青森県の青森地方水産業改良普及所は三厩、竜飛今別の両漁協で水揚げされる本マグロ(クロマグロ)の脂乗りを測定している。同県の代表ブランド大間産の価格に近づける狙いだ。年末までに394尾が東京・築地市場などに送られ「目利きの評価と合っている。十分使えそうだ」と手応え。素脂肪率という科学的データをアピールしての出荷を視野に入れる。
えりも町の株式会社マルデン(傳法貴司社長)は、日高のブランド秋サケ「銀聖」を使った定塩生食フィレーを開発した。オリーブオイルに漬け込みうま味を凝縮。輸入養殖物が台頭する洋食需要にも対応した新商品で、北海道産秋サケの新たな市場開拓を目指す。4月ごろ発売予定。16日に札幌市のホテルオークラ札幌で発表会を開き、取引先などにお披露目した。
噴火湾で生産する2年貝(加工貝)の今季出荷計画は、2万トン割れの低水準となる見通しだ。渡島は6単協合わせ1万1600~1万3100トン、胆振は5000トンで合計1万6600~1万8100トン。昨季実績比6割減となる。昨年8月の台風被害に加え、予想以上にへい死が発生したものとみられる。
青森県深浦町の風合瀬漁協女性部加工部会はギバサ(アカモク)しょうゆ漬けの生産、販売を始めて4年になる。「少しでも付加価値を上げたい」(山本裕行美=ゆきみ・次期会長)と漁協から原藻を買い取る。同町の特産品に認定され売れ行きは安定、年5000パックほどの人気を誇る。
いぶり噴火湾漁協・有珠地区の中野龍一・智子(のりこ)夫妻(中野水産)は、独自に編み出した道具を駆使して海藻を採取し、未利用資源を活用したのりつくだ煮の製品化にも取り組んでいる。新製品は味、食感にこだわった逸品。昨年から販売開始し評判も上々だ。一方、海藻の採り方を若手漁業者にも伝授。浜の名産を後生へと引き継いでいる。
新ひだか町三石港町のみついし昆布株式会社(磯貝節社長、電話0146・33・2006)は、日高産ミツイシコンブを使った「日高昆布万能ドレッシング」=写真=を商品化、昨年7月に販売を開始した。日高産だけを原料に各種昆布商品を製造してきたが、調味料は初めて。商品名通りサラダのほか、パスタ、ギョーザ、冷奴など用途は多様で好評を得ている。
宮城県北部の南三陸町市場で年明けからマダラの水揚げ、上場が活発化した。刺網漁獲で、1隻30~50箱という日が多く、やや低調な滑り出し。漁場が狭く女川沖だけという。価格はオスの2尾入れで5000円前後など昨シーズンに近いが、「獲れていない割に安い」とみる生産者が多い。
日高東部海域(冬島地区を除くえりも漁協)の毛ガニはハシリから低調な水揚げで推移している。競合するロシア産の搬入減などで全体的に品薄の中、浜値は例年落ち着く年明けも堅調だが、漁獲不振に加え餌代も高騰し、厳しい操業を余儀なくされている。
岩内町の株式会社野澤商店(野澤幸平社長、電話0135・62・0249)は昨年来、日常の食卓に上る数の子商品の開発に取り組んでいる。昨年加工機器を新規導入。道加工連が制定した5月5日の「かずの子の日」と連動、リン脂質など機能性も生かした新商品を打ち出し、数の子の消費を盛り上げていく構えだ。
道水産会(川崎一好会長)主催の「新年の集い」が10日、札幌市のホテルポールスター札幌で開かれた=写真。道庁幹部、系統・関係団体の役員らが出席。官民一体、業界の総力を結集し、自然災害も相まって統計史上初の100万トン割れとなった昨年を底に、生産回復を図っていくことをあらためて確認した。