青森県の3漁協・支所が6月、ナマコの幼生を人工的に作出し粗放的放流を試みた。それぞれが荷捌施設などで浮遊幼生を2週間ほど給餌飼育し、1ミリにも満たない着底直前に40万~50万個体を漁港内に放流。一般的な人工種苗放流に比べ、漁業者自らの生産でコストを削減し、生残率より放流数量で資源増殖を狙う。4年後の漁獲に期待が高まる。
岩手県水産技術センターが同県の本年度秋サケ回帰予報を公表した。367万尾、1万943トンの予測で昨年度(297万尾、8746トン)を25%程度上回るものの、大震災前5カ年平均の半分以下という不漁が続く見通しだ。回帰時期の中心は11月下旬~12月上旬と推定。
標津漁協は本年度、稚貝の分散作業を行う「ホタテ貝養殖作業施設」を建て替える。建築主体、機械設備一括で18日の入札を予定。完成は来年2月末を見込んでいる。
釧路市漁協流通加工センターは、マイワシを皮切りに、サンマ、マサバの加工で繁忙期の稼働に臨んでいく。特に今期はマイワシの水揚げ本格化が昨年より早く、増産に期待。独自ブランド「北釧(ほくせん)いわし」の冠名を前面に、漁期中のワンフローズンフィレーに加え、原料を確保し、加工品を拡充強化していく計画だ。
今季の秋サケ商戦を展望する全国大手荷受・荷主取引懇談会が2日、札幌市のホテル・ロイトン札幌で開かれた。親製品では旬期の生鮮消化や付加価値向上への商品づくりなど消流安定策を意見交換。いくらは不漁予想で国産の高値継続が見込まれる中、競合品にベニ卵も加わり、世界的な需給・相場動向を見極めた慎重な価格形成を確認した。
福島県漁連は東京都の築地魚河岸で消費者や仲卸業者から、県産魚介類の購入意思などを聞いたアンケート結果をまとめた。アンケートは7月22日、県漁連主催の試食会(7月31日付掲載)で実施、297人から回答を得た。
根室漁協のホッカイシマエビが高騰している。他の産地が不漁で前浜産の需要が強まっているため。7月下旬はキロ5000円台と例年より1000円近く高値を形成している。解禁日は昨年より遅れたが、金額は単価に支えられて巻き返している。
製パン・製菓業界を長年支えてきたミキサーメーカー株式会社愛工舎製作所(埼玉県戸田市)は水産加工向けの提案を本格化させる。製菓生地を作るのに必要な、最適な温度管理を保ちながら瞬時に切断・混合する工程は「水産加工品とも共通する。かまぼこやすり身などにもすでに生かされている」と牛窪洋光社長。「まだまだ用途は広がるはず。水産業界とより接点を持ち、新商品開発のお手伝いができれば」と期待を込めている。
羅臼漁協の天然コンブが最盛期に入っている。解禁から数日遅れての初水揚げとなったが、その後ナギに恵まれ連日出漁。今季は深み中心の繁茂。実入りなど品質は漁場で異なる。