三陸のイサダ価格が高騰している。宮城県の不漁が響いてキロ150~120円前後に上げ、漁が上向いても宮城、岩手両県とも修正なく高値張り付き。女川では2日、高値が157円となった。不漁と予想を超える高値で関係者は困惑気味だ。
常呂、湧別漁協のニシン刺網が3月中旬から好調だ。目合い2.1~2.3寸で日量1トン以上の船も。ただ全道的な好漁で値崩れ気味。切り上げる着業者も出てきた。
森町に新しい海産ブランドが誕生した。七福神・布袋(ほてい)さまのおなかを思わせる大粒のカキ、その名を「布袋牡蠣」と命名し森漁協の岩村和俊さんが今年から本格的な出荷を始める。岩村漁業部を法人化し4月に株式会社イワムラ水産を設立、6月には生食用に対応した加工場が完成する。6次産業化のスタートラインに立った岩村さんは「身入りの良いぷっくりとしたカキが出来上がった。生産量も販路も拡大して全国展開を目指したい」と自信を見せる。
北斗市のトナミ食品工業株式会社(利波英樹社長、電話0138・48・1234)は、新たにニシンの加工に乗り出した。オホーツクとロシアの索餌系を原料確保し、刺身商材を中心に販路開拓を進めていく。併せて一昨年から加工に着手した野菜に水産物を組み合わせた冷凍食品の商品展開にも取り組んでいく。
釧路昆布普及協議会(山﨑貞夫会長)は2月下旬、沖縄のスーパーで販促活動を展開した。釧路管内の女性部長ら7人が株式会社サンエーの旗艦店「メインプレイス店」を訪れ、各種昆布製品を店頭販売するとともに試食も提供。食べ方なども伝えながら釧路産昆布をPRした。
米国の2018年水揚量は、2万7000~2万8000トン(ミート換算)と見込まれ、15年ほど前の約3万トンに次ぐ史上2番目の水揚げとなる見通し。大型サイズの割合は昨年より拡大。商社筋は「輸出が減り大半を国内で消化しなければならない」と話し、玉冷相場の下方修正に言及する。
オホーツク管内北部3単協(雄武、沙留、紋別漁協)の毛ガニ漁は、出足から昨年よりも少ない水揚げ。組成は中・小主体で、浜値は大がキロ4000円超と強含み。雄武は小も4000円台の高値に付いている。
岩手県は秋サケとナマコの増殖で新たな取り組みを開始する。秋サケでは、稚魚放流後の水温上昇の早まりを近年の不漁の一因とみて、高い海水温に耐性があると推測される北上川水系の稚魚の遺伝子解析。沿岸河川水系で高水温耐性のある稚魚を特定・作出・増産に挑戦する。ナマコでは人工種苗の量産化を念頭に、食害を及ぼすシオダマリミジンコの駆除技術開発を狙う。
枝幸漁協(須永忠幸組合長)は、対米・EU輸出水産食品取扱認定施設の自営加工場の玉冷の生産体制を増強した。今年度からのホタテの水揚げ回復に対応。冷凍設備は高効率の自然冷媒型フリーザー(株式会社前川製作所製)に更新。新たにエックス線の異物検出・ランク選別システム(株式会社イシダ製)も導入し、処理能力をアップした。
オイスターバーを運営する株式会社ゼネラル・オイスターは、岩手県大槌町安渡地区で昨年稼働を始めた新工場「牡蠣ノ星」で生産する商品を拡充している。洋風でおしゃれなカキ加工品を打ち出している。3月下旬には東京・東銀座にある県のアンテナショップ「銀河プラザ」に初出品するなどPR活動にも力を入れている。