加工食品メーカー・株式会社北海大和(堀田健一社長、電話0133・77・8150)の新社屋・工場が8日に稼動を開始した。札幌市東区から小樽市銭函4丁目190番6の石狩新港地区に新築移転。製造設備の増強・能力アップで、秋サケ・コンブなど道産素材を柱に商品展開する粉末スープ・ふりかけ・お茶漬け・レトルト食品の生産体制を拡充した。「北海道からおいしさと笑顔を」の理念で国内外の需要先への安定供給、販売拡大に一層取り組んでいく。
食品機械メーカーの株式会社ドリマックスは万能スーパースライサー/ダイサー(F2000S/D)の解説動画を作成した。プロの販売士であるキングダム中野さんが出演し、1回の切断によるダイスカットや食材の断面がきれいになる仕組みを紹介。豊富な実演シーンと引き込まれる話術が相まって、機械の性能を余すことなく発信している。
様似町で昆布加工・卸を手掛けるダイシン株式会社(廣田義文社長、電話0146・39・1000)はこのほど、日高産根昆布が原料の「生こんぶ茶」を発売した。昆布茶では初という濃縮液体タイプ。食塩は使わず、根昆布由来の優しい塩味が特長で、希釈して味わう。調味料を加えて昆布だしにもアレンジでき、さまざまな料理に使える。
創業77年に上る札幌市の削り節製造販売業・有限会社富樫政雄商店(富樫悠平社長、電話011・831・6681)はコロナ禍を契機に卸専門から業容を広げ、小売りで消費者にだしの訴求に挑んでいる。昨年9月には工場1階に店舗スペースを開設。若年層にもアプローチを狙ったパッケージと併せて商品開発に専心努力。世界に誇るだし文化の継承、食産業発展の下支えを見据えている。
中東への水産物輸出で新たな成功モデルが生まれている。岡山県笠岡市の勇和水産(藤井和平社長)は北木島で養殖された冷凍殻付きカキ「EMPEROR OYSTER」をドバイ(アラブ首長国連邦)の五つ星ホテルや高級レストランに輸出し、日本国内以上の価格で取引している。自社の「喜多嬉(きたき)かき」ブランドを海外向けに展開した戦略が実を結び、中東の富裕層の需要を着実に拡大している。
古宇郡漁協神恵内女性部(村田由紀子部長)は、レトルト加工の瓶詰めシリーズで前浜産を日常の食卓に訴求している。現在、秋サケ・サクラマス・クロソイを素材に和・洋・中の3品を展開=写真。ふるさと納税返礼品、地元道の駅に加え、4月26日開業の温泉施設に新たな売り場が加わった。消費機会の増大に向け、これまでのセット販売から単品販売に挑戦。商品アイテムの拡充を目指し、新素材で試作にも乗り出している。
福島県産の活シャコが東京都・豊洲市場で注目されている。ボイルのチルド・解凍品より調理の幅を広げやすく、自店の味にこだわる飲食店に受け入れられている。また、宮城県産が近年、活出荷が減り、ボイル品の出荷が増加しており、料理人にとって福島県産の活が貴重な存在となっている。
福島県産の相場はキロ3500円と例年並みの価格帯。仕入れた活魚仲卸は「普段は春先から初冬まで宮城県産を扱っていたが、近年入荷が減ってきて、昨年はとうとうなくなりボイル品のみになった。水温・気温の上昇で生かして管理するのが難しくなったのだろう」と眉をひそめる。
冷凍食品の市場規模が拡大している。共働き、高齢者・単身者が増加して簡便食品のニーズが高まっていたところに、コロナ禍によるライフスタイルの変化が後押しとなり、存在感が高まった。併せて冷・解凍技術の進歩と食品事業者の開発力が商品のカテゴリーやバリエーションを広げ、便利さだけでなく、おいしい商品が増えて消費者ニーズをつかんでいる。
一般社団法人日本冷蔵倉庫協会は国土交通省や環境省の方針に基づき、会員企業に対し、自然冷媒の普及を推進している。2023年度(複数年にまたがる事業含む)は国の補助事業に38事業所が採択された。自然冷媒への転換は新設・更新時に着実に進んで構成比で5割を超えた。同協会が会員企業に実施している冷媒調査によると、11年度には構成比14%だった自然冷媒の使用は22年度にHCFCを初めて上回り、23年度(調査対象1195事業所・所管容積2923万821立方メートル、有効回答率は容積比率で72%)は前年度比4ポイント上昇の51.4%。
冷凍技術「イータマックスシステム」で知られる中山エンジニヤリング株式会社(埼玉県川口市、中山淳也社長)が開発し、井戸冷機工業株式会社(北見市、井戸仁志社長)が販売、施工する二酸化炭素(CO2)使用の自然冷媒冷凍システムは一昨年の本格展開以来、さまざまな効果を導き出している。1号機として導入した紋別市の水産加工場では、電気代が既存の冷凍機に比べて51%も削減するなど1年目から結果を出した。極寒や猛暑といった苛酷な外部環境下でも安定的に運転できる。省エネ性を強みにユーザーに寄り添う姿勢を示している。