東京都とNTT東日本株式会社は9月26日、「漁協運営型陸上養殖プロジェクト」に関する協定を締結し、事業の詳細を明らかにした。閉鎖循環式の施設を福生市内に建設し、ヤマメ(サクラマス)を生産する。陸上養殖を活用した教育(食育)や地域づくり(地域交流・観光)、雇用創出を目指し、多摩地域を起点とした新たな地域振興の実現を図る。
渡島噴火湾3単協(落部・森・砂原)のエビかご秋漁は、多い船で日量100キロ以上のボタンエビを水揚げし、ここ数年続いた薄漁から回復の兆しを見せている。最近は漁期後半から増加する小型サイズも見えており、来春のさらなる増産に期待を寄せる着業者も少なくない。一方、序盤にキロ5千円台を付けたメスの浜値は、9月末時点で4千円台と堅調に推移している。
ひやま漁協江差支所のスルメイカ漁は昨年より長く操業しているものの、水揚げは7月から盛り上がりがなく停滞した状況が続いた。10月に入り、漁況は上向き傾向。地元船が5隻から8隻まで増加し、外来船3隻が集結するなど、着業者は今後に望みをつなぐ。
上磯郡漁協上磯地区のホッキ噴流式漁には2隻が着業、順調な水揚げが続いている。着業する加藤佑基さんは「規格外だったホッキが漁獲対象サイズまで成長したほか、良い場所を引けている」と話す。操業期間中には移殖放流を行うなど資源管理にも努めている。
オホーツク海沿岸の漁場造成を含む9月末水揚量は、前年同期比14%減の22万2310トンとなった。北部が6%減、南部が2割の落ち込み。南部では一部、計画の下方修正を行っており、修正後の計画全体に対する達成率は86%。歩留まりは8%前後まで下降した地域もあり、サイズ組成は5S中心で6S、7Sが増加している。一方、浜値は引き続き堅調。キロ300円台後半~200円前後で推移している。
渡島噴火湾で稚貝の本分散がスタートした。6単協(長万部・八雲町・落部・森・砂原・鹿部)のうち長万部を除く5単協が開始。場所によって空貝は見られるが、仮分散では例年以上に確保したこともあり、おおむね問題なく作業を進行。着業者は「サイズも数量もほぼ例年通り」と話し、分散作業を進めている。
北海道の秋サケ定置網は9月が7800トンと前代未聞の1万トン割れとなった。昨年は善戦した中期に期待がかかるが、10月も勢いがない滑り出し。浜値はメスが昨年より3~5割高、根室やオホーツクでは異例のキロ2100円以上に高騰している。道漁連の集計(速報値)によると、昨年は全道で2千トン台となった日曜休漁明けの9月29日が815トンと千トンにも届かず、9月は日量千トン超が23日(1280トン)の1回にとどまり、漁期前予測も下回っている。
枝幸漁協所属のカニかご船「大翔丸」(新井田雄大共同代表)がこのほど竣工した。船体の大型化に伴う安全性の向上はもとより、バルバス・バウ構造の安定感や前後2カ所のサイドスラスター搭載による操作性も格段にアップした。漁船リース事業を活用。敷島機器株式会社が受注。お披露目した乙忠部漁港には同漁協組合員はじめ大勢の関係者が集まり新造船を祝福。餅まき、祝賀会を行い来季の本格操業に向け安全操業を祈願した。
北海道で初めて線状降水帯が発生した9月20日から21日にかけての豪雨・突風・高潮が漁業にも深刻な被害をもたらしている。道水産林務部が現在、各振興局を通じて被害状況を調査・集計中だが、盛漁期を迎えた定置網では使用不能となった漁場や操業継続が困難となった漁場も出ている。
東日本大震災で被災した三陸・常磐地域の水産加工業の販路回復を支援する「東北復興水産加工品展示商談会2025」が9月30日から2日間、宮城県の仙台国際センターで開催された。青森から千葉まで太平洋沿岸6県から約130社が出展。海洋環境の変化や不漁による原料不足など課題に向き合いながら技や工夫を凝らした多彩な加工品を全国のバイヤーや業界関係者約5千人にアピール。活発な商談を繰り広げた。全国水産加工業協同組合連合会(全水加工連)や一般社団法人大日本水産会など4団体で構成する復興水産加工業販路回復促進センター(東京都、代表機関・全水加工連)が主催。2015年から毎年開催する東北最大級の水産系商談会で、今年で11回目。