【京都】京昆布舗田なか(田中昌宏代表)は市内に販売店2店舗を構え、小売と卸を手掛ける。田中代表は福井県敦賀で手すき職人としての修行を積み、現在は自社製品のおぼろを削るほか百貨店で開かれる催事で実演販売。「手作業でしか生まれない味がある。そのおいしさを伝えたい」と、全国各地を飛び回り消費者に魅力を発信している。
すし種・刺身加工の東日本フーズ株式会社(石巻市)は冷凍ずしを刷新、解凍後でも作りたてと変わらない品質まで高めた。今年の節分シーズンでは冷凍恵方巻を増産し、顧客の需要を取り込むことに成功した。
数の子など魚卵加工大手・株式会社加藤水産(留萌市、加藤泰敬社長)は、主力の数の子などを製造する本社工場を新築する。近く主体工事、設備一括で発注。年末需要期の生産に間に合うよう10月末の完成を目指している。
えさん漁協山背泊地区のサクラマス一本釣りは順調に推移している。豊漁だった前年より盛り上がりに欠けているが、単価に支えられている。ただ、着業者は「近年は漁期が例年より1カ月ほどずれ込む傾向で、今後の展開が見えてこない」と話す。
北るもい漁協のエビかご漁は、主力のナンバンエビが数年ぶりの好漁から一転、切れ始めた。大型船の今力船団長(第八十八長隆丸=92トン)は「出足順調で4月の減産は例年通りだがトラ(ボタンエビ)が例年以上に少ない」と肩を落とす。
函館市双見町の鎌田板金工作所(鎌田喜良社長)は40年以上前からコンブ養殖を中心に船上で手などを温める湯沸かし器を製造。自身もコンブ養殖業を営む鎌田社長が漁業の現場で培ったアイデアを織り交ぜて造り上げた。使い勝手を進化させながら南かやべ漁協のコンブ養殖業者の全世帯に普及。現在は高火力に対応した新型の開発に注力している。
トラック運転手の労力軽減と安定確保に向け、宗谷漁協は今年から、稚貝搬出時の積み込み作業をパレット積みに変更した。契約先の宗谷トラック株式会社(稚内市)が同漁協に提案し、出荷する各漁協の協力を得て実現。関係者は「画期的な取り組み。今後増えていくのでは」と注目している。
むつ市の大畑町漁協ではサクラマスが薄漁、高値となっている。漁が釣り(へら引き)から定置に移り挽回の期待がかかるが、上向かず100キロ前後が続く。
松前さくら漁協の鳴海年蔵さん・康之さん親子は今季、ワカメ養殖の本格操業に乗り出した。昨年の試験収穫で手応えをつかみ今年新たにボイル釜と撹拌(かくはん)塩蔵機を導入し生産体制を整備。11日は今季最後の水揚げを行い、視察に訪れた町職員ら関係者に機械の特長や工程、生育状況などを説明した。2人は「将来的にワカメを生産の軸となるよう確立させ、コンブ養殖と並ぶ2本柱としたい」と力を込める。
東北地方の水産物・水産加工品が一堂に集結する「東北復興水産加工品展示商談会2017」が6月6、7日、仙台市の仙台国際センター展示棟(青葉区青葉山無番地)で開かれる。5県から約120社が参加し、一般展示ブースに新商品、自慢の一品を取りそろえるほか、個別商談会、提案型の商品プレゼンテーションを展開。震災復興に向けて奮闘する東北の水産業界が連携し、国内外のバイヤーに加工技術や商品力をアピールする。