つくだ煮や塩吹きを中心に製造販売する株式会社浪花昆布(神戸市、小濱敬一社長)は、2月にスコットランド・グラスゴーで開催された「ミシュランガイド2025授賞式 イギリス・アイルランド」のパートナー企業となり、世界的人気を誇る日本食に欠かせない昆布やだしの魅力を発信。試飲・試食を通しトップシェフらに昆布の持つうま味や味わいを伝え、新たな料理表現が生まれる機会を創出した。
紋別市の広瀬水産株式会社(廣瀬哲二社長)が紋別市弁天町3丁目に建設を進めていたホタテ玉冷の新製造拠点・弁天工場が竣工した。自動貝むき機を備え、省人化の加工処理体制を構築。併せて最新鋭の計量・検品・包装機器などを導入し、顧客ニーズに応じた高品質商品の生産機能を整備した。原貝の処理能力は既設の紋別工場と同量を確保し、2工場体制で倍増。国内外の需要先へ安定供給に一層取り組んでいく。6月に始まる本操業に合わせ本格稼動に入る。
羅臼町の羅臼海産株式会社(渡辺岳雄社長、電話0153・88・1155)は、羅臼・北海道産の薫製オイル漬けを商品展開している。ホッカイシマエビ・タコ・ホタテの3品。規格外なども有効活用し、商品のラインアップを拡充。ワインショップのギフトセットなどの需要を獲得しており、昨年に少量タイプの新規格を加えて拡販に臨んでいる。
岩手県産マイワシを原料にした「ひらご煮干し」が東京都・豊洲市場に昨年末からスポット入荷しているが、定番のカタクチイワシの煮干しに比べて販売が伸び悩んでいる。干物塩干専門の仲卸業者はグレードの高いものを1キロ1300円ほどで販売。「傷や折れが少ないもの、脂肪が少ないものを選んでいる。逆に質の悪いものなら千円ほどになるだろう」と仕入れの基準を話す。
日高管内新ひだか町、新冠町の鮮魚卸、水産加工業者ら5事業者が互恵の取り組みで前浜産の活用を進めている。それぞれの得意業務を共有し、獲れた魚介類の円滑処理、仕事・商品づくりなど相互利益を創出。これまで日高昆布だしで味付けした開きホッケやマダラの漬け魚・フライ・珍味などの商品も生み出している。
紋別市の株式会社光進水産(齊藤則光社長、電話0158・24・3300)はホタテの玉冷で、原料から加工・包装までプレミアムを追求した商品を展開している。特に包装では洗練されたデザインの化粧箱に輸送中の衝撃、すれ傷の発生などを防ぐ特殊容器を使用。贈答用向けに現在紋別市のふるさと納税返礼品や自社ネット通販で提供。今後は北海道物産店や百貨店などの販路開拓も視野に入れている。
東京都・豊洲市場の毛ガニ消流は相場の高止まりで国内需要が低迷している。「海明け毛ガニ」が始まる3月は需要を刺激するイベントが少ないタイミングで、例年相場は落ち着きやすいが、今季は総体的に高値に張り付き、飲食店が仕入れを見送るケースが増えている。一方で、輸出業者からの注文は旺盛。禁輸の中国に代わりシンガポールなど富裕層が集まる地域の吸い込みが目立っている。
マルハニチロ株式会社は24日、2026年3月1日付で社名を「Umios(ウミオス)株式会社」に変更することを発表した。池見賢社長は「第三の創業である」と強調する。これまでは2社が統合し、総合食品企業としての基盤を固めてきたが、それだけにとどまらず、海を起点とした「食」を通じ、社会や地球環境が抱える課題解決に取り組む企業であることを目指していく。
「海明け」を告げるオホーツク海産の毛ガニが21日、札幌市中央卸売市場に初入荷した。入荷量は、カネシメ髙橋水産株式会社、丸水札幌中央水産株式会社の両荷受合わせて4キロ発泡で「昨年並み」の600箱。初競りで中心相場もほぼ昨年並みに付いたが、最高値は4尾サイズでキロ3万円(税抜き)と異例の「ご祝儀相場」となった。枝幸、雄武、沙留主体にサイズは5・6・7尾中心で「大きめ」と荷受担当者。卸値は1番手がキロ9千円前後、2番手が7千円前後。最高値で落札したキテネ食品館に鮮魚店を構える吉本水産株式会社の仕入れ担当者は「安定入荷に期待を込めた景気付け」と笑顔を見せた。
全国の百貨店で人気を博す「北海道物産展」の草分け・株式会社髙島屋(大阪市)。2020年に札幌市に仕入れ拠点を置き、駐在バイヤーが道内各地を回って埋もれた逸品の掘り起こしに力を入れている。近年の開催では北海道ブランドの原点「1次産品」の追求を掲げ、毎回テーマの「素材」を設定。10店舗余りの開催全店で共通展開し、相乗効果による販売拡大、道産食材の発信に臨んでいる。