野付尾岱沼の根室管内5単協(歯舞・根室・根室湾中部・別海・野付漁協)共同海区が1日にスタートした。29号巽沖造成(16隻)は日産70トン、29号外海造成(11隻)は同28トンペース。巽沖はL・M中心の大型組成。高値はキロ500円台を付けている。
オホーツク海沿岸の11月末ホタテ水揚量は、漁場造成を合わせ前年同期比2%減の31万4801トンとなった。南部・オホーツク管内の常呂、紋別が4万トン超え。11月で北部・宗谷管内4単協が終漁(11月27日付既報)、南部は5単協が終漁し、湧別、佐呂間、常呂が12月中旬まで続ける。
北部が昨年の水揚げに1割ほど届かなかった半面、南部は5%増の19万5031トンと増産。歩留まり、アソートが低下する終盤に、下降幅が小さい漁協も見られたことが一要因。
いぶり噴火湾漁協の2023年度加工貝(2年貝)水揚量は、前年比1%減7930トンを計画している。伊達地区の「早出し」は10月30日にスタートしたが「例年より小ぶり。各地区でへい死も進んでいる」(同漁協)ことから、本来の水揚量には届かない見通しを示している。
東京電力福島第一原発のALPS処理水海洋放出に伴う中国の水産物禁輸措置から約3カ月。大きな影響を受けたホタテの国内消費は、玉冷を中心に急拡大した。量販店や業務筋に加え通信販売やふるさと納税返礼品の需要が増加。国や道の支援も奏功し順調に消化されている。米国や台湾など海外輸出も堅調に動き出しており、オホーツク海のある加工業者は「だぶついた在庫の底が見えてきた」と好感触。関係者の大半は3Sキロ2500円の製品相場を底値と捉えている。
標津漁協のけた引が6日に始まった。日産37トンペースで9日までに74トンを水揚げ。仕向けは韓国向け活貝とみられ、浜値は高値がキロ400円、安値220円と堅調な出足。同漁協では「水揚量も上々で、順調にスタートできた」と話す。
オホーツク海沿岸の10月末水揚量は、漁場造成を合わせ29万9775トン、達成率98%となった。北部の宗谷管内は前年同期比1割減、南部のオホーツク管内は7%増、合計は横ばいの30万トンに迫っている。5単協が3万トン以上を水揚げし、常呂が4万3500トンと唯一4万トン超え。浜値は歩留まり、アソートが低下しキロ100円台中盤と弱含みの傾向にある。
サロマ湖の養殖は、3単協(湧別・佐呂間・常呂漁協)とも3年貝の成長不足や稚貝の採苗不振に伴う粒数確保に苦戦を強いられる年となった。来季出荷用の耳づり作業は順調に進んだが、来季の相場に見通しが立たない中、着業者は不安を抱えている。
高水温のため稚貝の本分散作業を順延していた渡島噴火湾では、9月後半から順次開始し、10月中旬の時点で大半の着業者が終盤を迎えている。地域差はあるものの成長が伸び悩み、各漁協とも一回り小さめ。数量に余裕がなく、漁協内で融通し合いながら昨年並みの量を確保できるよう進めている。
留萌管内4単協で稚貝の本分散が始まった。春先の採苗不振に加え、夏場の高水温で成長不足やへい死が見られる中、各漁協とも粒数確保に最善を尽くしている。水温が下がらず大半が開始時期を遅らせており、作業時間の短縮など、疲弊している稚貝の扱い方にも慎重になりながら本分散を行っている。
オホーツク海沿岸の9月末水揚量は漁場造成含め前年同期比1%増26万6745トンとなった。計画達成率は87%。南部中心に8単協が昨年の水揚げを上回っている。常呂の3万6930トンを筆頭に宗谷、猿払村、紋別の4単協が3万トン超え。歩留まりの低下と4S、5Sの小型が増えたことから、浜値はキロ200円を切り100円台後半に下方修正されている。