東北太平洋沿岸のスルメイカ昼釣りの水揚げは8月末まで、岩手県の久慈、宮古で昨年同期を上回り、青森県の三沢、八戸は大きく下回った。好漁場が青森に先駆け7月中旬に岩手北部沖で形成されるなど、漁場が両県の明暗を分けた形だ。船団は群れの厚い漁場をめがけ両県沖を忙しく行き来するが、不安定な漁が続いている。
株式会社大成水産(札幌市、國分一夫社長、電話011・717・5522)は、ことし7月で創業25周年を迎えた。干貝柱を中心とするホタテ加工製品をはじめ干ナマコ、サケとば、するめといった乾物製品や魚卵、加工原料魚、コンブ製品まで幅広い水産製品を取り扱う卸売業者として発展し続けている。
宮城県では、大震災での稚魚被害により今季の秋サケ来遊で大幅減が見込まれることから、県と県さけます増殖協会などの業界が一丸となり種卵確保に全力を挙げる。来遊と河川遡上(そじょう)親魚の昨シーズン比「4割減」(県水産業基盤整備課)を前提に、各ふ化場の旬ごとの確保計画と、不足した場合の海面での網揚げ協力などの対策をまとめた。
日高中央漁協のコンブ採りは、厚生いに加え出漁日数も伸び、順調な水揚げで推移している。実入りはハシリこそ芳しくなかったが、徐々に上向いている。
順調に操業している猿払村漁協のけた引漁は、8月末累計数量が4万900トンとなり、今季計画の87%に達した。
操業海区は輪採2区。今季計画量は漁場造成を含め4万7000トン。船団34隻が8月末で110日間操業し、累計数量を4万トン台に乗せた。
頓別漁協は本年度から、札幌市の光塩学園調理製菓専門学校で年2回の出張講座を行う。主力のホタテとサケの漁獲方法や生態を講義するほか、講座前後には調理実習用の食材として無償提供。およそ10年間継続し、産地食材の情報発信とブランドの構築を目指す。
増毛漁協のウニは8月末に終漁、スタートから好値を維持し水揚金額が昨年比2.1倍に。過去5年間で最高の8361万円となった。
数量は17%増の64トンだが浜値は8割も高いキロ平均1310円に。別苅ウニ部会の小野久夫部会長は「全道的な不漁と高歩留まりで浜値が上がった」と説明する。
オホーツクの建マス(カラフトマス)は極度の不振で推移している。今季は隔年周期の不漁年に当たるが、3000トン割れの記録的不漁だった一昨年を下回るペース。浜値はオホーツク管内で高値キロ400円台に高騰している。
宮城県の養殖マボヤは大震災後、被嚢(ひのう)軟化症の感染が見られなくなった。震災後採苗の3年子(満2歳)が今春から出荷されピークを過ぎたが、同県水産技術総合センターの調査や生産者の水揚げ、流通関係者の扱いでも発症は確認されていない。原因となる鞭毛虫(べんもうちゅう)が震災の津波でホヤとともに流失し「漁場がリセットされた」と考えられる。
宮城県石巻市桃浦地区のカキ養殖漁業者と株式会社仙台水産で構成する桃浦かき生産者合同会社(大山勝幸代表社員)はこのほど、「桃浦かき」のブランドマークを商標登録した。また、株式会社仙台水産のテレビコマーシャルと「桃浦かき」のポスターが仙台広告賞を受賞。オリジナルパンフレットも作製し広くアピールしている。