているため、来年から半成貝の水揚げを抑制し、新貝や成貝の割合を増やすこととした。県の指導を受け7月の理事会で決定。各支所には今年の稚貝分散作業から反映させるよう促している。
岩内郡漁協のスルメイカ漁が苦戦を強いられている。10月下旬は数量が伸び悩んでおり、外来船の隻数も1桁台と低調。着業者らは今後、11月以降の群れ南下に伴う増産に期待を寄せる。
10月22日は地元船、外来船ともそれぞれ4隻が操業。この時期に岩内港を拠点に出漁する石川県の着業者は「きょうは約80箱の水揚げ。最近では多い方」と話す。
後志総合振興局は地域の魚介類の魅力を知ってもらおうと10月15日、22日の両日に「後志の漁業を知ろうツアー」を実施した。参加者は古平漁港でブリの荷揚げを興味津々に見学するなど、評価は上々だった。
青森市の(有)塩谷魚店(塩谷孝社長)が10月~11月初旬の季節限定で販売する「越冬真鯛」が好評だ。平内町漁協清水川支所のホタテ養殖漁業者とタッグを組み、漁業者が釣り上げたマダイを活じめ・神経じめ処理し関東・関西の顧客に提供。「活魚は体力の回復が肝心要」と話す塩谷社長が鮮度保持の手順を指導しており、漁業者と二人三脚で付加価値を高めている。
(一社)漁業情報サービスセンター(JAFIC)が開発し、今漁期から漁業者に提供している人工知能(AI)を活用したサンマ漁場の予測位置を推定する情報について、「漁場の86%が推定漁場位置に一致している」(JAFIC)とし、高い精度を保っているという認識を示した。来漁期に向け、精度向上に向けたデータ解析を推進していくとともに、今漁期においても「期の途中ではあるが是非活用いただき、漁に役立てていただきたい」と呼び掛けている。
タカハシガリレイ(株)(大阪市、鳴田友和社長)はこのほど、アルコールバッチ式急速凍結装置をラインアップに加えた。大量、連続生産がかなうトンネルフリーザーで実績、定評のある同社だが、アルコールバッチ式を備えることで少量多品種にも対応、低温領域の生産をより幅広くカバーできるようになる。水産、食肉業界への導入促進を働きかけている。
帯広市の珍味製造・(株)江戸屋(塩野谷壯志社長、電話0155・33・8114)は、北海道産秋サケの皮を使った珍味「鮭皮チップ」が定番商品に成長している。特に本州で売れ行きが好調。昨夏に商品種を拡充し、新規取引先もつかんでいる。